Vになってから変わった日常
キャラクターおさらい。
酒呑樹
ジュイロ第3期生。
レディーススーツと瓢箪がトレードマークの酒豪。
花刃蕾寧々とよく飲んでいる。欲求に忠実。
汚部屋・酒カス・ギャンブルなどなど……ファンからはダメ鬼のロイヤルストレートフラッシュという二つ名を付けられている。
稼ぎはしっかりあるので、専業主夫志望の結婚相手を探そうか真剣に悩んでいる。なおファンからそれは絶望視されている模様。
『あ~ん♡そこそこぉ、いいよ~。もっとそこ突いて~♡』
「黙って射ってろそこの合法ロリ!?よく3チームに囲まれてる状況でふざけてられますね!」
『あはははははは!ロリィー今日ずっとテンションおかしいなwどうしたマジでwww』
どうも男の娘系合法ショタのスハ・ノヴァです!
ただいま酒カスパチカスその他諸々、色々とダメな鬼系VTuberの酒呑さんと、配信開始してからずっと様子がおかしい大食いロリ系VTuberのロリィーさんと一緒にFPSコラボを行っている。
『ロリィー絶好調で草。色々な意味で』
『マジでこんなにはしゃいでるロリィーは珍しいw』
『いつも淡々としてることが多いのにw』
『どっかの秘密結社の総督みたいなふっきれかたやなwww』
今やってるのはエーラックスというバトルロワイヤル式のゲームだ。
広々としたマップで、3人で1チームとなって最後の部隊となれば勝利というものだ。
場所取りやルート取り、キャラの組み合わせなど。常に何かしら迫られている選択肢によって、生か死を選ばされる難しいジャンルという印象。
『だってもうN方向の敵二人ダウンさせたから、暇なんだもん。あれじゃあしばらく顔出さないよ』
『「つっよ」』
俺たち三人は荒野マップの高台に陣取っていて、そこから半径7、80メートルほどの距離から3つの敵チームに囲まれて射たれていた。
アイツら同士でやりあってくれよなと愚痴りたくなる…。一つはロリィーさんが半壊させたみたいだけど。
「じゃあこっち手伝ってください。アイツらずっとちょっかい掛けて来てウザいんですよ。たぶん弾薬無限のアタッチメント付けてます」
『おっけー』
なおロリィーさんはお金を稼げるくらいFPSが超上手い。
『よーし。あたしも頑張って射つかでぇ゛ッ!?』
一方。酒呑さんは『エーラックス初心者杯』なるものに参加するらしく、その練習の一環でコラボしている。
なので動きは硬く、下手なのは当然なんだが……如何せん上手い下手に関わらず、その……
『うえーん!またクレープにヘッショでやられた~(泣)』
不憫。圧倒的不憫…。
もう6、7試合目くらいなのだが、半分くらいの試合をヘッドショット一発でダウンさせられるスナイパーライフル、クレープで射ち抜かれてる。
一応、強い装備を着てれば体力がミリ残って、ダウンは免れる。終盤までそうそう着れる物じゃないけど…。
『起こすねー』
『ありがとうロリィー…。マジで自動蘇生できるの強いよな、そのキャラ』
ロリィーさんが使ってるのキャラはドクター。蘇生機を使ってダウンした味方を自動で起こせるキャラだ。
ダウンした味方を起こす時は、キャラ自身が起こすので隙が生まれやすいのだが、ドクターはこの蘇生機のおかげで戦いながら味方を起こすことが出来る。
ちなみに酒呑さんはゴーストという、透明化の能力を持ったキャラを使ってる。
「あ。クレープの部隊が突っ込んで来てます」
『うーん。じゃあ下のジップラインの近くに来たらガス投げちゃおうか』
「了解っす。ほーらプレゼントだよ~!」
ロリィーさんの指示で、突っ込んで来るチームがジップラインの近くまで来るのを待ち、俺が操作してるマッドサイエンティストの必殺技を使って、毒ガスを撒き散らした。
「おっほ♡めっちゃ食らってますわ~♡」
『おいメス声出てんぞノヴァくんw』
『……さっきもあんなにいっぱい出したのに、まだこんなに出るんだね』
『「ロリィー(さん)?」』
こんな感じで、この枠は初心者の酒呑さんを支えつつ、ロリィーさんの暴走にツッコミを入れていくという配信だった。
ロリィーさんがあんな暴走をすると本人がスケベなのか、それともそういうネタなのかわかんねぇ…。
─────────────
別の日。
この日はスタジオでの撮影。久々の花刃蕾さんとショウタさんとの仕事である。
ショウタさんとは何故か交流する機会がめっちゃあるが、一緒の仕事をするの久々だ。
というかイル任以来か?
「失礼しまーす」
控え室の扉を開けると、中には誰もいなかった。どうやら俺が最初のようだ。
「一番乗りか~」と呟きながら扉を閉めようとしたその時───扉の裏から現れた、谷間に目を奪われた。
「うおっ。デッカ…」
「あは♪やっぱノヴァくんってばオープンだねぇ?」
ガチャンと扉が閉まると同時に、上から声がした。
見上げると、舌舐りしてる花刃蕾さんがいた。
うわー。今日もなんてエッチな格好…。
「おはようございます。相変わらずの谷間太腿全開のヘソだしスタイルですね…。目のやり場に困る(ジー)」
「おっはよ~♪言いながら目を逸らすふりしつつ、谷間凝視してんのウケんだけどw」
「バレたか。しかし花刃蕾さんがそんな格好してるのが悪いってことで、ここは一つ」
「どういう一つ?w」
花刃蕾さんの白く美しい肌に目が吸い込まれてしまうのは、やはり男の性というもの。
しかも見られてる本人はあまり気にしないという開けっ広げな性格。
幼馴染みのテンペストさん曰く、承認欲求の高さからこういう格好を好んでいるとか。それと本人の名誉の為に言っておくと、別にビッチではないらしい。
「前に会ったのって、妹ちゃんたちと一緒に買い物してる時だったっけ?」
「そうですね。その時以来かと」
適当な席に着くと、隣に花刃蕾さんも座ってくる。
なんか距離が近い気がするが……まぁギャルってのは良くも悪くも、総じてそういうものだろう。偏見かもしれないけど。
「ねぇねぇノヴァくん」
「なんですか?」
「ちょっとお願いがあるんだけどさ~♪」
その文言に対し、思わずぴくっと頬が上がる。
小さく一呼吸だけして彼女の顔を見ると、やや不安が混じってそうな、無垢っぽい笑顔を俺に向けていた。
かわよ。
「なんですか?俺に出来るのは、飯を作ることだけですが」
「う~ん。それも魅力的だけど、そうじゃなくて~……いや待てよ?ご馳走してもらうのを理由にそのまま───って待て待て私!?それはさすがにがっつき過ぎっしょ…」
「なに一人漫才やってるんですか?」
なんか一瞬、顔が怖かったんですけ~ど?
大丈夫かな俺?痛いことされない?
「コホン。気を取り直して……その、さ…。よかったら今度、一緒に映画でも観に行かない?うちちょっと気になるやつあってさ~。一人で映画を観に行くのって、ちょい恥ずいっつうか…」
「あー」
一人で映画を観に行くのに抵抗があるタイプか。それくらいなら別にいくらでも付き合える。
「良いですよ。いつ行きます?」
「マジ?やったー!えっとねぇ。再来週くらいには忙しい作業とか落ち着く予定なんだよねぇ。それが終わったら改めてこっちから連絡するよ♪」
「了解です。そういえば何の映画観るんですか?」
「えっとね。ホラー映画なんだけど……」
「え゛ッ…」
ジャンルを聞いた瞬間、思わず顔を歪めてしまう。
「なに?もしかしてホラー苦手?」
「と、得意な人の方が稀かと…。俺はその~……特に苦手でして…。夜眠れなくなるくらいには」
「あー、そっか~…」
(ホラー映画で怖がってる振りして抱きついちゃえ作戦しようと思ったけど、ノヴァくんがそんなにホラーが苦手ならアクション映画とかの方が良いか…)
ホラー苦手発言に残念そうにする花刃蕾さん。
せっかく遊びに誘ってくれた訳だし、出来れば付き合いたいが、ホラーはマジで苦手なんだよな…。
「ジャンプスケアとか、特に嫌な思い出しかなくて…」
「そっかぁ…。じゃあ!残念だけど、別の映画にしよっか♪ノヴァくんの好きな映画にしようよ。うち、ただ純粋に君と楽しく遊びたかっただけだからさ」
「は、はい…。ありがとうございます」
我ながら情けない。女の子からの誘いで、譲歩してもらうなんて…。
なんか男としての自信無くすな。
「そんな気にしなくて良いってノヴァくん。ほぉら、うちの胸で抱き締めてあげようか?元気出るぜ」
元気出るぜ、という言葉だけイケボにしながら大きく腕を広げる花刃蕾さん。
アニメでしか見ないような全開の谷間に目を奪われるが、すぐさま断りの言葉を入れた。
「遠慮します。さすがにそこまでされると惨めな気持ちになってしまいますわ…」
「おや~。出来ることなら顔を埋めたいって顔してるね~?可愛いんだからもう~♪」
そうやってからかって頭を撫でようとしてきた花刃蕾さんから、反射的に立ち上がって距離を取る。
撫でられるのも恥ずかしいわい…。
「ありゃりゃ。逃げられちった」
「すみません。これでも恥ずかしがり屋なもんで…」
「あはっ♪何それかわよ~」
そんなやり取りをしていると、扉がノックされる。
「開けろ!デト○イト市警だ!?ノヴァ様無事か!寧々に酷いことされてねぇか!?」
「ちょっとショウタ先輩!まるでうちがノヴァくんを虐めてるみたいに言わないでくれるかな!?」
外から聞こえてきたショウタさんに怒鳴りながら扉を開けに向かう花刃蕾さん。
……そうだ。花刃蕾さんに仕返しにちょっと心臓に悪いことしようかな(暗黒微笑)。
「ははははは!冗談だ冗談。でもお前ってば生粋のショタコンだろ?ワンチャンあるかなって。寧々なら万が一ってことも、なく……も……」
花刃蕾さんに扉を開けられ、部屋に入って来たショウタさんが俺を視界に入れると固まった。
「それマジで心外なんですけど!いくらうちでも見境無しなんてことないっつうの!?……うん?どうしたのショウタ先輩。そんな鳩が豆鉄砲をくらったみたいな顔、し……て…?」
ショウタさんに釣られて花刃蕾さんも俺を見る。
二人の目に飛び込んで来たのは、床にペタンと座り込んで目に涙(目薬)を浮かべ、シャツを事案っぽい感じに着崩した俺の姿だった。
「うぅ、見ないでショウタさん………恥ずかしいぃ…」
そう言うと、ショウタさんが花刃蕾さんに対して「コイツやりやがった…!?」という顔を向けた。
「寧々……自主しようぜ…。俺も一緒に行ってやるからよ」
「違う待って!?誤解誤解!うちそんなことしてない!ノヴァくんの悪ふざけだってこれ!?」
「しらばっくれんな!?完全に襲われたみてぇな状況じゃねぇか!見ろよあの涙を浮かべたノヴァ様の顔と、脱がされかけてたような服の状態を!?どっからどう見てもお前が我慢出来ずに襲ったとしか思えねぇよッ!」
「ほ、本当に違うんだってーーー!!!」
「あははははははははっwww」
たまらず大笑いしてしまい、流石にマッチポンプだったことがバレました(丸)
────────────
───その日のショウタの雑談配信にて。
「てことが今日、ノヴァ様と寧々との撮影前にあってよ。なんとなくノヴァ様の悪ふざけだろうなと察してはいたんだけど、まぁでも寧々だしな~…ってちょっと本気で疑って掛かっちまったよw」
『わっるw』
『仕返しが十倍返しw』
『わっるい男の娘やでぇ…』
『姉さんにそれは効く』
『よくそんな数秒で目薬さしたりなんだり出来たな…』
ショウタは今日起こったことを配信でリスナーたちに伝えていた。
寧々がからかってきた仕返しに、なんとも心臓に悪いことをしたノヴァの話でコメント欄も盛り上がっていた。
「“ちょっとからかっただけなのに、こんな仕打ちは酷くなぁい!?”って寧々は怒ってたわ。ノヴァ様ってば加減を知らねぇもんな…。アクセル踏んだらもう、ほぼブレーキ何それ美味しいの状態でノンストップで行くもんよw」
『確かにw』
『それがまたおもろいw』
『さすが、大型新人は違うねぇー』
『ちょっとは止まってもろてwww』
『マジでノヴァ様愉悦で草』
『ノヴァくんの人生は常にフルスピードだった』
そこまで話して、ショウタは「そういえばよー」ともう一つ話をした。
「今日一緒に撮影しててさ。俺ノヴァ様の癖を見つけちゃったかもしれねぇんだよ」
『癖?』
『どんな癖?』
『ノヴァちゃんにも癖ってあるんだな』
『気になる』
「スタッフが企画の説明とかする時に、身振り手振りジェスチャーしたりする時あるんだけどよ。ノヴァ様ってば、そのスタッフの手の動きとかよく目で追うんだよ。チラッと反応するならわかるだろ?俺もそれくらいの反応はするし。でもノヴァ様はマジでスタッフの目を見ずに、ずっと動いてる手を追ってんだよ」
『へぇー。そんな謎の癖あるんだ』
『猫かよw』
『動いてる物に目が行くの猫のそれで草』
『うちの飼い猫かな?』
『どういう癖?w』
「あー猫ね!確かに猫みてぇだったわwでさ?もしかして癖なんじゃねぇかと思った次の休憩の時に、雑談する時に手を大きく動かしてみたりしたんだよ。そしたらノヴァ様ってば、マ~ジで俺の手を目でずっと追い掛けて来たから完全に癖だわアレはw可愛かったわマジで。ノヴァ様が女だったらちょっと堕ちてたかもしれんw」
『草』
『猫みたいな仕草で惚れるとかチョロすぎん?』
『そう言ってる時点で既に堕ちてる定期』
『宇宙人で料理上手でユーモアがある猫系男の娘とか、属性盛りすぎでは?』
『その癖はノヴァちゃんに指摘したん?』
「指摘?してねぇよ。わざわざする程のもんでもないだろ。誰に迷惑かけるもんでもねぇし」
余談だが。
この日のショウタの雑談配信は、過去最高に盛り上がっていたそうな。
異世界系で面白そうなの思いついちゃった…。
仲間キャラも出来上がっちゃったし、物語の最終目標も出来上がっちゃったし、新しく投稿しようかめっちゃ悩んでます。




