不思議な男の子
蝉が朝を教えてるかのように必死に鳴いていた
今年は特に暑く、朝から30度を超える猛暑日が連日続いていた
「ねぇ、あなた穂香はもう向こうに着いた頃かしら」
「もうそろそろ着いて堪能してるころだなぁ」
40歳を過ぎたおじさんがタンクトップ姿で新聞を読みながらコーヒーをすすり何気ない会話をしていた。
全く需要なんてないであろうに…
そこに1つの手紙が届けられた
封を切ると…
拝啓
お母さん、私は電車に揺られること16時間かけて
おばあちゃんの家にやってきました
何より空気が美味しいです。
流石にコンビニなどは近くになく不便ですがこっちはそれなりに楽しんでおります。
お母さんもお父さんと私がいない間に喧嘩しないようにして下さい。
「ふふ、かなり楽しんでるみたいよ向こうで、いらないお世辞まで書いてるけどね」
時は遡ること
私、早苗穂香は私の地元大阪から電車に揺られて
にやってきました
なんといっても、空気が美味しいそして景色がいい!
はぁ〜やっぱり田舎ってのどかでいいところ
ただ一点を除いては…
「あらまぁ〜見ないうちに大きくなってもうたね〜」
もう80歳を迎えたおばあちゃんはまだまだ元気そうだった
「そうだ、今日は鮎の塩焼きにしよう思うとって
釣ってきてくれんかね」
鮎ならすぐに釣れるし簡単!そう思って支度をした。
準備するものは釣竿と針だけで簡単に釣れる
川に着くと早速、鮎釣りを始めた
ピチピチっと鮎が一匹二匹と釣れる
「やった〜♬大量」
1時間ほどでバケツの中にはかなりの数の鮎がとれていた 。帰ろうと座っていた大きな石から腰を上げると急にあたりが静かになった…
その原因はすぐに分かった
岸の向こうにいる人?らしいものがこっちを見ていた
よく見ると肩から血を流している
ーついている。美味そうな人間の女だ!さぞ、身の柔らかいことだろうー
私は身の危険を感じ、すぐにその場から立ち去ろうとするが足が竦み動けないでいた。
口からよだれを垂らし向かってくる化物に…
「やっといたーー!」
いきなり、小学生ぐらいの男の子が化物を殴り飛ばした…
私は驚きを隠せないでいた
男の子はふぅーと額の汗を拭うとこっちにやってきた!
「おい、助けてやったからなんか寄越せ!」
いきなり太々しくそう言ってきた
すると、その子はいきなり飛ばされた!
ー俺ノォォ獲物ヲ取ルなァァー
まだ、奴は生きていたのだ…
よく見ると顔は狼の姿になっていた
「痛いなぁ〜もう…全く油断するなって師匠に言われたのに」
しかし、男の子は意外にも無傷でどばされた方向からやってきた。
化け物はその姿におびえていた…
「もう遅いよ。狼…お前は人間を襲ったんだから」
そう言って男の子は剣を取り出した。
その剣は強く光輝き、化け物に向けられた。
すると、あっというまに一刀両断してしまった
ふぅー
「この借りはでかいからな」
男の子はそう言うとその場に倒れ込んだ
よく見ると身体中ボロボロであった
仕方がなく釣った鮎を片手に持ち、男の子をおんぶしておばあちゃんの家に帰った。
ーその夜ー
すぐに治療することにしたが包帯やカットバン
などはなくタオルに消毒液を染み込ませ軽く拭いた…
男の子は余程痛かったのかすぐに飛び起きた
「いたーーい」
涙目になりながら部屋の隅に隠れた
そして、可愛いらしく頬をプクッと膨らましていた
「こらこら、喧嘩をするんじゃありません。鮎の塩焼きとお刺身にしましたから早くお食べなさい」
すると、男の子は手のひらを返すようにわーいっと席に着いた。
よっぽどお腹が空いているのか猫を被っているのかはわからないが…
しかし、鮎は本当に美味しい…
お刺身は鮎独特の匂いが食べた瞬間に鼻に広がり
食感はコリコリとしている。
この味はまさに清流の女王と呼ぶにふさわしいだ…
が横でそんな感動に浸る暇もなくバクバクっと
食べている子がいた。
「そういえば、なんであんなとこにいたの?」
「ふるしゃいなー!要件ならごはんを食べ終えた後にして」
ムカつくまるで、弟がいる人はこんな気持ちなのだろうか?
あまりにもムカついたので鮎を取り上げると
うるうると目を湿らせこっちを見てくる
く、屈しては食べだぞ私…しかし、渡してしまった
でも、これはこれでありかもしれないけど…
そうだこの事を手紙でお母さんに連絡でもしようっと
拝啓
お母さん、私は一人っ子ですが何と弟の様な存在が出来ました。
とても憎たらしいですが何故か憎めないそういうものなのでしょうか?




