表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/53

悪役令嬢として処刑されかけたけど、異世界で聖女になってかわいい精霊に囲まれてモフモフしますわ。

 わたくしの名はイザベラ・ハイザマーレン。

 いえ、公爵家から除名されたから、今はただのイザベラね。

 生まれ落ちた瞬間から、王太子の婚約者として王宮で教育されたの。教育係はとても厳しくて、家に帰りたいと毎日泣いていたわ。

 でも、家に帰っても、両親は妹ばかりかわいがり、わたくしには見向きもしなかったのだけれど。礼儀作法のなってない妹をなぜ可愛がるのか、さっぱりわからないわ。両親の代わりに厳しく注意してあげたわ。


 わたくしには王太子殿下だけ。

 いずれ王太子妃となって、この国を支えていくのだ、とお茶会のたびに我が国の問題点とその改善点について意見を述べたのよ。王太子殿下に不足している能力とそれを補うわたくしの努力についてもね。わたくし、とてもがんばったわ。


 でも、いつしか、殿下はわたくしを見るたびに顔をしかめて立ち去っていくようになってしまったの。侍女は「思春期ですから」と慰めてくれたけど。


 王立魔法学園に入ってからは、殿下はお茶会にも来なくなってしまった。一人で本を読んで時間をつぶして帰っていた時、遠くから殿下の声が聞こえた。

 ご挨拶しなきゃ。

 いそいで、声の方へ行ったわ。


「ねえ、アルフォンソ様。お姉さまを放っておいてよかったの?」


「あんな口うるさい女といるよりも、キャシーと過ごす方が楽しいからな」


「うれしい。私も、アルフォンソ様大好き」


「あはは、本当にキャシーはかわいいな」


 抱き合う王太子殿下とわたくしの妹。

 ショックのあまり、次の日から熱を出して、学園を休んでしまった。


 わたくしが、休んでいる間に、学園内にはいやな噂が広まっていた。

 わたくしが妹を虐げているのだとか。

 もちろん、すぐに否定したのだけど、わたくしを信じてくれる人はなく、皆、わたくしを軽蔑の目で見るようになった。


 どうして、こんなことになったのかしら。

 断頭台の上で、仰向けに寝かされ、鈍い鉛色の大きな刃を見上げながら思う。

 わたくしは、卒業パーティで王太子殿下に婚約破棄を告げられ、断罪された。妹を殺しかけた罪で。なぜ、誰も信じてくれないの。王宮に泊まり込んで、王太子の代わりに公務を行っていたわたくしに、妹を殺す時間なんてなかったのに。

 ゆっくりと降りてくる重たい刃。わたくしはこんなにも殿下に嫌われていたのね。


 でも、……こんなところで、こんなふうに死ぬなんて。

 許さない、こんな人生。わたくしだってみんなに愛されたかった。わたくしを愛してくれる人が欲しかった。

 こんなみじめに死に方はイヤ! こんな場所で死にたくない!

 その瞬間、知らない場所に転移していた。


 氏名 イザベラ

 レベル 16

 職業 聖女(見習い)

 住所 なし(召喚者寮予定)

 HP 150

 MP 180

 契約精霊 なし


 聖力    A

 精霊共感力 A

 精霊抵抗力 B


 渡された紙にチラッと目を通した後、周りを観察すると、同じ年頃の女性に交じって、小さな女の子がいるのに気が付いた。

 長いサラサラの黒髪をして、大きな黒い目でキョトンと召使いを見ている。

 こんな小さな子供まで。かわいそうに。

 わたくしが守ってあげるわ。

 神に与えられた2度目の機会、今度はわたくしの理想の人生を過ごすのだ。



 この一ヶ月後、イザベラは、リスの精霊とアライグマの精霊の二人と同時契約を結び、聖女学校入学の最短記録を作るのだった。

いいね、評価、ブックマークありがとうございます。

とても励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ