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夢と現と幻と

初連載となります。

よろしくお願いします

人類皆平等なんて、嘘っぱちだ・・・・・・

先進国に産まれた人間と、後進国に産まれた人間

金持ちの家に産まれてくる人間と、貧乏な家に産まれてくる人間

家族のいる奴と、家族を失った奴・・・・・

そんな奴等が平等か?


そんな訳あるはずが無い

そんなお気楽なことを言った奴は、幸せの中で産まれ、幸せの中で死んでいった奴のたわごとだ


『そんなことは無いさ、誰しもが死ぬために産まれてくる。それだけは平等さ』


ははっ、そりゃ確かにそうだ

誰かが言ったな、人間は産まれた瞬間に死という名の祝福を授かると


『面白いことを言うねぇ、呪いではなくて祝福なんだ?』


そりゃそうさ、死は誰しもが最期にたどり着く終着点

死の先には永遠の安息が待っているんだ。

これを祝福といわずになんと言うんだ


『言いえて妙だねぇ。じゃ、死ねば幸せになるものだとあんたは思っているんだ?』


はっ、そんな訳ないだろ


『おや、あんたはさっき、死は祝福といったんじゃないかい?』


そりゃ、死んだ人間は幸せだろうさ、その先の安息が待っているんだろうからな。

だが、残された人間にとってはそうじゃない。

残された人間には後悔が残る。無念が残る。それでも生きていかなければならない絶望が残るんだ。

死んだ人間には祝福だろうが、残された人間には撒き散らされた呪いでしかない。



『ほう、残された側には・・・・ねぇ?

 すると、あんたは残された側の立場が分かるって訳だ』


5年前の天災、俺は家族を失った・・・。友達を失った・・・・。

全てを無くし、呪いだけを受け取ったのさ・・・・


『ま、よくあることさね』


そう、よくあることの一つにしか過ぎない


だからこそ、そんな不条理の中で生きていく世界において、平等たる言葉が存在するわけないだろうって事さ


だけどさぁ・・・・・


『うん?』


俺は思うんだ、せめて不幸があれば、それと同等の幸せが訪れるべきじゃない?


『何を言いたいのじゃ?』


もうちょっと、こう・・・・なんていうかさ


『はよ言わんかい』


せめてさ、可愛い女の子から告白?とか、されてもいいんじゃないかと思うんだ


『お主・・・・・、先ほどまでの貯めはなんだったんじゃ』


いやいや、もちろんすっごい美人!とか高望みはしないよ、

清潔な感じのかわいい女の子で、ちょっと年下ぐらいかな〜

そんな女の子から、「好きです」とか、人生の中で一回ぐらい言われてもいいと思わない?


『頭がピンク一色じゃな』


19年間女性と接点のない生き方をしてきた人間にしか分からんよ、この気持ちは


『結局の所、お主は欲情してるだけか』


欲情なんかじゃない!純☆愛が欲しいんだ!


『どこが違うのか分からぬが、深い考えだったのではないのか』


人間誰しもが、恋に関しては哲学的になるのさ


『ぶっ、あははははははははははははははは

 お主は本当に面白いのぅ、あれだけの魂の価値を持ちながら、頭の中はピンク一色かい』


う〜ん、いたって真面目なんだが


『いや、面白い。それでなんだ?

 魔王の力を望む理由は「発情の為」か

 そんなものに命を懸けて臨むとは、異世界の人間とは本当に面白いものだね』


マオウノチカラ?・・・・何?


『なんだい、知らずに「魔玉」を取り込んだのかい』


マギョク?それなんですか


『ふむ、お主、黒い液体を体に取り込んだ記憶はあるかい』


黒い液体?出してくれたコーヒーかな、あんな極上のコーヒーは初めてだったな


『どうやら知らずに飲まされたようだね』


コーヒーじゃなかったのか、でもそれが何か関係が?


『あのクソ野郎、まだ遊び足りないと抜かすか

 嬢ちゃんには茶番にまで付き合ってもらったのに、

 あの程度じゃ、まだ足りなかったってぇ事か・・・・・クソッ』


ええっと・・・

なんか知らないけど、ごめんなさいっ

機嫌直してくださ


・・・・あれ・・・・意識・・・・が・・・・・・・


『ちっ、侵食が始まっちまったか

 奴の遊びにはこれ以上つきあう気はないが・・・・

 そうだ、面白いことを思いついた』


侵・・・食・・・・・?

・・・・ぐぅっ・・・・


『お主、消えたくなければ我と契約せよ

 まずは、お互いの名前を知らなくてはならぬな

 我の真名はアリシア・サタン、おぬしの名は』


な・・・ま・・・え・・・・・

ヒロ・・ト・・・・ヒロト・・カズ・マ・・・


『ヒロトか、あい分かった

 私が言った言葉を復唱しろ、いいな

 『我 カズマが命ずる』』


わ・・・れ・・・・カズマが・・・めい・・・ずる・・・


『『魔界が長、アリシアよ』』


まかいが・・・・おさ・・・・・アリ・・・・シア・・・・よ・・・・


『『その力を我に与えよ』』


そ・・・の・・・ちから・・・・を・・・・われ・・・に・・・あたえ・・・・よ・・・・


『『代償として、魂の半分を明け渡す』』


だい・・・しょう・・・として・・・・たましい・・・の・・・・はんぶ・・・ぅぁ・・・・・


『ちっ、あと少しだよ、消えたくなけりゃぁ、気合入れなっ』


はんぶん・・・を・・・あけ・・・わたす・・・・


『よぉし、いい子だ

 『互いを半身として、永遠に離れない事を誓う』』


たがいに・・・はんしん・・・として・・・・えい・・・・えんにっ・・・・・

はなれ・・・・ない・・・こと・・を・・・・ちか・・・・うっ


『『ここに魂の婚姻を成立する』』


ここ・・・に・・・・たま・・・・しい・・・のっ・・・

こんいんを・・・・せいり・・・・・・・・・・・うぇっ!?


『彼女が欲しかったんだろ、我がお主の伴侶となってやろうということだ

 いい目見たければ気合入れるんだねっ』


こんいん・・・を・・せいりつ・・・・する


『間に合った、ちっと嵌められたようでムナクソ悪いが

 奴の鼻、絶対にあかして見せてやるか

 巻き込んだみたいで悪いが、これからよろしく頼むぞ、わがフィアンセよ』

お読みいただきありがとうございました。


次回から本文が開始されます。

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