21/21
契約
汝、何を望む?
「永遠の時を生きる者に」
何故、その望みを望む?
「過去を愛し、
現在に絶望し、
未来を信じられないから」
その代償に何を捧げる?
「捧げる?
代償なら既に捧げている。
永遠こそ我、最大の贖罪。
不死こそ我、最大の代償」
汝、その望みで何を得る?
「希望を。
永遠に叶えられない希望を。
それだけが、私の望み」
汝、契約の不履行は知っているか?
「知っている。
それがどうしたのいうのか?
全てを失ってもなお死ぬのが恐ろしい。
それ以上に、この姿を失うのが怖いのだ」
契約は結ばれた。
そなたにはその願いを与えよう。
だからこそ問おう。
汝、どうしてその姿にこだわる?
「あの人が唯一覚えている姿だから。
戦火で消えたあの人が私を見つけやすいように」




