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百足(ムカデ)
虫の知らせと言う言葉が有ります。
――何の根拠もないのに、よくない出来事が起こりそうだと心に感ずること。
デジタル大辞泉(小学館)より。
でも、実際の所はどうなのかと思ったりしています。
――何も無ければ悪い予感も何も出ない訳ですし……。
自分の場合は小説のネタ探しに生き物に気を付けているので、たまに『何じゃこりゃ~』と言うような生き物の行動を見かけることが有ります。
――ムカデが全速疾走で山から反対側の道路まで一直線に横切っていたり、今まで全く見なかったアレ(台所に出る黒いあの虫)が数日のうちに大挙して現れたり、そうかと思えば滅多に見ない屋外を移動中のアレを毎日のように見かけたり……。
普段とは違う何かを感じた彼らも、生き延びたいが為に必死で行動しているに過ぎないのでしょうけど。
彼らの行動を無意識のうちに目撃して、何となく悪い事が起きそうだと思ってしまうのかもですね。
元々そう言う物を『虫の知らせ』と言って居たのかもしれません。
――声なき彼らの言葉に耳を傾けたい、ふとそんな事を思いました。




