第二話 ご案内
Q 昔話に出てくる権力者は、なぜ不老不死を望むのだろうか。
A もっと欲しくなるんだろ。
Q 何を?
A いいモン。
by ミナリウ・J・カタルシエ
「適当に物を進めるからそういうことになるんだ」
「うるさいな!さっきからくどいぞ!」
「王様としての自覚が足りないよねー。家柄だけで王様になるからそうなるんだ。お前にゃ冠なんて似合わねーよ」
「誰なら似合うって⁉」
「うん?僕⁉似合うかもしれないけど、王様なんて面倒だし…」
「なんでコイツ、こんな自信満々なんだ。無職のくせに」
ヒウアーはミナリウの話を聞いていた。
曰く、ラナー・ショウは、鬼神の如き強さで、兵士たちを倒していったらしい。
先日、海岸にて。
『おー、ここが人魚の出るところかー』
『近隣住民から聞きました。正午あたりが出やすいそうです』
『なんで?』
『さぁ?』
『半分人間だから気分屋だと思うんだがな』
『半分魚だから周期があるんじゃないですか』
『はーん』
ミナリウが部下と話をしていると。
『何してるんすか?』
あの、淡い茶髪の少年が来たのだ。
『ここにいる方を…!』
『あぁ。いい、いい。相手は子どもなんだぜ。向きになることはねェよ』
煙草を蒸かしてミナリウが言う。少年は、眉を顰めた。
『おにーさんは、人魚を狩りに来たんだ』
ミナリウがそう言った。お兄さんって年齢かよ、と部下は思った。
『…なるほど』
ジャキン。
双剣を腰から抜く。
「それでボコボコにされたってわけだな。情けない」
「そう言うなら戦ってこい」
「嫌!」
「何なんだお前…。つか、なんでお前を連れてきたのか忘れたのか?働けよ」
「こんちゃーす」
ちょうどヒウアーが働くのを拒んでいた際、ラナーが声をかけてきた。
「あー…こんちはー」
ミナリウは頬を搔きながら言った。
ヒウアーは、ハッ、と嘲笑した。こんな子ども相手にペコペコ頭下げなければ(下げてはいない)いけないなんて、上に立つ王様は大変なことだ。
「やぁ、どーも」
「どもっす。見ない人っすけど、観光すか」
「そーそ。…オイ何してるんだよ」
ヒウアーの背中の傍にいるミナリウに聞く。「顔バレしてるんだから盾になれ」とミナリウは言った。
「自意識過剰な奴だな。人間そう、他人の顔は覚えてないもんだ」
「俺一応王なんだけど。ホントに覚えてない?」
「あの、よかったら自分、案内しましょーか?」
ヒソヒソと二人で話している中、ラナーは微笑みながら言う。
「おっ、いいねぇ。お願いできる?」
「えぇ。ここらへん、人魚がいるんで時間が合えば見れるかもしれませんよ。行きましょ。…あれ、お連れさんどうしたんすか?」
「船酔いしとるんですよ。情けないことで」
船酔いはお前だろ、とミナリウは思った。
続く




