暗い部屋の中の
ブックマークまた一件ありがとうございます!
「こんばんはー?」
意を決し、木でできた小汚い扉を静かに開けると中には、いかつい顔のおっさんが4人と少年が1人、イスに座ったり壁にもたれかかったりしていた。
皆目には殺意と憎悪が渦巻いている。しかし少年には何もなかった。
ただ、ただ暗い暗い黒が流れていた。
中はわりかし広めで壁は赤と黒のチェック柄。そこに1つ魔法具と呼ばれている灯りがかけられていて、その有効範囲外はとても暗い。
真ん中にはビリヤード台っぽいテーブルが置いてあり、堅気じゃない感が凄い。
「どうしたんだ、坊主?」
一番奥のイスに座っている男が俺に話しかけてきた。
そのイスはどれよりも立派で座りやすそうだ。その前の机には狩猟用の銃と玉が散らばっている。
この世界には、なんと異世界なのに銃が存在している。魔法がかけられてある魔法銃とかもある。
もちろん、うちの村にもあるにはあるけど魔法銃は魔法具に分類され、いくら族長の息子でも手が届かない場所に安置してある。
なら書物も手に届かないところに置いておけよって話なんだけど。
今机の上にある銃には魔法陣が描かれていないので普通の狩猟銃だとおもう。それでも撃ち抜かれれば一撃だろう。
「い、いやその迷ってしまって…あはは」
「おいこらガキ!テメェ…なんでこんなとこにいるんだって聞いてんだよ?!ここを知ったからには生きて帰す事はできねぇぜ?」
そんなこと聞いてないよね?!絶対聞いてないよ!
しかもそんなキレる!?
だって本当に迷ったんだよ?いやほんとマジで。
な、なんだよー。壁にもたれてるおっさんのその目はなんだよー。
あとおっさん、死亡フラグ立てちゃダメでしょ。
「ご、ごめんなさい!命だけは助けてください!」
でもやっぱこわいからね。
「やめなさい、ジェームズ。ねえ、少年。君はいくつだい?」
ジェームズと呼ばれた男はボスっぽい男に止められ怒りを収める。
ヒューヒュー。
紳士は嫌いじゃないよ!
さあ、話し合いで解決しようではないか!
「2歳です」
「2歳でその口はすごく達者だね。怪しすぎると思わない?それ。」
わぁお…コミュニケーションが武器だった俺にとってこれが自らの首を絞めることになるとは!
むむむ、どうしよう。
俺が迷っているとボスは俺に提案してくる。
「ねえ、もしもの為にここに来た記憶を消したいんだけどいいかな?もちろんそうさせてくれたら無事に外に出してあげるよ?もしかすると生まれた時からの記憶も吹っ飛んじゃうかもしれないけどね」
いやいやいやいや!そんなことしたら絶対いいように使われるでしょ?それに言葉だって喋れなくなるよ?喋り方も忘れるもん。
うーん。このままだと絶対消されるなこれ…どうしよ。俺は特に強くなった訳じゃないし、2歳児では常識的に大人には勝てない。しかもこんな筋の人達には絶対かなわない自信がある。
反抗するか?でも俺、傷つくし、ヤハーナさんにも迷惑かけるかもしれない。
けどやるしかないよね。ヤハーナさんならいけるよ!
俺ってこのメンタルが長所だと思うわ。
「いや、記憶消されたらママとパパのとこまで行けないから遠慮しとくね!
んじゃあ、帰りますね!すみませんでした!」
後ろのドアに手をかけようとするとすぐに、ビリヤード台に座っていた男がドアの前に飛んできて俺を蹴飛ばす。その脚力は一般人の比ではなく2歳児は軽々と吹っ飛び銃の乗っている机に突っ込む。
痛みに悶えている俺にジェームズと呼ばれた男が俺の顔を殴り再び宙を舞った俺は扉の前に落ちる。
「ぐはっ…うぅがぐ…」
「ボス。2歳児ってこんなに脆いんですな。へへへ」
「やり過ぎるなよ。こんなクズの中のガキでも使い道はあるからな。クラウド、消してしまえ」
ボスがさっきの少年に声をかける。少年は声を出さず頷き、俺の方に近づくと右手を俺の頭の上に乗せた。
少し興味があるのでおれはそのまま痛みに悶えるふりを続ける。すると右手が急に白く発光し暗黒の光に包まれた部屋をオセロのように白へと変えていく。
「もうそろそろまずいよね。」
「なにっ!?」
俺は少年の右手を蹴り上げ反動で起き上がると、電光強化を体に加え、ボスの横まで逃げる。
が、その少年は横にいた。正確にはこの速さについてきた。
なんて子なんだ……って俺が言えない?
『焦熱の精霊龍』
火属性の中級魔法を試しに打つ。この部屋の広さだと半分が焼け飛んだらいい感じかな?
ゴォォオオオンンーー獄炎が俺の周りを一瞬にして地獄に変える。
煙の中からボスがクラウド君に肩を借りて這い出てくる。ボスの衣服はボロボロだ。クラウド君は…大丈夫そうだね!他の人達は…あれ?いないな。多分、危機一髪で逃げられたのであろう。
「くそー。まだまだ鍛錬が足りないな。」
「んぐっ…クラウドあれを使え」
「し、しかし!」
「俺の命令が聞けねえか!」
クラウド君がボスに思いっきり殴られ蹴飛ばされるがやり返しはしない。見たところあのボスを瞬殺できるほどの強さはあるとおもうんだけど。
「この!誰が…っ拾ってやったと思ってるんだ、クズが!」
「ごめんなさいごめんなさい…」
完璧に俺のことを忘れて2人の世界に入っちゃってます。それになんだい。あんなことする人は日本でもそういなかったよ。と信じたい。
日本人からすればこの待遇はすごく苦手なようだ。
『激雷の剣』
俺の手のひらにバチバチと電撃で形成された剣が創造される。この時の俺には殺意しかなかった。生まれて初めて抱く殺意は凄く単純に湧いたもので、2歳児にとっては安易に抱くことができるものだった。
シュンーー俺の雷撃が空気を切る音を響かせながらボスの首が綺麗な輪の字になる。
ことはなかった。
「坊っちゃま。まだ人をあやめてはいけません。まだ、まだです。」
作者はテスト期間に入ってしまうので
今のうちに全力でストックしていきたいと思います!
読者の皆様にはご迷惑をおかけ致します。




