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ノキと屋上とディズニーランド①

ノキの持論w まぁ千葉県ってこんな感じですよねw

挿絵(By みてみん)



「オレ思うんだけど、いずれミッキーが千葉の県長になると思うんだよね!」



と、ノキ。ワタシは最近、このどーでもいい言葉を時々ふと思い出す。



ミッキー、つまり、ミッキーマウスの事!



最初にひとつ指摘しとかなきゃならんだのが、ノキは "県で一番偉い人" って事で「県長」(県の長)って言ってるけど、ねぇノキ、県で一番偉い人は「知事」だからw


たぶん、市長、県長、って感じで、そんな言葉使っちゃってたんだと思うけど、一番偉いのは「知事」!



さすがに今は知ってると思うけど。たぶん。



現在の私。仕事で幕張に来た。幕張、東京新都心。当時はそう呼ばれてたんだ。


幕張の中心、『幕張メッセ』が本格稼働したのは、1989年、つまりこの物語の舞台である1988年の翌年。平成元年。



当時はものすごい鳴り物入りで華々しくデビューしたモンだ!



メッセの総工費330億、なんだこの金額?って金額。



世界一高い公衆トイレ(1億円だそうだ!普通は2000万円以下)、一本当たり1000万円もする豪華な街の照明灯、(普通は100万円以下)あらゆるものに無駄に資金が投資され、輝かしいバブルの象徴、これから始まる日本の華々しい未来を約束するような、ランドマーク的存在だった。



拝金思想。お金という豪華な魔法で全てを夢の場所に変えてくれる、象徴的存在。



思えばスタート地点は東京ディズニーランドだったように思う。タイミングとしてちょうど一致してただけかもしれないけど。



私が小学4年の頃に東京ディズニーランドがオープンした。



あの頃の混みっぷりはハンパじゃなかった!だって、朝一番で最寄り駅に向かったのに、特別バス乗ってランド前についたのが昼過ぎ、中に入れたの夕方の4時だもんw



今でもTDLはそれなりに混んでるけど、あの頃の混みっぷりに比べれば過疎化農村並だよ!



だって歩けるもん!当時は歩けなかったんだよ!



ランド全体が山の手線満員電車状態w



途中、身動き取れなくなって泣き出す子供はいるわ、座る場所ないから仕方なく歩きながらおにぎり食うおばあさんとか(※お弁当の持ち込みは禁止なんですがw)混沌カオス状態!



ただ、楽しかったけどね。




その後日本はミッキーの魔法がかかったみたいに、発展し、転落した。




それが今。今の状態。




魔法は解けた。色あせたフィルムの中で微笑むつまらない冗談のように。




京葉線に乗っている私の前に、若い女の子5人組がディズニーランドのおみやげ袋を各々手にし、楽しそうに声を上げていた。彼女らにとっては、ここが現在。昔を知らないし。気がつけばディスニーランドだけが健全な経営利益を叩き出している。


彼女らは、首からはポップコーンの大きなプラスチックバケツを下げ、頭にはミニーのカチューシャ。この姿って東京駅着くと途端に恥ずかしくなるんだよなーと思いつつ、車内アナウンスは幕張駅到着を告げた。



自動改札を出る。閑散とした街中。



人が居ない。街が暗い。夕方。日は落ちてる。だだっ広く拡がるコンクリートの空間に、肝心な人の気配が無い。誰も居なくなった宇宙基地にひとり不時着したみたいな気分だ。



「ホントにこのままじゃミッキーが知事になっちゃうね…」と、私はぼんやり小さく声に出してみた。今、横に居ないノキに対して。




私は携帯で連絡を入れた。




「今、幕張に着きました。これからそちらに向かいます。」




(続きます!)

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