第十四話 天才VS天才
ー前回のあらすじ
辛島 迅・二階堂 千智は苦戦しながらも、無事勝利する。
水無瀬 雫も、幻覚に打ち勝つ。
ー残すは三名
―凩 摩稀サイド
澤野 量子の能力で体を重くされ、なんとかして立とうとしながら、凩 摩稀は言う。
凩 摩稀「なにか…勘違い…してない…?」
澤野 量子「なにを?」
凩 摩稀「あなたの能力は…触れるたび…重くし…自分は……軽くなる…」
凩 摩稀「なら…」
凩 摩稀は、澤野 量子に突風を吹かせる。
澤野 量子「なるほどねぇ…」
凩 摩稀「は!?」
澤野 量子は、ほぼビクともしなかった。
澤野 量子「軽くなった私なら、風で飛ぶと思ったんでしょう?残念。質量は変わっても、慣性は残る。だから風が吹いても踏ん張る力は通常時と変わらない。もちろん、高いところから落ちる速度や勢いは変わるけどね。」
凩 摩稀「そんな…」
澤野 量子「また諦めちゃうの?」
凩 摩稀「……」
澤野 量子は凩 摩稀の襟を掴み、跳んだ。
重くはなっても、誰かが抱えたりする分には重さは変わらない。
凩 摩稀「ッ…!」
澤野 量子「輪廻解錠 圧墜葬」
澤野 量子は、空中で凩 摩稀を落とす。
澤野 量子(さあどうする…このまま、諦めたままじゃ死ぬよ)
凩 摩稀の脳裏に、水無瀬 雫の顔がよぎる。
凩 摩稀(死ねない…雫は、私に出来た初めての友達…)
凩 摩稀「輪廻解錠 木枯らし嵐!」
凩 摩稀は、木枯らし嵐を地面に放ち、風圧をクッションにして難を逃れる。
ただし、澤野 量子は凩 摩稀を持ち上げる時に能力を使って触れているため、さっきよりさらに重い。
澤野 量子が、ゆっくり落ちてくる。
凩 摩稀(くそ…重すぎる…)
澤野 量子「よく頑張ったね、でもゲームオーバーかな。」
すると凩 摩稀が思いつく。
凩 摩稀「ねぇ…風とかの影響は通常時と変わらないと言ったよね…?」
澤野 量子「うん、言ったよ。」
凩 摩稀「輪廻解錠 痙旋風!」
凩 摩稀は、竜巻状の振動の混じった風を澤野 量子の足元から発生させる。
澤野 量子(結構痺れるなこれ…)
澤野 量子「ッ…!」
凩 摩稀が、痙旋風の中に突っ込んできた。
澤野 量子(なんでそんなに動けるの…まさか…!"風"!?」
風などの影響は通常時と変わらないという特性を利用して、突風で自分を押し出し、突っ込んできた。
そして拳が握られている。
澤野 量子(まさか!!)
澤野 量子は凩 摩稀の狙いに気付き、跳んで避けようとするが、痙旋風の影響で足が痺れて跳べない。
澤野 量子(くっ…!)
凩 摩稀(重力を味方につけて…!)
凩 摩稀は、腕も風で押し出し、重さを利用し澤野 量子の腹に一撃を入れる。
澤野 量子「うぐっ…!」
凩 摩稀「もう私は…臆さない!」
―梶 才牙サイド
西園寺 千洋「輪廻解錠 未来演算」
この技は、相手の数秒先の"最も可能性が高い行動"を無数に予測し、最適解を瞬時に導き出す。
梶 才牙「輪廻解錠 紅嵐」
梶 才牙は、血の竜巻を起こす。しかし…
西園寺 千洋「それも読めてますよ〜梶さんは、自分の攻撃が通用しなかったら、目眩しも兼ねて範囲技を使いがち。」
梶 才牙(マジかよ……)
西園寺 千洋は日傘を広げて、回転させ、紅嵐を散らし飛ばした。
梶 才牙「嘘だろ…」
西園寺 千洋「この日傘は少々特殊でしてね。私の能力は最上戒とはいえ、戦闘能力自体は皆無なので、武器を使用させて頂いてるんです。」
梶 才牙(思ってた以上に強いらしいな…)
梶 才牙(血の消耗が激しい紅嵐を使ったのに弾かれた…この能力のおかげで、俺は常人より血液の量が多いが、それでもこれは痛手だ…)
梶 才牙は、一度走って木の影に隠れながら、技を繰り出す。
梶 才牙「輪廻解錠 紅血刃!」
梶 才牙は、血の刃を飛ばした。
しかし、西園寺 千洋に日傘で弾かれた。
西園寺 千洋「血を使いすぎたら節約技…分かってますよ」
梶 才牙(これもかよ…)
西園寺 千洋(お、使えそうなの発見。)
その場に石がたくさんあり、西園寺 千洋は、それらを拾う。そしてそれを梶 才牙に向かって投げるが、命中精度は100発100中。
梶 才牙(チッ、マジかよ…未来予知レベルじゃねぇか…)
梶 才牙(どうすれば…)
西園寺 千洋「こんなもんじゃないですよねぇ?」
梶 才牙(クソ…)
梶 才牙(ッ…!)
梶 才牙「あぁ、こんなもんじゃねぇよ…副校長さんよ…もっと楽しませてやる。」
西園寺 千洋「へぇ…どうやって楽しませてくれるんですか〜?」
梶 才牙(俺らしさを捨てろ…西園寺の思考に収まるな…俺ですらどうなるかわからないことなら、いくら西園寺でも読めるはずがない。)
梶 才牙(ほんっと俺らしくねぇが…血を…暴走させる…!)
梶 才牙の血液が暴走し、周囲広範囲を血の刃が襲う。
西園寺 千洋「な…何これ…」
梶 才牙「輪廻解錠 無差別断罪・紅血刃戯!!」
西園寺 千洋(法則性がないから、軌道が読めない…!)
梶 才牙(もっと…暴れろ…!!)
当然、梶 才牙には大きな負荷がかかる。視界も赤く染まる。しかし…不規則すぎる血の刃は、西園寺 千洋でも予測できない。そして、ついに攻撃が命中する。
梶 才牙「やっと当たった…これは流石にあんたでも読めないみたいだな。」
西園寺 千洋(おかしい…確かに暴走していて、荒技なのに、制御もしてる…制御ギリギリの暴走…こんな器用なことが、できるの…?)
西園寺 千洋(勝つためなら、自分らしささえも捨てる…これが、梶 才牙という人間の強さ…負けたわ…)
西園寺 千洋「完敗だ…」
梶 才牙は、血の暴走を止める。
梶 才牙「流石に…最後の暴走は血を使いすぎた…」
一か八かの賭けに梶 才牙は勝った。
梶 才牙「はぁ…はぁ…あんな荒技、本当…俺らしくないことをしたな…」
連載開始から3ヶ月目突入!
ついに次回、2週間ぶりに魔虎登場!




