商塔決戦!スライム軍団と商人の戦い
連邦の荒野に──天を突く影が現れた。
黒鉄の大商塔。
城より巨大。
商店より冷酷。
そして──税務署より怖い。
「……でかっ」
リオが素で引いた。
「ぷる(こわい)」
「ぷるー(たべものなさそう)」
スライムの恐怖基準は“食べ物”らしい。
塔は地面を抉りながら移動し、その周囲には傭兵団、盗賊団、魔導商人の軍勢が広がっていた。
将軍が険しい顔で言う。
「連盟め……本気で連邦を飲み込む気だ」
カイ
「じゃあ、こちらも本気で行きます!」
(商売の……ね!!)
リオ
「戦争じゃなくて商売で勝つ気満々だな……!」
―――
作戦開始:“価格破壊突撃作戦”
「みんな! 商塔の目の前で生活支援価格を宣言します!!」
スライム軍団
「ぷるーーー!!(いけーー!!)」
奴隷だった仲間たち
「店舗移動準備完了!」
「商材は揃いました!」
将軍
「……俺の軍より機動力があるな」
― カイは塔の前へ旗を掲げて進む ―
「連邦のみなさーーん!! 適正価格でーす!!!」
冒険者たち
「なんだ!? 戦場で商売始めたぞ!?」
「ポーションが……安い!!?」
傭兵団
「え!? 普通に買いたい……」
「この値段なら依頼受けなくていいのでは……?」
塔の内部がざわつく。
「おい!! 値段を下げるな!!」
「これじゃ我々の“独占市場”が……」
「やめろ! 正しい商売をするな!!」
(※全て本音)
リオ
「カイの商売って……兵器より強いんじゃないか?」
―――
すると、塔の巨大扉が開いた。
姿を現したのは──シルクのローブに宝石を飾った、太った男。
戦争商会連盟 会頭
顔は笑っているのに目は笑っていない。
「初めまして、少年。君が“市場破壊の申し子”カイ君だね?」
「初めまして、ザバルさん! あなたの商売、全部ダメです!」
「直球!!」
リオが口元を押さえた。
ザバルは肩をすくめる。
「私はね、戦争が好きなんじゃない。“戦争で儲かる人間”が好きなだけさ」
「最悪ですね!!」
「君が改革してくれたおかげで、返って戦争の価値が上がったよ。ありがとう、少年」
「お礼にならない!!!!」
ザバルは塔を指した。
「この塔は……“旧連邦の遺産”なんだよ」
「え?」
「昔、この国は“交易帝国”として栄えていた。その中心がこの塔。しかし政治腐敗が進んでな……塔は軍閥と商会によって乗っ取られた」
将軍が険しい表情になる。
「そんな歴史が……」
ザバルが笑う。
「だから私は、戦争商会連盟を作ったんだ。腐った政治を利用して、利益を独占するためにね!」
カイはため息をつく。
「そんなの……ただの搾取ですよ」
「正しい搾取だよ」
「そんなものありません!!!!」
「ぷる!!(ない!!)」
塔の側面が開き、巨大な魔導砲が姿を現す。
「撃てぇぇぇ!! 改革勢力をまとめて吹き飛ばせ!!」
魔導砲が光る。
将軍
「カイ殿!!下が──」
「スライム!!」
「ぷるっ!!」
もっちり吸収。
魔導砲のエネルギーをスライムがもっちり吸った。
「……え?」
リオ
「え?」
冒険者
「え?」
ザバル
「え?」
スライム
「ぷる♡(あまい)」
ザバルが震える。
「ま、魔導砲を……吸収……だと……!?」
カイ
「スライムは強いんですよ!!(誇らしげ)」
―――
「総員!! 塔に突入します!!」
「ぷるー!!(のりこめー!)」
「ぷるる!!(おそうじー!)」
塔内に侵入したスライム軍団は
・廊下を掃除
・敵をすべらせる
・食べる(軽度)
・宝石を吸う
・自販機を見るような目で魔導炉を眺める
やりたい放題。
リオ
「……塔というより“巨大迷路の遊び場”になってるな」
―――
ザバルが叫んだ。
「こうなったら──塔を自爆させる!!! すべてを灰にして、戦争を加速させる!!」
(これぞ黒幕ムーブ……!)
塔のコアが赤く光る。
「リオ! 止めないと!」
「任せろ!」
しかし──
「ぷる♡」
スライムがコアに張り付き──吸った。
ピタ……
塔が沈黙した。
「な、何が……?」
スライム
「ぷる(あまかった)」
カイ
「スライム……あなた本当にすごい……!」
リオ(やっぱりこの世界の覇者なのでは?)
ザバルは膝をつく。
「……なぜだ、少年……なぜ戦争を止められる……?」
カイは優しく言った。
「人は誰かを救えるんです。商売も、国も、未来も。あなたのやり方じゃ、誰も幸せになりません」
スライム
「ぷる(おこ)」
(※珍しく怒っている)
ザバルは震えた。
「敗北だ……完全に私の敗北だ……」
リオ
「裁くのは連邦議会だ。覚悟してもらうぞ」
将軍
「連邦はこれで救われた」
―――
「では、この塔は“生活支援商会 連邦本部”にします!」
将軍
「即決だな!!?」
リオ
「むしろもう連邦はカイが統治してるだろ……」
スライム
「ぷる♡(ここに住む)」




