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殺し屋JK、ターゲットは父親でした。  作者: 椿原菜湖
殺し屋JK、ターゲットは父親でした。新宿編
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85風見の面会

「風見」

「そこに座れ」

風見はフィルム越しにいた。同じようにパイプ椅子に座った。

「面会時間は30分です」

「ありがとうございます」

こちら側の警察官が退室した。

「あなた方が、弟の」

「いつも仲良くさせてもらってます」

風見という男は、肩まで伸ばした髪の毛を耳にかけた。

「弟は」

「元気にやってますよ」

「そうか」

風見はたまに広告で見るくらいの有名人。生活環境が変わったとはいえ、その見た目は健在だった。

「なぜ、ここに訪ねてきた」

「弟さんが兄の様子が気になると。でも顔は見れないから代わりに行ってきてくれと頼まれたまでです」

「そうか......」

風見はかなりの下がり肩。前髪が目にかかり顔の表情はほとんど見られない。

「風見さん。踏み入った質問をします」

「なんだ」

「練馬統合についてです」


バンッ!!!



「もうあいつらとは関わるなっ!!!!」



風見は立ち上がりアクリルパネルを叩いた。

「風見......」

「あいつらは、お前らじゃ勝てない。あいつらにとってお前らは、ただの石ころにしか過ぎないんだよ」「どういうことだ?」

「.......これ以上は言えない」

「神崎三重子だろ?」

「お前ら!?どこでその情報を!?」

「ある人から教えてもらってね」

「クソっ......」

風見は頭を掻き回した。

「もし、お前が正直なことを話してくれたら、それなりの礼はするつもりだ」

「お前らに何を言われようと話せねぇんだよ!!!」

風見は頭を机に何度も叩きつけた。

「何やってんだお前落ち着けよ」

「落ち着くものなにもねぇよ!!!神崎三重子は....あいつだけは、ダメなんだよ」

「その話、詳しく聞かせろ」



「あと5分です」



「風見!!もう時間がない。頼むから、教えてくれ」

「はぁ...はぁ...!!」

「風見、弟がどうなってもいいのか?」

「お前。弟だけには手を出すな」

「あいつは今、俺らの管理下の元で生活している」

「頼む!!!なんでも、言う」

風見はパイプ椅子にストンと座った。

「練馬統合とは、どんな組織なんだ?」



「”保険金”だ」



「保険金?」

「あぁ.....奴らは、ある人物に保険金を渡すために、人を殺している」

「人を?」

「練馬統合の部下たちを.....殺して、奴らの保険金を稼いでる」

「その保険金は、誰のために稼いでるんだ?」

「それは、言えない。ただ、今言えることは、保険金は”本人名義”で動いていない、ということだ」

「本人名義?誰のことだ———」



「時間だ。立て」



警官が立ち上がり、風見を連れて行こうとした。

「弟に、どうか体だけは気をつけてと、伝えてください」

風見は警察官に連れられて部屋から出ようとした。

「おい待てよっ!!」



「58834962」



「えっ?」

風見はそれだけ言い、面会室を出た。

数字?どういう意味だ。

「お疲れ様です。では、こちらから出て階段を降りてください」

「失礼しました」



ガチャン



「ありがとう、アル。録音、撮影はできてるか?」

「あぁ」

俺らは武蔵野警察署を後にした。

そして手のひらを空に掲げた。

駐車場に着き、一呼吸ついた。


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