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最近Vにハマった俺。なんとなく大手VTuber事務所に応募したらなんか受かっちゃって、いつの間にか人生にイロが付いた。  作者: ユリ乙女
第一章 ノヴァと本当に愉快な仲間たち

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30/30

それは、崩壊への兆しとなり得るもので───

 俺。櫻葉優がVTuberとなり、ノヴァとして活動して早四ヶ月。

 放送事故から始まった初配信からすぐに人気が爆発。自慢じゃないが、いつの間にかヌルっと100万人も突破した今も、そのブームは続いていた。


───というのも恐らく……


「鬼畜マイサバ企画部~!」


 視聴者を飽きさせない為にただ実況や料理をするのではなく、何かしらスパイスを入れた鬼畜企画もよくやるからではないかと思ってる。

 この手の配信や動画がまぁ、伸びること伸びること…。


『キター!ノヴァくんの鬼畜企画ー!』

『今日はマイサバかー』

『結構幅広く鬼畜が出来るよな』

『縛りプレイやんの?』

『今日はごはんがよく進みそうだ』


 このように世の視聴者たちは、俺が苦しんでる姿を見るのがよほど好きなのだろう。

 俺がこれからやろうとしているのは、マイライフ&サバイバル、略してマイサバという箱庭ゲームだ。


 アイテムや敵のほとんどが四角くなっている不思議な世界で、アイテムを集めて物作りしたり、敵を倒したりしてサバイバルをしていく大人気ゲームである。

 マイサバは自由度が無限と言っても過言ではないくらい高く、本当に色々出来てしまうので、ゲーム実況者御用達のコンテンツとなっているのだ。


「今日やっていく企画なんですけども、“時が止まる世界でエンシェントドラゴン討伐”ー!」


 エンシェントドラゴンというのは、マイサバのラスボスのことである。

 と言ってもそこまで強くないけど。せいぜい光線を放って来るくらいしか厄介な攻撃はない。


『時が止まる…?』

『ザ・ワ○○ド的な?』

『ウリィーーーーー!!!』

『最高にハイな世界ってこと…?』


「あー……まぁたぶん今回はマジでそんな感じになると思う…。これ俺が一から作ったやつなんだけどさ、難しくし過ぎてないかちょっと不安なんだよね…」


『『『え?』』』

『作った???』

『どういうこと…?』


 視聴者がアニメネタを持ち出してふざけ出すが、実は言ってることは間違ってないと言うと困惑し始める。


「ほら。時止め能力って色んなゲームやアニメで観るでしょ?代償だとか発動時間とかは作品によってもちろん違って来る訳ですが、ほとんど共通してることがありますよね?そう……時を止めてる間に与えたダメージや快感が、一気に襲い掛かるってやつです」


『言ってることわかるけど、今聞きたいのはそこじゃないのよ』

『さっきさらっと、作ったって言ってなかった?コンビニ行ってきたみたいな感覚で』

『ノヴァちゃんコマンド出来んの!?』

『視聴者たぶんコマンド出来ることに驚いてんだわw』

『さらっと時間停止物のエッ!な話も出てきて草』

『快感っておいw』


 コメント欄では今日も色々なコメが流れて行ってるなぁ。

 ……あー、コマンドのことに驚いてたのか。てっきり今回の鬼畜企画の内容を察して驚いてたのかと。


 このマイサバはコマンドを弄って、独自のルールを作って世界を作り変えたりすることも出来る。

 物を拾うと爆発する世界だとか、デスする度に強くなれる世界だとか、本当に色々作れてしまう。


 その為のコマンドを作るには専門的な知識や技術が必要だったりするのだが、マイサバは3、40分くらいのコマンドの説明動画を見ればそれが出来るようになるくらい比較的簡単な物となっている。時間と労力は掛かるけどね。

 マジで自由度高いよな…。


「コマンドはねぇ。なんかやり方を紹介してる動画があってさー。出来そうな気がしたから、やってみたら出来ちゃった☆」


『嘘だろおいw』

『そんな簡単に出来るものじゃないはずなんだけどな…』

『天才じゃったか…!』

『ノヴァちゃんに出来ないことってあんのかよ…』


「じゃあちょっと時が止まる世界をスタートさせてみますね~。えっと……コマンド打って、実行!」


 専用コマンドを打って、時が止まる世界を構築。これでランダムなタイミングで時が止まる鬼畜世界に変わったと思うんだが…?


「はい、スタートしましたが……とりあえず今はまだ普通ですね。一先ず普通にサバイバルしていきたいと思います。上手く行ってれば、急に景色が灰色になって時が止まるはずなんですが……まぁランダムなんで、結構掛かるかもしれないなぁ。一応30分以内には止まる設定にしてるけど」


 一旦近くの木を壊して、作れる物の幅が広がるDIYテーブルを作り、斧やツルハシなどの簡単なツールを作っていく。

 足元には土があり、その土を直下で掘っていく。するとすぐに石肌が露出した。


 マイサバをプレイする場合、この石を直下で取りに行くのがセオリーだったりする。


「これでツールをアップグレードして~……ん?あ……」


 テーブルで石のツールを作ろうとしたところで、世界が灰色になる。

 同時に俺が操作するキャラも動かなくなり、何を押しての反応しなくなった。


「はい来ました!時が止まりましたー!」


『すげぇ!w』

『マジでコマンド成功しとるw』

『やはり天才じゃったか…!』

『あれ?でもちょっとバグってね。動物動いとるで』


 一部視聴者がすぐに気付く。画面奥の方に見えてる野生の牛の存在に。

 その牛にカーソルを合わせて説明していく。


「んで、はいここね。ここの牛、動いてますよね?そう……この世界はですね。モブは動けます!プレイヤーだけ動けなくなる世界でして、こうやって時が止まってる間に、敵対モブに襲われてしまった場合……その時にくらったダメージは蓄積していきます。そこから時が動き出したら……もうおわかりですね?蓄積したダメージを一気にくらって、即死することなんてざらにあるでしょう」


『やっばwww』

『モブ全員がウリー!ってこと?マジで鬼畜やん』

『しかもランダムやろ?なんでそんなもん自分で作って自分でプレイしてるんw』

『ノヴァちゃんドMか?』

『可愛い男の娘……時止め……薄い本が厚くならない訳もなく…』


 え…。俺、同人誌で○されちゃうの…?しかも時止め系?

 レベル高くねぇかその本…。


──────────


『あはーw空中で時止め発生しちゃったwwwまぁまだいいな。近くに弓兵の敵モブいないし』


「……………なにこの声?うっざ。完全に作ってんだろ」


 ノヴァの配信を観てる視聴者の中に、そんな言葉を発する者がいた。

 配信を観る者の中には一定数いる異物であり、癌とも言うべき存在───アンチ。


「……(カチャカチャカチャカチャカチャ───)」


『男なのに萌え声作って視聴者を騙して、それで稼げるなんて楽な仕事ですね?www』


 そしてついに放たれる心ない言葉。並みの新人であれば、これだけで傷付いてしまっても不思議ではない。

 今回のノヴァの配信は大人気の鬼畜企画である為、コメントの波に勝手に流れて行くので、あまり目につくことはないのだが……不幸にも、今回は彼の目に止まってしまった。


───だがしかし。


『“男なのに萌え声作って視聴者を騙して、それで稼げるなんて楽な仕事ですね?www”、か。……うん楽だよ。自分の好きなことを配信したり、動画撮って編集するだけだから全く苦にならない。本当に割の良い仕事ですよこれは~。とあるプロデューサーがめちゃクソだけね!HAHAHAHAHAw』


 ノヴァは超がつく程のメンタル強者である。

 この程度のアンチコメで動じる程、柔ではなかった。


『アンチおつw』

『プギャーw』

『さすがノヴァ!自分の苦労を語らず、敢えてその言葉を受け入れる……そこに痺れる、憧れるー!』

『つっよw』

『言われてるぞ黒田ー』

『↑せめて名前伏せてやれwww』


「チッ!ムカつく野郎だな…!」


 視聴者にまで殴られ始めたアンチはトゥイッターを開き、ノヴァに何か弱みが無いか探し始める。

 ただノヴァに関して比較的アンチが少なく……というより変態視聴者が多く存在するので、アンチらしいコメを見つける方が難しかったりする。

 最近トゥイッターに自動翻訳機能が付いたこともあって、外国人ファンも増えてきているのもまた拍車をかけていた。


「んだよクソが!こんな気持ち悪い野郎が好きな変態ばっかじゃねぇか。……ん?」


 そしてたまたま見つける。ノヴァの弱みとなり得る情報を。


(大したことないアカウントだし、投稿されたばかりでまともにいいねも付いてないが……これが嘘だろうが本当だろうが、拡散する価値はあるな)


 そう考えたアンチはそれを引用して、ノヴァに関するハッシュタグをいくつか付けてから拡散を開始する。

 その引用された呟きの内容とは───


『このスハ・ノヴァとかいうVTuberの中身、たぶんうちの知ってるやつだわ。声とか言動がもう完全一致。

女子より可愛いからって調子に乗ってて、女子のことよく見下してた最低な男だったよ。

うちの友達なんか、急に殴られたこともあるし。女子の顔にだよ!酷くない?』


 このアンチは界隈ではそこそこ有名だ。

 その為。ノヴァの人気も相俟って、この呟きは瞬く間に拡散していった。


『ぎぃやあああぁぁぁぁぁぁ!よりにもよって豚人間に囲まれてる時に止まったー!遺書確定~…(涙)』


「くっくっく…。明日から楽しみだな?スハ・ノヴァ…」

だいたいこんな感じなのかな?ああいう界隈の人たちは。

何が楽しいのかわかりませんが。

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― 新着の感想 ―
あ、コレ開示請求コースだ 俺は人生を賭けた傍迷惑なエクストリーム自○だと思ってる
このアンチデマ情報拡散しやがったなその暴行受けたのはノヴァ君の方なのに最悪だ
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