↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔天道  作者: 外野透哉
13/61

第十三話 参謀

ー前回のあらすじ

 戦いは終わったが、残された克服すべき課題が明らかになった。

 そしてそれらを無事克服することはできるのかー

 迅と千智の前で、瞬が肩を鳴らした。


「どんどん来な。来ないなら、今度はこっちから行く」


 次の瞬間――


「輪廻解錠(りんねかいじょう)――瞬華(しゅんか)」


 瞬の姿が弾けた。


 いや、消えたわけではない。


 あまりに速い瞬間移動を繰り返し、まるで影分身でもしているかのように見える。


 次々と拳と蹴りが飛んでくる。


 迅と千智の体に、何発も叩き込まれた。


「ぐっ……!」


 千智がよろめく。


――強すぎる……


 迅も歯を食いしばる。


――これは……やばい……!


 迅が地面に手をつき、力を振り絞る。


「輪廻解錠(りんねかいじょう)!」


 腕を振り上げる。


「磁鋼収束(じこうしゅうそく)!」


 グラウンドの砂鉄。


 転がっていた鉄パイプ。


 近くの金属が一斉に浮き上がる。


 嵐のように巻き上がった。


 だが――


「へぇ」


 瞬が軽く笑う。


「それが敵に当たらなかった技か」


 瞬の姿が消えた。


 次の瞬間。


 迅の背後。


――しまっ……!


――あーくそ……

  またこれかよ……


――本当俺は……


 ドンッ。


 背後から蹴りが叩き込まれる。


「辛島さん!!」


 千智が叫ぶ。


――役割ってなんだ……?


――僕の……役割……


 迅がふらつきながら立ち上がる。


――くそ……


――何もできねぇのかよ……


――俺は……また……

  何も……


 その瞬間。


 迅の脳裏に、ある光景が蘇った。



 六歳の頃。


「や、やめてよ……」


――自分で言うのもなんだが、俺は昔から正義感が強かった


――子どもがいじめられてるのを見過ごせなかった


「悔しかったら取り返してみろよ!」


 いじめっ子が笑う。


 奪われていたのはフィギュアだった。


「やめろー!!」


 迅が間に割って入る。


「なんだおめぇ!」


 迅がいじめられていた子に向き直る。


「俺、辛島 迅。お前、名前は?何歳?」


「鼠ヶ崎(ねずみがさき) 憂磨(ゆうま)……五歳……」


「そうか、憂磨」


 迅が拳を握る。


「俺が守ってやる!」


――けど現実は、そう甘くなかった


 あっさりと叩きのめされた。


「もういい、雑魚は引っ込んでろ」


「場所変える。憂磨を連れてくぞ」


「ま……て……」


 迅の体が崩れる。


 憂磨は連れていかれた。


――それからだ。誰にも負けないよう鍛え始めた


ーー鍛えて鍛えて鍛えて……

  十四歳の頃、俺の前に磁仙が現れた


――強くなるために、契約した




 現在。


 迅が拳を握る。


「負けてたまるか……」


「ん?」


 瞬が眉を上げる。


「もうあんな思いは嫌なんだよ!!」


 迅が立ち上がった。


 千智が息を呑む。


――辛島さん……


――僕の役割……

  役割……


 その瞬間。


――ッ……!


 千智の目が見開かれる。


――そうか!


「輪廻解錠(りんねかいじょう)――先見(せんけん)の明(めい)」


――見極めろ……


――先生の未来を……


 視界が歪む。


 世界が二重に重なる。


 割れた鏡のように、未来の光景が重なった。


 次の瞬間――


 迅の背後に瞬が現れる未来が見えた。


――そこだ!


「辛島さん!後ろに磁厘爪!」


「輪廻解錠(りんねかいじょう)……」


 迅が振り向く。


 瞬の目がわずかに開く。


「ッ……!!」


「磁厘爪(じりんそう)!」


 磁力の爪が背後へ放たれる。


 その瞬間――


 瞬の胸を斬り裂いた。


 瞬が地面へ着地する。


――この子たち……


 口元が少し緩む。


――もう言うこと無しか……


 千智が息を整える。


――僕の能力は決して戦闘向きじゃない。それなのに、無理に前に出ようとしていた


――だから返り討ちにあう


 拳を握る。


――もちろん最低限の戦闘力は必要。

  でもまず考えろ。"役割"を


――体が追いつかなくても……思考は追いつくんだ……!


――これが僕の役割


 千智の目が見開かれ、髪をかきあげる。


――僕は参謀として……


――戦場を支配する!!




 その頃。


 雫の視界は歪んでいた。


「ごめんなさい……ごめんなさい……」


 地面に膝をつく。


 美穂が腕を組む。


――あぁ……


――この子は重症だ……


 美穂の幻覚は実体も持つ。


「お前のせいだ……」


 魔虎の姿。


「お前がいるから……」


 才牙の姿。


 二人が雫の首を掴む。


「……なさい……」


 首が締まる。


「ごめ……なさい……」


――これは……どうしたものか……


 美穂が首を傾げる。


 雫の意識が沈んでいく。


――私は……いっつもこうだ……


――なんで私は……


 その時。


「お前なんか……産まれてこなければよかったんだ……」


 魔虎の言葉。


「ッ……!」


 その瞬間。


 雫の脳裏に、別の光景が蘇る。



 初任務の時。


「不安だ……私なんか、役に立てるのかな……?」


 すると魔虎は、笑顔で言った。


「そんな思い詰めなくていいんでない?誰がなんと言おうと、水無瀬は水無瀬なんだからさ!」


「犬飼くん……」




 現在。


「……わけ……ない……」


「え?」


 美穂が眉を上げる。


「言う……わけ……ない……!」


 首を締められながらも、声を絞り出す。


「私は……"本物"を……知って……る……」


「輪廻(りんね)……解(かい)……錠(じょう)……」


「水蓮華(すいれんげ)……!」


 水刃が走る。


 幻の魔虎と才牙を斬り裂いた。


 首から手が離れる。


 雫が息を吸う。


「あんな優しい言葉をかけてくれた犬飼くんが……そんなこと言うわけない!!」


「梶くんだって!」


 美穂が少し驚く。


――意外と早かったね


「輪廻解錠(りんねかいじょう)――アクアリウム!」


 水の箱が生まれる。


 幻を閉じ込めた。


「水蓮華(すいれんげ)!」


 水の中で睡蓮が咲く。


 刃となって幻を貫く。


 魔虎と才牙の幻が靄のように消えた。


 雫が息を整える。


「彼らの侮辱は……私が許さない!」


 美穂が笑う。


――おそらくまだ完全に克服したわけじゃない


――でも……


「やるじゃん!」

ちなみに、一昨日の11月22日は、魔虎の誕生日です!

もちろん現実と時間軸が違うので、物語の中ではまだですが、魔虎の誕生日は11月22日(いい夫婦の日)で、

ちなみに雫の誕生日は11月15日(七五三)で覚えてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
修行回でした。 ゜+(人・∀・*)+。♪ これで勝つる。 皆、パワーアップ♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。