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71 コーンシリアル・グリーンピース添え

ようやく可愛い妹とマレスが帰って来た。


その間にカボチャはオヤッサンに頼んで確保したしベーコンとキャベツもバッチリ、サツマイモも山ほど買ったから大丈夫、後はアンチョビと鰹節だけだ。


物々交換まで後8日だし、今日はのんびりしてからペスカタへ向かうとしよう。


アンチョビは大量に仕込む必要があるからマレスにも手伝って貰いたいしな。


因みに3日後に迫ったベーコンの受け渡しはタープとマリアが残ってやってくれると言っていた。


俺も安定期に入るまでは大人しくしていて貰いたかったしな……物々交換には行くと言ってたけど。


「マレスちゃんにもアンチョビ作りを手伝って貰いたかったのは解るけど、物々交換の分ならお兄ちゃんだけでも問題なかったんじゃ?」


「いや、苺心もロジーに会いたいんじゃないかと思ったんだが?」


「ちょっ!」


ハッハッハ、今更反対はしないしあいつが成人してからならちゃんと祝福するとも。


その前に立派なピットマスターになって貰うのだけは変わらんけどな。


しかし……ちょっと前の俺なら考えられん心境の変化だ。


やっぱ子供が出来た影響って奴なのかね?


でもそれならキャリを受け入れた時点で既になってたよなぁ……うん、解らん。





さて、まずはマリアのトウモロコシ嫌いを克服させる為の第一歩……


このトウモロコシと、トウモロコシの粉末を使ってシリアルを作ろう。


「お兄ちゃん、トウモロコシをバラしてミンサーにかけたよ」


「よし、そこにトウモロコシの粉末と塩にバターを入れたらよく捏ねて……と」


生地は寝かせる必要がないから纏まり次第、薄く伸ばして乾燥させる。


天日に晒しつつ程よく風があると早いんだが……今日は無風か。


「ベーコン、お願い!」


「ンナッ!」


……相変わらずキャリの言う事なら絶対服従する猫だなベーコン。


だがお陰で仕事が早く終わりそうだ。


乾燥したら適当な大きさに砕いて、コーン油でパリッと揚げてやる。


冷ましながら油を切って、粉砂糖を振り掛けてやれば完成だ。


因みに粉砂糖は可愛い妹が自作していた物を使わせて貰った。


「よし、オヤツにするか……キャリ、タープとマリアを呼んで来てくれ」


「はーい!」


「あ、ミルクは私が用意しておくね」


「助かる」




パリパリのシリアルにたっぷりとミルク、またはヨーグルトを掛ける……世界中で人気のある手軽な朝飯だがオヤツに食っても問題はない。


というか食事にしては甘味が強過ぎるからオヤツの方がいいと個人的に思う。


最初はサクサクとした食感が段々とふにゃふにゃしてくるんだがそれが美味いんだよな。


そして最後に飲むミルクが喉にまとわりつく様な甘さになるのはご愛敬って奴だ。


「これ、もしかしてモロコシ?」


「マリアが嫌いなのは匂いと皮って聞いたからな、挽いてから甘く味付けしてるし食べやすくなってる筈だ」


「……確かに、これならサクサクして美味しいし、あの匂いもない」


これを皮切りに色々と試して貰うとして、味自体が嫌いじゃないならやり様はある。


タープのトラウマはどうしようもないが。


って可愛い妹が何か薄い緑色のアイスクリームみたいな物を持って来たが……


「マリアさんが嫌いな食べ物を克服しようとしてるんだから、お兄ちゃんも頑張ってみない?」


「ぐっ……この色で俺が嫌いな物、まさかグリーンピースか!?」


「グリーンピースをレモンを効かせたシロップで煮詰めてから裏漉しして、生クリームと合わせて冷やしたマッシュだよ」


「これも甘くて美味いやん、舌にネットリと絡む感触がたまらんで」


成程……俺のグリーンピースの嫌いな所は無駄に主張された存在感とパサパサした食感と独特の青臭さだからな。


存在感は裏漉しすれば消えるし臭いはレモンで、パサつきは生クリームで解消させたか。


だがグリーンピースと聞くと手が伸びん。


ってか可愛い妹は嫌いな物を無理に食う必要はないって言ってなかったか?


「……タープさん、マリアさん、キャリちゃん」


「任しとき!」


「ウメオ、観念して」


ちょまっ、嫁達と娘が可愛い妹に懐柔されていやがった!


両脇を捕まれて膝にキャリが乗っては逃げられん!


ってかベーコン、何でお前は俺の頭に乗っているんだ?


「パパ、これ美味しいよ!」


「はい、大人しく食べようね」


アッー!?





……ああやればグリーンピースも意外と食える物だな。


口にした瞬間の青臭さは相変わらずだったがパサつきは脂肪で消せると解った。


だからって進んで食おうとは思わんが、次から必要となったら可愛い妹に作って貰おう。


自分で作るのだけは全力で拒否らせて欲しい。


「出来れば納豆も食べられる様になって欲しいんだけどなぁ」


「いや、グリーンピースについては努力するが納豆だけは許してくれ……あれは本当に無理だ」


だって納豆だぞ?


煮ても焼いても揚げても消せない臭みや粘り、独特な後味、飲み込んだ後に来る嫌悪感……好きになれる要素が全くない。


俺は子供の頃から嫌いな食い物の大半をバーベキューで克服したが、納豆をバーベキューでどう料理しろというんだ。


「まあ気持ちは解らんでもないで、匂いはともかくあのネバネバはウチも苦手や」


「私は結構好き、あの匂いも慣れると癖になる」


「キャリもネバネバ好きー!」


「うーん、納豆は妊婦に必要な栄養の殆どを兼ね揃えてるから何とか食卓に出したかったんだけどなぁ」


いや、そういう事情なら別に出してもいいと思うぞ?


ただ俺が嫌いで食えないだけだし、隣で食ってるからと言って野菜狂信者みたくケチを付けるつもりはないからな。


「それとお兄ちゃん、安定期に入るまでお肉はレアからミディアムウェルダンまでの焼き加減は禁止だよ……妊婦の毒になっちゃうから」


「マジか、ってそれじゃウェルダン以外に選択肢がないぞ」


これじゃ当分はステーキが食えんな……


それに他にも注意せねばならん事があるなら覚えておかんと。

美味しいですよ、納豆

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