78地位がバレた日
「武蔵野主婦殺害事件とか懐かしいな〜」
「なんだそれ」
「昔起きた事件だよ。俺らが終わらせたんだ」
「すげーじゃん」
ヨナスと休憩をしていた。コーヒーを片手に窓を開けてた。
今日はそよ風も吹き、深呼吸をすると気持ちよかった。
「ん?はーい。はい.....分かりました」
俺は電話を切り、懐にしまってあるトカレフの残りの弾数を確認した。あと、6発。これで足りるか?
「どした?」
「ヨナス、緊急事態だ」
「なになに?」
「裏口に———」
「侵入者だ」
「は?」
「いま、アルから連絡があった。監視室にいたリアムが侵入者を確認した。俺は武器を持って確認してくる。お前らはこっちに隠れてろ」
俺はヨナスとニクラスを本棚の奥に誘導した。
「俺らも行くぞ?」
「いや、相手が何人いるのかも分かってない。とりあえず俺と他のメンバーで対処してくる。あと、一応こいつを渡しておく。何かあったら連絡を入れてくれ」
ヨナスに、セレナ愛用の無線機を渡した。
ヨナスは頷き、本棚の奥に進んだ。
見えない敵から2人を守るのは、俺の責任。こいつらは生かしておかなければ。
そして俺は立ち上がり、部屋を出て鍵を閉めた。
ウォォォォォォォォォォォンン!!!
『侵入、侵入』
廊下にアラームが鳴り響いた。
「こちらコア。全員に通達する。各自持ち場につけ」
無線機で連絡を入れた。
「コア!」
「オーディン。死ぬなよ」
持ち場に向かっている時、仕事部屋からオーディンが出てきた。彼も同様にトカレフを持っていた。
道の分かれ目、オーディンとは持ち場が違うのでここで別れた。
『侵入者、敷地内に入りました。南門、5時の方向』
リアムの持ち場は監視室。そこから敵の動きをこちらに知らせてくれる。
そして、南門5時の方向に最も近いのは———
事件後処理部隊のククリだ。
『ククリは要注意』
リアムは全員の持ち場を把握している。
ククリは、射撃は得意だったはず。
南門は人の出入りが極めて少ない。侵入者はそこをも見越しているのか?
『侵入者、現在2人』
2人?少なすぎる。これならすぐに対処できそうだ。
外部の者は、躊躇なく撃ち殺す。
そういう決まりだ。
『侵入者、拳銃所持。拳銃所持』
「マジかよ」
俺の持ち場は、真反対の北門。今回特に出番はなさそうかな。
「コア」
「アル。侵入者だってばよ」
「厳しいな。でも、敵数は2人っぽいぞ」
「なんで」
「こんな得体の知れない建物に大人数で押しかけてたら気づくだろ。あと、相手はただ者じゃねぇ」
「しかも拳銃を持ちたった2人だけでな」
『侵入者、建物侵入』
「きた」
「ここからが本番だな〜。俺ら北門組はどう動けばいいのやら」
アルチュールとたわいもない会話をした。本当はもっと集中するべきなのに。
まぁきっとククリら辺がやってくれるだろう。
『ククリ!伏せろ!!』
パァン!
「おっと」
『ククリ、負傷』
「おっとおっと?」
「おい!ククリ?ククリ!?」
無線機から、ククリの反応がない。
まさか…..さっきの銃声で———
「おいククリ!」
『こちら、ククリ』
「…….は?」
『今からお前ら全員皆殺しだ』
「誰だてめぇ!!」
『くれぐれも気をつけろ』
そこで、無線は途切れた。
そこから声をかけても応答はない。
絶対に、ククリの声ではなかった。




