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overcast  作者: 街幸カルト
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プロローグ

鈴乃は限界に近かった。

空腹と痛みがまだ幼い身体を蝕む。

「鈴乃お姉ちゃん…」

妹の清美が声を掛ける。その声は悲しみに満ち溢れていた。

鈴乃の身体は『肉』という概念がなかった。もう何日も食べていない程度じゃない。もう何年も食べていない…ような空腹だ。

実際、最後に食べたのはいつだっただろう。

最後に笑ったのはいつだったのだろう。

何も思い出せなかった。

ああ、意識が朦朧とする…。



そっか。私、死んじゃうんだ。



鈴乃はゆっくり目を閉じる。

それを見て清美は泣き叫ぶ。

「やだ!お姉ちゃん死んじゃやだ!」

…ごめんね。清美。

お姉ちゃんは、弱いんだ。



そうして、幼い命は消えた。




とても大きい憎しみを抱えて。

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