村の騒動
「はぁはぁ…村まであとどのくらいなの?」
「このペースだとあと半分ってとこだな」
ソルとメアは村に向かって全速力で走っている。
ソルは余裕の表情だが、メアはここまで来るのに息を切らしてしまっていた。
それは仕方のない事ではある、ソルは毎日鍛錬を行っているからともかくメアは本来、運動はあまり得意ではない。
「仕方ねぇな〜」
「ひゃっ」
ソルは息を切らすメアを見て、心配になったのか、少し後ろを走るメアまで速度を落とし、抱えあげた。
「これは、どうゆう…」
「ここから先、敵がいるかも知れないからな、少しでも体力温存しとけ」
「でも、ソルは平気なの?重くない?」
「あぁ俺は平気だ、身体強化してれば全然重くないしな」
「むぅ〜…わかった…」
(そう言う事じゃないんだけど…)
メアは何故かむくれているが、今は先を急ぐのが先決か…
そうこうしている内に村から上がる火の手が見えてきた。
しかし悲鳴は聞こえてこない、敵が来ていたらもっと騒いでいてもおかしくない筈だ。
火事なのか?それとももっと酷い事が起きてるのか?何故だか悪い予感がしてならない。
洞窟からここまで5分程だろうか、二人は村のゲートに到着した。
ソルが物陰から村の中を覗くと、村の中心に人だかりができていた。
そこにいる全員が武器か松明を構えていた。
更にあたりを見渡すとソルが一点を見つめて静止した。
「どうしたの?」
「家が…燃えてる…」
ソルが見つめる先には燃えているソルの家があった。
その周りには誰も寄り付かず火を消そうとする者は一人もいなかった。
「ちょっと見て来る、ここでまっててくれ」
「…」
メアは静かに頷いた。
ソルはゲートから堂々と村に入り、真っ先にに人だかりに向かった。
幸いな事にいつもの様な門番はいなかった。
「おじさん、何が起きてるの?」
「い、異端者だ!!異端者の子供が来たぞ!!」
ソルが一番外側にいるおじさんに状況を訪ねようとした。
それに振り返ったおじさんは一気に血相を変え、持っていた槍をこちらに向けて来た。
「本当だ!いたぞ!」
「囲めー!!」
慌てて後ずさりしたが、おじさんの叫び声に乗じて、ソルは武器を持った男達に囲まれていた。
「な、なんの冗談ですか…」
「うるさい!異端者め!」
「我らが神に仇なすものに鉄槌を!」
男達はソルの言葉に聞く耳を持たず一斉に飛びかかって来た。




