第8話 うちのカマキリが有能すぎるんですけど?
翌朝、ピットはみんなを集めると、寝ぼけ眼のまま話し始めた。
「なんかさ、昨日……夢に神様? が出てきて、“仲間を増やせ”って言いわれた!」
「……は?」(ボウイ)
「……うん?」(ツキノ)
沈黙。
ちょ、おま!説明下手か?
やり方とか、どう増やすとか、何も言ってないよね!?
それに“神様?”って、疑問符つけるな! 威厳ゼロだよ!(背後霊だけど)
俺が心の中で総ツッコミしていると、その沈黙を破ったのは――まさかの大カマキリだった。
「……ツマリ、夢ニ出テキタ 神様ガ、今後 ノ 為 ニ 仲間ヲ 増ヤシナサイ ト オ話ニ ナッタノデスネ?」
「他 ニ 何カ、 オ話 ハ 有リマセンデシタカ? 例エバ、仲間 ヲ 増ヤス 方法 トカ?」
……天才いた。
カマキリさん、どうしてその要約で全部理解できるの!?
俺が感心していると、ツキノがパッと顔を上げた。
「あっ、それならさ、カマキリさんを仲間にしたときと同じでいいんじゃない?
特殊な個体をピットの前に連れてくると、白く光って大きくなるじゃん!」
「うん、それなら僕もわかるよ!」とピットが元気に返す。
「進化できる子は白く光ってるから!」
「でもよ……俺には“特殊なやつ”の見分け方がわかんねぇぞ?」(ボウイ)
「それは……私たちで探すしかないかもね……」(ツキノ)
三羽が頭をひねっていると、カマキリさんが静かに前へ出た。
「モシ 宜シケレバ、 私 ガ 候補者 ヲ 捜シテ 参リマショウカ?」
「えっ、大丈夫なの?」(ツキノ)
「できるの?」(ピット)
「任せた!」(ボウイ)
三者三様のリアクション。
カマキリさんは微動だにせず、淡々と続ける。
「ハイ。 実ハ、 コノ 身体 ニ ナッテ カラ、 他 ノ 虫 タチ ノ 声 ガ 聞エルヨウ ニ ナリマシタ。
ソノ モノタチ カラ 情報 ヲ 得テ、 幾ツカ ノ 候補者 ヲ 確認 シテ オリマス。
三日 モ アレバ、 確認 シタ 候補者 達 ヲ 説伏セテ マイリマス。」
表情は一切ないが、声には不思議な自信があった。
「ありがとう、カマキリさん! この件は任せるよ!」
ピットはにっこり笑って、カマキリさんの“中足”と握手した。
(前足は鎌だから危ない)
うん――このカマキリ、有能すぎる。
なんでカマキリなんてやってんの?あ、それは選べないかw
ともあれ、この大カマキリ只者(虫)じゃないのは確かだ。
早速、今夜ピットの枕元に立って、今後わからないことはカマキリさんと相談するよう伝えておこう。




