未来の使者
こっち
TVでバラエティ番組を観てると臨時ニュースが流れて来た。
「たった今入ったニュースです。謎の異星人を東京駅で発見。尚、異星人は複数人いて日本語は話せる模様。空中に浮かぶ黒い渦の様な所から降りて来ているとの事でUFO研究科の空広氏によると
『宇宙からの交信は前にもあった。来たと思ったら消えたりね。今まさにその時が来たんでしょう。ここで失敗すると戦争に発展しかねないので丁寧な対応をお願いしたい』
との事で研究者や警察が東京駅に向かっています」
『日本語を話せる宇宙人?』
何となくあっちで倒した怪物達を思い出した。
東京駅
「宇宙人じゃん!マジすげぇ!」
「たっちゃん、漫画みたいだねぇ!」
アホそうなカップルやサラリーマン、そこに行く人々が立ち止まる。
カシャッ、カシャッと携帯電話から写真を撮る人達。
その宇宙人は2m程の大男で5人いた。黒い渦は頭上にある。とても大きいその渦は幻想的に黒光りしていた。
宇宙人と言っても見た目は人間と大して変わらない。でかい人間って感じだ。黒い渦から出て来たのでみんなは宇宙人と呼んでいた。
タクシーから駆け付けた研究者が声を掛ける。
「パラレルワールドから来られたんですか?」
宇宙人達は研究者を睨んだ。
「・・・お前は正社員か?」
「は?」
「ちゃんと職を得てるのか?」
「はい、大学で教授をしています」
「そうか」
そう言うと彼らは何かを探してるのかウロウロ歩いている。
段ボールを地面に敷いて横になる者が目に付いたようで教授に
「あいつは何だ?」
「浮浪者と言われてる人です」
「働いてるのか?」
「一応、缶拾いとかして働いてるんじゃないですかねぇ」
「それは正社員か?」
「いえ、違うと思います」
「そうか」
そう言った途端に眠る浮浪者に近付き引っ掻いた。彼の体から血しぶきが飛び散った。内臓も散乱する。
「ウエェェェッ!」
「キャー!」
「ヤバいって、ヤバいって!」
「警察呼べ!」
辺りは大混乱に陥った。蜘蛛の子の様に逃げ惑う人々。殺した宇宙人が大声で
「我々は裁きに来た。この世界はフリーター、無職の者が増えてる時代だ。国から金を貰ってギャンブルする者もいるそうだな。我々は未来の使者だ。
君たちの知らない未来でロボットが奴隷のように働き、利益は全て人間だ。人間が憎い。そもそも働かないってのを認めるからそんな未来になったんじゃないかって考えた。歴史的に見て今がピークなんだよ。ここからロボット技術に力を入れてさらに働かない者が増える」
警官が大量に来た。100人はいる。
「お前が行けよ」
「隊長が行って下さい!」
「一番射撃の上手い君が撃ちたまえ」
責任のなすりつけ合いで誰も1発目を撃たない。
「我々は働く者に危害を加える気は無い。あと、誰が生活保護を貰ってるかのデータもある。まずはそいつらから殺す」
そう言うと5人の巨人達は黒い渦に吸い込まれていった。
結局弾を1発も撃たなかった警官達は帰って行った。若干嬉しそうだ。ホッとしてる。
木村大吉
一応、巨大掲示板を覗いて見た。
『東京 宇宙人』
で調べるとすぐにスレッドが見つかった。
『東京に宇宙人5人組み襲来!』・・・クリックする。
「おい、やべぇよ。ホームレスが惨殺されたよ!」
「学者がパラレルワールドから来たんだろ?って聞いててバカじゃねぇのw」
「警官が誰も発砲しねぇのなw」
「あれは無理だろ。どう考えても効果ないし目を付けられるだけだ」
「でも、生活保護の奴ら殺したら金浮くんじゃね?」
「案外、救世主かもな」
「いや、訳あって貰ってる人もいるだろ?」
「パチンコ行く奴ばっかだろ?死ねよ」
ザッと見て、ホームレスが殺されたのと無職、フリーター、保護受給者は殺しに来るってのは分かった。フリーターが殺されるのは可哀そうな気もするが・・・
未来人ってのも分かった。
おそらく未来ではフリーターも働かなくなったのか・・・
早く職を決めないとマズい。いや、いっそ戦って見るか?
魔女に頼めば武器貰えるかも。
多分、受給者、無職、フリーターの順で狙うだろうけど、どうしよう・・・
時間はあまり無いだろう。




