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鎧の人  作者: たい。
第二章 街
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第八話 移動

「あれがレントです。」

「意外と大きいな。」

俺たちは前にミハルが滞在していたという近くの街[レント]へとやってきていた。

昔とは違い、壁に囲まれている。

これも戦闘能力が下がった一因なのだろう。

門の方へ向かう。

門前には人の列が出来ていた。

前の方を見るとなにかを門番に見せているようだ。

「何かを見せているようだが、大丈夫なのか?」

そう聞くとミハルは荷物に手を入れて

「私がこれを持っているので大丈夫だと思います。」

「それは何だ?」

「ギルドカードです。街に着いたら鎧さんも作りましょう。」

「分かった。」

少し時間はかかったものの着々と列は進み、ようやく俺たちの番がやってきた。

「身分証明できるものは?」

「これでお願いします。」

門番はカードを受け取り、魔道具に入れる。

魔道具が赤く光った。

「このカードの持ち主は半年ほど前に死亡したことになっています。

 よって中に入れるわけにはいきません。」

「待ってください。私は生きています。ギルドマスターに会わせてください!」

「それは出来ません。ギルドマスターは多忙ですので余程の実力がある人とかでないと取り次げません。」

「鎧さんはとても強い方ですよ!」

「口頭では無意味です。後ろがつかえているのでよけていただけますか。」

ここで出す予定ではなかったのだが……仕方がないか。

「『収納(アイテムボックス)』」

出てきたものを見て周囲がざわめく。

こうなるから出したくなかったのだ。

下手に名が広まれば危害を加える奴が出てくるかもしれない。

俺はいいがミハルに危険が及ぶ可能性がある。

「こ、これはタンタロスの亡骸!」

「おい、ミハル。こいつはタンタロスなのか?」

「いえ、教えた名前で合っていますよ。あれが正式名称です。」

「もっと簡単な呼び方があるなら教えてくれよ……」

「次からは気をつけます。」

「すいませんでした。すぐにお取り次ぎします。」

そう言い残し、門番の一人が中へ走っていった。

待ち時間に周囲の人が話しかけてくる。

「あんた、この素材売ってくれないか?」

「今のは収納(アイテムボックス)!」

「うちの専属ハンターにならないか?」

「素材を売ることに関しては構わない。」

もともとミハルの生活を助けるために保管して置いたものだし、ここで高く売ってしまうのが得策だろう。

「だが、売るとしてもギルドマスターとの話が終わった後だ。それまでに金の用意でもしておいてくれ。」

この言葉に商人たちが沸いた。

そして俺たちの前には圧倒的な風格を放つ男がやってきた。



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