2
「・・・眩し」
締め切られていなかったカーテンから朝の光が差し込む。
僕は朝が嫌いだ。妙に明るくて。
片方の眉を歪ませ、僕は中途半端に開いたカーテンの隙間を閉め切った。
スマホの画面を確認する。___10時。もうすぐ始業か。
ベッドから上半身だけを起こすと、眼鏡をかけてパソコンを取った。
いつものルーティーンだ。
僕が今勤めている会社は、完全在宅。
IT系なだけあってとてもラフだ。
それに甘んじて寝癖も服装も直さずに、完全ミュートにしたままグループ通話だけを開く。
「おっ、もしかして寝起きか?おはよう」
通話を開いた途端、そんな言葉が返ってきた。
僕は“準備中です。おはようございます”とチャットを送り、ミーティングを待つ。
「はは、そうかそうか。」
笑い声が聞こえてくるが、それ以上は何も送らずに見えないからと大きな欠伸をした。
正直言って、朝元気な奴は嫌いだ。
歳の近い先輩だが、仕事以外でも関わろうとしてくる根っからの体育会系。
直接会話することもないのに付き纏わないでほしいんだよな。
「そういえば・・・おっと」
「おはようございます。みなさん集まったようですので、そろそろミーティングを始めますね」
先輩が再度口を開こうとする中、続々と集まってくる参加人数。
幸いにも話の続きが始まる前に全員集まってミーティングが始まった。
正直言ってこのミーティングも重要な話はしない。
大切な話は基本的にメールで送られてくる。
僕はその間、内容もろくに聞かずにスマホを開く。
ふと日付を見た。
「もう春か・・・」
仕事のある日は基本的に外から出ないので気温の変化もあまり分からないが
カレンダーの日付は三月一日を指していた。
あの人は何をしているだろうか。
カーテン越しに漏れる光だけの薄暗い部屋の中
去年の春を思い返してみる___。




