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鉛筆のこんな利用法 その②

鉛筆のこんな利用法 その②

挿絵(By みてみん)





「こらノキ!鉛筆返せ!」




ようやくノキを見つけたのだよ!いろいろ大変だったのだよ!


ノキのクラスで聞いても「んー、知らん!あいつ旅人だから!」とか、まるで役立たない事しか教えてもらえないし!!!


でもって、ワタシは、ノキの行きそうな場所、例えば屋上とか、普段は鍵かかってて入れないけど、実はハリガネ使えば簡単に窓を開けられてそこから侵入できる体育倉庫とかを探してみたんだけど、



いねぇ!



いやしねぇ!!!!



半ばあきらめ気味に、教室に戻ろうとした時、階段の窓から外見てみたらいたんだよ、ノキが!!!



ノキが!



飼育小屋のとこ!なんか座ってモニョモニョしている!



ワタシは走ったサ!猛烈に走ったサ!時間ねぇから!



でもってワタシ、ノキの肩をむんずと掴んで、「こらノキ!鉛筆返せ!」と振り返らせたところ、ヲイ!ノキぃっ!!!!!!!





おまえなんでワタシの鉛筆をハシがわりに使ってるんだよおおおおっ!!!!!!!!!





ノキは「ふへっ?」という顔で振り向いて、そのまま当然が如く、おいしそうにご飯食べてた。←ワタシの鉛筆でなw


「こらああああああああーっ!!!!!!!!!!!」可能な限り!ハラの底から!出来る限り!大地を揺るがすがごとき!(※やや誇張)力の限り叫んだ!!!


が!ノキときやがったら、エネルギー全放出で叫ぶワタシの事を、まるで!全く!意にも介さず!「あ、コレいいアイディアだろ?今日ハシ忘れちゃってサ!タムなら鉛筆持ってるだろーなっって思って!」と、へーぜんと!とーぜんと!! 悪びれもせず!!!!


もぐもぐ普通に食ってやがるこの神経の図太さは何だ!?!?この無神経ぶりは何だ?!?!



いかん、怒り通り越して、なんか呆れてきた…。



「もーいい…。テメェにくれてやるぜ、その二本の棒は…。」ワタシは抜けそうな力をなんとか振り絞り、辛うじて、この言葉を口に出すのがやっとだったのだが…。とにかく汲み取れ!ここからワタシの気持ちを汲み取れ!!!!



「大丈夫!ちゃんと洗って返すから!」と、とーぜんに!平然に!ノキ。てめぇ何にも分かってねぇじゃねぇか!「あ、ちゃんと逆側使ってるから大丈夫だよ!」とノキ、続ける。



コイツに分からせるのは無理なのか!不可能なのか…。



…もういい。。本格的に、もういい…。




「今度ワタシにモノ借りる時は、使用用途を明確に告げてからにしやがれ…」




力抜けた…。全身の力抜けた…。。




かっ、課題、どうしよう…。



もう忘れてましたって言うしかないんだろうか…。まぁいいや、怒られればそれでいいや…。どうでもいいや…。



ワタシはその場にヘタり込み、とりあえず下を向いた。いかん、涙出そうだ…。。




「なんだかよくわからんが、よしよし、元気出せよ!」と頭を撫でるノキ




…って、てめぇが張本人だよ!てめぇが元凶だよ!!!!




「もうええ。ワタシもメシ食うわ…」とワタシはもうなんかどうでもよくなってきてしまった…。課題も…、ノキが無神経なのも…。もういい。怒るだけ無駄だし…。




ワタシはお弁当を包んでいる袋をおしりの下にひいて、ペタンと腰を下ろした。もういい、ここでメシ食う事にする。後ろにレンガの植え込みあるし。寄っかかれるし。座るにはちょうどいいし。


戻ってもれんげ達、もう食べ終わってるだろうしなぁ…。もう時間も無いし…。



つか、ニワトリ小屋(=飼育小屋)の横でごはん食べても大丈夫なのかなぁ…。なんか翼をバサンバサン言わす度、病原菌とか舞い上がってそうだけどw



ところが、ノキはぜんっっぜんそんな事気にせずに、なんか金網ごしにニワトリにエサあげながら、自分のお弁当を口に運んでいた。にこにこしながら。



まー、ノキだったら、多少のモン食っても体とか壊さなそうだけどねw




「今日はパンじゃないの?」とワタシ。なんかノキ=パンのイメージが強くて。



「今日はさ、パン代浮かせて小遣いの足しにしよーと思って」と、もひゃもひゃご飯を口に含みながら。「とりあえずごはんだけ、適当につめてもってきた」とノキ。たしかに真っ白いご飯と、コブの佃煮みたいのしか入ってなかった。「青春の知恵だろ?」とノキ。ま、ワタシも似たよーな事やった事あるしw



「食う?」



ワタシはお弁当箱をノキに差し出した。ワタシたぶん、どっかノキには甘いところあるんだよなぁ…。「全部じゃねーよ!」って釘刺しといたけどw


ノキは「どーもサンキュ!」とか言って、ワタシのおかずを二つ程そのまままとめて口に放り込んだ。←ワタシの鉛筆でな!



ワタシも、お弁当の残りを食べる事にした。とりあえず、ハラ減った。疲れたあとにハラ減った。



金網ごしにクケクケ叫ぶニワトリ達に、ノキはどこから持ってきたのか知らんけど、キャベツみたいな葉っぱを与えていた。「おっ!」とか「そう来たか!」とか、「いいねいいね!」とか、なんだか楽しげに言葉を発しながら。コイツ、ニワトリ使いか??


ニワトリと会話出来るのか?


ニワトリって確か、三歩歩くとたいていの事忘れるとか聞いた事あるけど、脳みそ足りない者同士、波動の同調でもあるのだろうか?



「ニワトリ好きなの?」 どーでもいいんだ、こんな質問!



別にノキがニワトリ好きだろーが、嫌いだろーが。



ひまだからサ。ノキってばニワトリばっかかまってるし。



「うん、好きだね!」とノキ。



「どのへんが?どのあたりが?」ワタシはニワトリのかわいさがサッパリ分からない。ヒヨコなら可愛いけど。あのべろんべろんしたトサカんところとか、クチバシの下にだらーんとたれ下がった、なんだか肉のカタマリとか。正直、少なくとも愛眼動物としては、カウントした事が無い!




「バカなところw」とノキ。オマエもなw





(続きます!)

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