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95 恩師のポークロイン・ジャガイモの味噌炒め添え

ふぅ、サンタマリアの炭火もいい感じに熱くなってきた。


材料は言われた通りに揃えて、ジョニーさんが自作したチーズにタープとマリア向けに豆腐か?


「ボーイはそこのカラシ菜のリーフを水洗いしてから刻んでおけ……それとそこのボーイはパンプキンとジンジャーをみじん切りだ」


「「お、おう!」」


結局俺と勇一、マレスまで手伝わされてるし。


可愛い妹と桃花は昨夜トゥール様に言われた例の件で家の中で何かやってるから仕方ないんだが、もう少し人手が欲しいな。


まあジョニーさんやこいつと一緒に料理するなんて滅多にないし……たまにはいいか。


「まさか30過ぎてからボーイと呼ばれる時が来るとは思わなかったぞ……」


「気持ちは解らんでもないが、ジョニーさんが本名で呼ぶのは腕前を認めた奴か、何かヤバい事が起こる時だからな」


因みに可愛い妹の場合は自分より美味いスイーツが作れたからイチゴを英語にしてストロベリーと呼んでいるらしい。


マレスの場合は……少なくとも魚介に関しては俺以上の腕だし、もしかしたら結婚式の手伝いに行った時にナマズで唸らせたのかもしれん。


「マレスはこのモッツァレラをスライスしてくれ、それとトーフを潰してみじん切りのベジを和えるんだ……だがカラシ菜は使わずに残しておけよ」


「解りました!」


そして本人はブタのヒレ肉を掃除……余分な脂肪を取り除いて横半分にカットか。


いや、切り取ってはいないから開いただけだな。


そしてサンタマリアで焼くという事は……


「成程、作るのはポークロインか」


「ああ、サンタマリアでなきゃ美味く焼けないポークロインだ……こいつはBLTサンドに並ぶダニエルの好物だ」


そうだったな……ダニエルさんは生ハムとほうれん草をたっぷり包んだポークロインが好きだった。


当時はほうれん草が苦手だった俺もこれで好きになったぞ。


「この世界じゃ生ハムが作れないし必要なスパイスも足りないが、サンタマリアがあるなら作らなきゃならんだろう」


「確かに」


正直カボチャと豆腐のポークロインも気になるが、あれはタープとマリア用だろうから後日改めて作ろう。


……今度ほうれん草の種も頼んでみるかな?


ジョニーさんですら作れなかったらしいから生ハムは諦めるしかないが、ほうれん草なら可能性はあるだろ。


仕込みに戻って開いた豚肉に大量のからし菜とチーズ、それにタープとマリア用に潰した豆腐で和えた野菜か。


そこに塩コショウや香辛料で味付けしてから元の形に近付ける様に巻いて、崩れない様に薄切りのベーコンで巻いて固定、と。


「ボーイ、アルミホイルで蓋を作ってくれ」


「解った」


「そこのボーイはこの脂身の切れ端とベーコンの切れ端から脂を出して、このトマトをありったけ入れて煮詰めろ……ついでにサイドも頼むぜ」


「お、おう……」


「その間に俺はレクタや見慣れない美人達と一緒に飲んでくる、焼き加減はボーイに任せるが焦がすなよ」


まだ飲んでいやがったのか……よく見たらサーマまで加わっていやがるし。


レクタさんやジョニーさんなら潰れたりはしないだろうからいいけどな。


「何か……俺の作業量が多くないか?」


「気にするな、ジョニーさんは新顔を見たらこき使う癖があるだけだ」


そこは俺と可愛い妹も通った道だ。


当時7歳の俺に鶏の解体をやらせようとしてたのも今ではいい思い出だよ。


「因みにサイドは何を作るんだ?」


「そうだな……甘く味付けした味噌で炒めたジャガイモはどうだ?」


本当にこいつは味噌が好きだな。


まあ人生の大半を名古屋で過ごしてた訳だし、好きにもなるだろうけど。


「そうだ、ついでにマレスはスープも頼むぜ」


「は、はい!」




お、だいぶいい感じに焼けてきたな……ハンドルを回して網を上げておこう。


同時にジョニーさんも戻って来て、可愛い妹と桃花も用件は終わったか。


「よし、仕上げるか」


「バーボンで割ったソースにそれを塗る刷毛は用意したぞ」


「ならそこのボーイ、その煮詰めたトマトをソイソースで味付けしておけ……加減は任せる」


「わ、解った……」


成程、あのトマトは仕上げのソースか……ダニエルさんは醤油だけを仕上げに使っていたけどこれも美味そうだな。


今のタープとマリアは酸味を加えた方がよく食べるし、トマトのソースなら問題ないだろ。


「よし、マレスはこっちのトーフのを切り分けてくれ、こいつは妊婦用だからあの2人に……仕上げにそこのボーイが煮詰めてるトマトを掛けてやれ」


「解りました!」


あれはヒレを丸1塊使っているが2人なら残さず食えるだろ。


そしてチーズ入りのもいい感じに焼けたな。


「ほぅ、そこのボーイもまあまあの腕をしているな……ボーイといい勝負じゃないか」


「マジか……こいつとはおおよそ10年近い差があるんだが」


「ま、ボーイは俺達がみっちりと鍛えてやっていたからな」


「本当に羨ましい奴だなお前は」


いや、鍛えて貰ったのは確かだが半分以上は俺で遊んでいやがったよな……


予めダニエルさんがバーベキューには遊び心が必要だって言ってなかったら絶対に信用してなかったぞ。


今では感謝してるけど。


「ヒレ肉とからし菜、チーズが意外と合うんだな……」


「こいつは本来ほうれん草で作る料理なんだけどな」


トマトのソースにも合ってるな……醤油だけでも美味かったけどこれも捨てがたい。


それに例の甘味料で甘くした味噌で炒めたジャガイモが意外と美味いな。


「ほうれん草か……なくはないけど高いんだよなぁ」


「あるのかよ!因みに幾らだ?」


「日本円にすると……大体1束で2500円だな」


たっか!?


そりゃ手が出せんわ……やっぱり種はお願いしておこう。


お、マレスの作ったスープも美味いな。


キャベツとベーコンで作る醤油味の簡単なスープだが見事な出来だ。


「おっとそうだ、ジョニーさんにラム酒が出来ないか聞いてみたかったんだ」


「ラム酒か……材料が揃うなら作れなくはないが、この世界のサトウキビが幾らすると思っているんだ?」


砂糖の値段から逆算して……やっぱそれなりにはするよなぁ。


かといって日本だと砂糖黍の種や苗なんてそこらじゃ売ってないし、仮に入手できたってあれ手間が掛かるだろうからオヤッサンに栽培を頼む訳にもいかん。


「いや、待てよ……あいつなら作れる可能性はあるな」


「あいつって誰だ?」


「ボーイ、そいつはクラムをやる時のお楽しみだ」


クラムを……って事はペスカタに住んでる奴か。


まあジョニーさんの知り合いなら信用できるだろうし、急ぎで欲しい物でもないからな……気長に待とう。


「ラム酒か……手に入ったら俺にも飲ませろよ」


「おう」


可愛い妹のお菓子作りに使うだろうと思って聞いただけだったんだが……そりゃあるなら飲みたいよな。


ラム酒はそれ自体が甘いからツマミも甘い物になりがちだが、たまにはいいだろ。

ポークソテーに焼き豆腐、意外と悪くない組み合わせ

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