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幼女勇者チーちゃんの異世界奮闘記 ~限界ロリコンアラサー女がオリキャラ幼女に転生した結果 ><~  作者: オフィ


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197/231

Lo197.つまらない演説と悪役(ヒール)のエールちゃん

 控室から会場入りすると観客席は満員御礼でした。

 うわー、こんなに人間がいたんですね。まぁハルテンより大国なので当然っちゃ当然ですが。


 円形闘技場の中の試合場は直径100mほど。それを囲むように観客席がすり鉢状に並んでいます。

 ふむふむ。結構バトルフィールドは広いですね。距離取って戦えそうなので、魔法職もいけそうです。


 そして試合場と観客席の間に、なにやら透明な壁があります。


「エールちゃん、なんか透明な壁みたいなのがありませんか?」

「あれは結界ですね。試合では魔法や飛び道具もあるので、観客への被弾を防止する為に張っています」

「あれで防げるんですか?」

「試合中は私も結界維持に協力することになっていますので、もう少し強固になります」


 あ、そうなんですね。じゃあ安心です。なんせエールちゃんは特級聖女様なので。暴力だけじゃないところ、期待してますね。


 私たちは選手用の席に移動します。ふむ、自分の試合以外のときはここで観戦してればいいんですね。

 あ、会場の中央に王様っぽいのが白銀の騎士団を引き連れて出てきました。

 久しぶりに見ますねぇ王様。【勇者召喚】されて以来でしょうか?


 こうしてみるとなかなか恰幅がよく、威厳のあるお方です。ただの王様ではなく、『聖王』なので服はどちらかというと白を基調として金の刺繡が入っており、帽子も王冠というよりローマ法王みたいな感じの荘厳なやつです。司祭帽ミトラって言うんでしたっけ? あのタイプの帽子。

 ふーむ、どことなく背筋がしっかりしていて姿勢に安定感がありますね。ああやって騎士団に守られていますが、聖王自身も強いんでしょうか?などと適当に考察してみます。まぁ全然分かんないんですけど。


 なんか異世界に来て分かってきたんですけど、強者ってたたずまいからしてなんとなく違うんですよね。立ち方ひとつでなんとなく強そうな感じが伝わります。

 例外はココッテちゃん。あれは姿勢がフラフラしてて、押せば倒れそうな感じです。まぁ実際はクソ強いんですけど。つまり、見た目の強さは偽装できるわけで……あれ? 結局何が言いたいのかよくわかりません。


 さて、聖王様が中央に立ち、演説が始まりました。


「まず、勇者とは―――(ネットリ)――この国の――由緒ある――――魔王を倒し――――(ネットリ)」


 …………ふにゅう……


 …………


「……はっ! 寝てました! 話終わりましたか!?」

「終わりました」

「なんか睡魔に襲われました! こわいです!!」

「そうですか」


 なんか聖王様が色々語ってた気がしますが、全部聞いてませんでした。

 まぁたぶん大したこと言ってなかったんで良いでしょう。


 続いて、金ぴかの鎧のイケメンが聖女っぽいのを伴って出てきました。


「あれ? 高橋くんとホリーちゃんじゃないですか」

「そうだね。何か話すのかな? 私だったら絶対緊張するよ」

「大変ですねぇ、勇者って」


 私が他人事のように語っていると、勇者の高橋くんが何か喋り出しました。


「初めましてイーグレス神聖国の皆さま。私は高橋結城たかはしゆうきと申します。勇者としてこの世界に招かれて――――魔王を倒すため――――みなさまの――――」


 …………うにゅん……


 …………


「……はっ! 寝てました! 話終わりましたか!?」

「終わりました」

「なんか睡魔に襲われました! こわいです!!」

「そうですか」


 またしても睡魔に襲われて高橋くんの話を聞きそびれました。

 まぁたぶん大したこと言ってなかったんで良いでしょう。


 きなこちゃんが鼻でフンと笑いました。


「つまらん話だった。ふぁっきゅー」

「えー、そう? 私は人前でああいう演説が出来るだけでもすごいなーと思うけど」

「…………(爆睡中)」


 ルナ子ちゃんは感心してたみたいです。まぁ堂々としててすごいですよね。元生徒会長だから慣れてるんでしょうか?

 ……あれ? なんか西蓮寺さん寝てませんか? ガチ寝です。そんなにつまらなかったんですか、高橋くんの演説。


 私の隣の席にいたエールちゃんがすっくと立ちあがりました。


「さて……退屈な前置きも終わりましたし、そろそろ私も挨拶をしますか」

「え?」

「まぁ、開会式には呼ばれてないんですけどね」


 そう言ってエールちゃんはたんっと軽くジャンプします。


 にゅわっ!? すごい跳躍力です!

 そして会場のど真ん中の空中から、まっすぐに落ちていきます。

 あ、でもそこには透明な結界が……


 パリィィィィン!


 エールちゃんが杖を振り下ろすと、あっさり結界は割れました!

 簡単に割れちゃってるんですけど!? 大丈夫なんですか結界!?


 そのまま闘技場の真ん中にすとんと落ちて、中央にいる高橋くんをとんっと突き飛ばして退けました。

 突然の特級聖女の乱入に、ざわつく場内。


「なっ、キミは一体……!?」

「予定には無いことをするな、リュミエール!」


 高橋くんと聖王様から非難の声が上がりますが、エールちゃんがドンッと杖で地面を突きました。

 ぶわっと広がる光の波動!

 その波に呑まれた人々は、さっきまで騒いでた口を自然と止めていました。


 今のは【神威】を使いましたね……軽く放っただけなので気絶する人はいませんが、明らかに空気が変わりました。神威を浴びた人々は明らかに……エールちゃんを畏れています。


 喧騒が静まったのを見計らって、エールちゃんが話し始めました。


「特級聖女のリュミエールです」


 シーンと静まった会場に、その幼女の無機質な声はよく響きました。


「突然ですが、みなさまは私が就任してから4年間に国内で発生した混沌魔物カオスモンスターの数を知っていますか?」


 問いかけるような口調。しかしそれに答えるものはいません。

 たぶんこの場にいる誰もが彼女の持つ雰囲気に呑まれて、エールちゃんを畏れています。


「4年間で1192体です。そのうち334体は私が倒していますが……たった1体でも街1つを滅ぼすと言われる混沌魔物がこれだけ発生する。これは明らかに異常です」


 えと、なんかすごいこと言ってません? この幼女1人で334体も混沌魔物倒してるんですか!?

 そりゃレベル9にもなるわって感じです!

 聞いてる人たちも、その数を聞いて驚いています。え、知らないんですか? 意外と安穏と暮らしてるんですかね?


「あなたたちは危機感が足りないので警告します。近いうちに我が国でも悪神――あるいは【魔王】が現れ、人々を絶望に陥れることでしょう。しかし、今この国に真に勇者の実力を持つ者はいません」


 先ほど『勇者』の高橋くんが演説したのを台無しにするような言い様。

 危機感が足りない。そうです。エールちゃんは【勇者の館】で酒池肉林パーティーをしている者たちにそう言っていました。エールちゃんは現場にいるからこそ危機感を感じ取っていました。


「この大会は、元々は勇者を選ぶ為の舞台だったと伝えられています。ですので、この大会で本当の勇者が現れることを祈ってます。

 つまりは――御託はいいから証明してください。その力を」


 挑発的なマイクをするエールちゃん!

 か、かっこいい幼女だ……しゅき……!!


「あと、この程度の結界では簡単に破れるので、試合中は私が結界を張ることにします。観客に危害がいくことは有り得ないと断言しましょう。皆さんは安心してください。

 ――もし、私の結界を破れる者がいたらそれはそれで面白いですがね」


 そう言ってエールちゃんはくるっと背を向けました。そしてチラッと一度だけ振り返り、言いました。


「せいぜい私を楽しませてください」


 最後にめちゃくちゃ悪役っぽい台詞きたーーーーーーーーー!!!


 そうしてエールちゃんはすたすたと会場の奥に消えていくのでした。


 エールちゃんがその場を去り、しばらくして魔法が解けたかのようにガヤガヤと喧騒が戻ります。

 観客たちが口々に言います。


「と、特級聖女……こええええ……」

「あれが聖女ってマジ?」

「【片目の怪物ワンアイド・モンスター】……リュミエール……様……」

「惚れた……しゅき……」

「勇者より強そう。聖女なのに。しかも幼女なのに」


 ふむふむ……これは概ね好意的な反応ですね! 分かります!!

 エールちゃんはどうやら人気者のようです!!

王様と勇者の演説部分は真面目に考えようとしたんですけど……無理でした☆ てへぺろ☆

仕方ないのでチーちゃんを寝かせることで強引に解決しました!

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