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最近Vにハマった俺。なんとなく大手VTuber事務所に応募したらなんか受かっちゃって、いつの間にか人生にイロが付いた。  作者: ユリ乙女
序章 VTuberデビュー

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無職俺。なんとなく応募しただけなのに…。

 小学生の頃。顔がキモいという理由で、同級生たちから嫌われ、虐められていた。殴られたり蹴られたり、物を隠されたり。

 基本無視してたけど、たまにプツンと来て壁に叩き付けたりして先生に怒られてた。なぜか俺だけ。

 まぁよくある理不尽だろう。


 中学生の頃。卓球部に入った。だけど自分たちが偉いと勘違いしてる先輩たちに、散々こき使われまくって嫌な思いばかりした。特に女子の先輩が酷かった。なお小学校からの虐めは続いていた。暇だったんだろうか?

 翌年から入部してきた後輩たちには優しくしてあげた。とてもいい子たちで、卒業式に渡された寄せ書きに泣いた。優しくしていて良かった。


 高校は遠くの所へ進学した。

 だけど中学までの虐めのことが地味にトラウマで、同級生の子たちとまともに話せなかった。結果ぼっちになった。

 寂しかったが、一人は嫌いではないのでスマホと向き合う生活に甘んじてた。だけどその内、女子から虐められるようになった。顔がキショいんだそうだ。理不尽だなぁ。

 ちなみに某有名バレー漫画の影響でバレーボール部に入った。強いアタックを綺麗に上げれた時の快感は、何よりも素晴らしく感じてレシーブ練習に没頭した。なおここでも偉いと勘違いしてる先輩にこき使われた。俺より下手な癖に偉そうにすんなよなと真っ正面から衝突したら、なぜか俺だけ浮いた。特に気にせず練習した。

 ここでも後輩たちには優しくした。中学の頃よりも思春期真っ只中だからか、生意気な子たちもいたが気にせず優しく接した。生意気なところも可愛いものなのだ。

 優しく接し続けたからか、卒業する時は生意気だった子たちが一番泣いていた。やはり後輩は良いものだ。


 卒業後。就職した会社がブラックだった。

 上司から理不尽に殴られる。昼飯を買いに行かされる(俺の実費で)。俺の提案した案を盗まれ、抗議しても信じてもらえない。

 腹いせに外でタバコ休憩中の上司に上から雑巾を搾りまくった水をバケツでぶっかけてやった。それから辞表を提出して退職して逃げた。




 とまぁこれまでの人生を振り返ってみたが、なんとも平凡でよくある人生だったと思う。腹いせにバケツの水ぶっかける奴はそうそういないだろうけど。

 以上のことを新たに応募した会社の面接官に語ると、笑いを堪えきれず吹き出してしまわれた。お召し物が唾で汚れてないといいのだが。


「え~。ふふっ…。バケツで……はいっ。なるほどわかりました。では、最近“VTuber”にハマったとのことですが、どなたか推しや好きなライバーなどはいますか?他の事務所の子とかでも大丈夫ですよ」


 ちなみに俺が新たに受けてる会社というのは、大手VTuber事務所の『ジューにんトイロ』というところだ。略して『ジュイロ』。

 なぜ脱サラしていきなりVTuber事務所に応募したかというと……なんとなく、である。無職になって新しい就職先を探している最中に、ふとテレビを観てみるとVTuberが特集されていたのだ。

 存在は知っていたが、よく知らなかったので調べてみたら、これがなかなかどうしてバリ面白い。


「吸血鬼?魔女?悪魔?獣人?ドラゴン?訓練された喋る犬!?胃カメラ!?!?!?なんだこの世界は!?はーオモロ。……………ちょっと、応募してみよっかな?」


 なんとなく。マジでなんとくなくである。興味が湧いて色々な動画を観まくってたら、応募したくなったので応募した。応募先もなんとなくで決めた。

 しかもハマったのがマジで最近も最近。一ヶ月も経っていない。なので好きなライバーは?と聞かれても、俺はこう答えるしかない。


「特にいないです。本当にハマったのがつい最近なので、所謂推しという人とか悪魔とかエルフとかはいないですね。……ですが、皆さん本当に楽しそうにしていて、輝いて見えるんですよね…。なので、特定の好きなライバーさんはいませんが、全員尊敬しています」


「おー。正直ですね~。しかもわざわざ悪魔やエルフと……わかりました。あなたの想いは十分に伝わってきました。では最後に、もし『ジュイロ』に入ったらやりたいこととかありますか?」


 やりたいこと、か…。

 うーん。特に考えてなかったんだよなぁ。マジでなんとなくで応募しただけだし。

 強いて言うなら……


「色々なライバーさんと絡んだり……スポーツをやってたので何か運動を生かした企画とか参加したいですね。御社のバラエティ番組とかにも色々出たいです。あ。でも痛いのは嫌です」


「ふふっ。最後も実に正直ですね。それでは、これにて面接は終了となります。お疲れ様でした」


「はい。ありがとうございました」




 と。このように無事に面接を終えることが出来た。

 正直俺はなんの取り柄もない普通の人間だ。あんなリンゴを軽く握り潰せたり、廊下が長いと勘違いして連続で異変クリアしたりするような個性などは持ち合わせていない。

 十中八九落ちるだろうと思っていた。


 ……思っていたのだが…。

 後日。スマホのメールで“合格通知”が届いた。

 なんで?

勝因:バケツ


はい。最近VTuberにハマり出した者です。

胃カメラは強すぎるだろ…。マジで。

あとなんだよガチの犬って。面白すぎるだろVTuber。

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― 新着の感想 ―
特徴的すぎるなぁ胃カメラ(笑)誰の事か分かってしまう(笑)
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