74協力者
「で?なに手伝えばいいんだって」
俺はしばらく涙を流した後、ヨナスとニクラスに溜まっている業務を説明した。主に練馬統合の調査についてだった。
現地点で最も困っていることは、クララとの面会を誰がやるか問題。
彼女が収容されている刑務所の面会に関する規則によると、親族ですら面会が難しそうだった。死刑囚は刑務所内でもかなり厳密な存在であり、外部との接触はほとんど不可能であった。
「なるほどね〜。クララと面会したいってか。てか懐かしいなクララとか。最後にあいつと会ったのっていつだっけ?」
ヨナスは俺が渡した資料を読みながら呟いた。
俺とセレナでヨナスとニクラスを確保した時以来、2人は同じグループのメンバーに会っていない。
最終的にラビットアサシンで死んだのは3人。2人は運のいい生き残りってわけだ。
俺たちが生かしてあげたといってもいいだろう。
しかしなぜセレナが2人を確保して、ここで匿ったのかは分からない。ラビットアサシンについて聞き出すためだとしても、2人は組織内でも下の人間。大した情報は持っていなかっただろう。
「ていうか、2人は練馬統合については知らないのか?クララと同じグループだっただろ?」
「あーまぁな。でも、練馬統合なんて聞いたことないよ。多分、クララたち間での秘密情報だったんだろうな。俺とニクラスは下の人間だったから、あまり情報は得られなかった」
やはりそうか。
ヨナスとニクラスはラビットアサシンにとって力の即戦力でしかない。頭も良くなければ策士家でもない。
力と技術だけのために用意されてた手下でしかなかった。
「でも、クララはよく勝地と2人で話していた。一時期デキてるんじゃないかと思うほど。でも、たまたまニクラスが盗み聞きした時、仕事的な内容しか話していなかったと。なぁニクラス?」
ヨナスの声かけにニクラスはゆっくりと頷いた。
「おっけ。じゃあ練馬統合についてはクララしか分からないのか」
「いま、コアたちが手に入れてる情報は何があるの?」
「勝地が残した走り書きと、練馬統合で働いてる女の名前が一致した。そして顔も特定済み。これがその女の顔だ」
俺はそう言いながら小型カメラ付きメガネで捉えた神崎三重子の顔写真を見せた。
ヨナスはう〜んと悩んだ。
「見たことないね〜」
コアは最後の希望に賭けたが、無駄だった。
「見たことないかー!んじゃあどうしたらいいんだよ!これじゃあどうやって近づけばいいんだよ!」
もう術がなかった。
どうもこうも、教景が本気にならない限り事態は動かない。
「.....あ」
「俺、1人当てがいるかも」




