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ノスタルジー

 どれだけの、()()()()()()を人は忘れてきたのだろう。


 初めての涙。笑い。ムカムカ。出会い。別れ。

 数え挙げれば、キリがない。


 どうして、忘れてしまうんだろう?


 その瞬間は、どれも本物で。

 飲み込むことが出来ないから、溢れてしまったはずなのに。

 経験を重ねるほどに、鈍くなってしまう。


 もしも、それを純粋な幼心と呼ぶのなら。

 二度と帰れない、あの一日。あの道を。

 ノスタルジックと誤魔化して振り返る。


 ――省みて。

 あの日、私が夢見た背中には程遠く。

 せめて、恥じることのない背中で在りたい。


 私が好きな中島みゆきの「最後の女神」を聞きながら。

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