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鮭 しゃけ


 数日前行きつけの量販店で冷凍鮭を買いました。

 銀鮭切り落とし1キロ800円と大変なお値打ち品です。

 苦しい家計の中では、こんな安い食材が手に入ると大変遣り繰りが楽になります。

 正に家計の救世主。

 神様、仏様、苦しいときの特売品様です。


 さっそく晩御飯の一品へと急ぎ鮭を買って家に帰ると、鮭を冷凍のまま塩コショウ(白胡椒)をして冷凍インゲンを座布団にしてホイルで包みグリルで焼くこと20分。

 鮭のホイル焼きの完成です。


 そしてホイル焼きがさめないうちにグリルから取り出し食卓に並べ、ホイルを一気に破ると湯気と共に立ち込める鮭と白胡椒の芳醇な香り。 鮭の香りを邪魔しない白胡椒を使うのが自分の流儀。

 そして、食べる直前に輪切りにした柚子を絞って鮭にかけると、胡椒と柚子と鮭の香りの素晴らしいハーモニーが鼻腔をくすぐります。

 

 たまらず、一口パクリと試食。

 ーー美味!

 

 胡椒と塩が鮭の身に上品な味わいのアクセントを加え、柚子の酸味と香りが生臭さを消し、芳醇な鮭の味わいが口の中一杯に広がります。

 そして、敷物のインゲンも鮭の風味を貰い、えにも言われない味わいに変わっていました。

 元が安い食材とは思えない高級感ある味わいに暫しうっとり、至福の時間。

 でも、プロの味には数段落ちます。

 仕方がありません、軽く塩を振って水切りするなどの細かい下ごしらえをしないのですから。


 このホイル焼きの場合、何といっても主役は鮭です。

 鮭の風味がふわりと膨らむところが美味しさのポイントです。

 カレー粉とかのスパイスをふんだんに使ってしまったら、鮭本来の味わいは台無しです。

 鮭の風味を楽しみたいのですから。

 風味そのものを楽しむ南蛮揚げなら構わないでしょうが、中身がぶっちゃけ何でも一緒です。

 鮭であろうが、舌ヒラメであろうが、鳥ささ身でも大して味わいは変わらないでしょう。


 大衆食堂で、大して味あわず昼ごはんを急いでかっ込むような場合はそれでも良いでしょう、そんな料理も必要です。

 とりあえず、腹が膨れれば満足できるわけですから。


 でも、腰を落ち着けて素材の風味を楽しんで食べるような料亭の場合は違います。

 香辛料をふんだんに使ってしまっては素材は台無しです。

 どんな良い材料でも差はなくなります。


 キャラを重視し、世界観を楽しむ小説の場合は料亭の料理に近いのかもしれないです。

 きっちり作りこみ厳選した登場人物、それにあわせるよう厳選して、登場人物を引き立てるような淡いイベント。

 でも、あくまでもメインはキャラクターとその世界観。

 下劣なイベントで笑いや興味を引いては素材の持ち味は台無しです。


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