本当に好き
そして校舎を出ると美結の自転車を明人が運転し、後部車輪の上に美結は座り明人の腰に両手を回していた。
あてもなく自転車でサイクリングするのが、最近の二人の日課だった。
「今日はどこ行く?」
「うーんとね、決めてる。いつもの公園。」
「家から近いじゃん、つまんな。って痛っ。」
野次を入れる明人の頭に、美結は頭突きした。
そしてそのまま身体を委ね、温かい春風が気持ちよく目を瞑ってる間に公園へと着いた。
「あのね、あき。話があるの。」
美結は先にベンチに座ると、隣に明人を呼んでそう言った。
明人は相変わらずヘラヘラと口笛を吹きながらも、美結の隣に座って言った。
「分かってるよ。俺のこと好きなんだろ?」
「…違いますー。」
「ん?」
ちさ自惚れてる明人に、美結は頬を少し赤らめながら明人の肩に体を寄せ上目遣いで言った。
「本当に好き。小さい頃から変わらず大好き。」
「…馬鹿。俺でもそんなこと言われたら、ドキドキするじゃん。」
明人は美結の顔を自分の胸に埋め、真っ赤になった顔を見せないようにした。
美結は明人の胸が早く高鳴っているのを感じ、自分も全身が脈打つかのように緊張してきた。
「ねぇ明人は…。」
美結がそう言う途中で、その唇は塞がれた。
懐かしい柔らかいその唇の感覚に、美結は夢見の気分になりそして泣きそうになった。
「俺もずっと美結のこと忘れられなかった。陸の方が幸せにできるとか、俺なんかが幸せにできないとか思って素直になれなかった。それで傷つけた人もいる。でも俺でいいんだよな?」
「もちろん。それは私だって同じよ。」
「大切にする。俺だって本当に好きだから。」
明人はそう言うと、美結の身体を強く抱きしめた。
美結は涙を堪えられず、しばらく明人の胸の中で泣いていた。
しかしそれからも周りを巻き込むような痴話喧嘩は絶えない二人だった。
ただすれ違い辛く過ごした三年間の月日は、二人の絆を確固たるものにしていた。
それから美結と明人は高校卒業後共に地元の大学に入学、卒後数年して結婚し一姫二太郎をもうけ、温かい家庭を築いた。
日向は当時の彼氏とは別れあれから何人か彼氏はできたが独身貴族を満喫し、海と隼人は高校卒業後に結婚し双子の女の子とと三人の男の子をもうけ大家族で過ごしている。
工や陸はなかなか美結への気持ちに終止符を打てなかったが、それぞれ別の女性と交際し本物の愛を見つけることができたのであった。
fin
ここまでご閲覧していただいた皆様、雑文に付き合っていただき本当に感謝の気持ちでいっぱいです♡
私自身高校生だった頃に浮かんでいた話でした。
ヒロイン優柔不断ですが、人間はこんなものな気がするのは私だけでしょうか?
逆に暗めの恋愛、lillyも完結してますのでそちらもよろしかったらどうぞ(^^)
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