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荒廃世界の少年商人〜剣も魔法も使えないので、値付けと信用で世界を立て直す〜  作者:


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18/43

共和国の裁きと、迫る影

共和国への告発状が届いてから三週間後。


ある朝、商業都市の空が、轟音とともに震えた。


「な、何だ!?」

「空に……飛空艇!?」

「共和国の紋章だ!!」


街中がざわめき、兵士たちが蒼白な顔で走り回る。


(共和国って……そんなに動くの早いの!? いや、むしろ“やばいレベルで早い”……!)


そして数時間後。


―――


ギルド本部前に、共和国監査団が立った。


「この国のギルドは、構造的腐敗・マイレージ搾取・犯罪的徴収を確認した」


「よって——」


監査団の代表者は冷たく言い放った。


「当国内のギルド支部全て、お取り潰しとする」


「ひっ……!!」

「ま、待ってくれ!! わ、我々は……!」


「弁明は共和国にて聞く。拘束せよ」


上層部は拘束され、逃げようとした者は全員捕縛された。


市民たちは恐怖と安堵が入り混じった目でその光景を見ていた。


(共和国……やっぱり正常じゃん……ちょっと怖いけど)


―――


ギルドの搾取がなくなると、店に物資が戻り、人が戻り、市場には行商人が溢れ出した。


「卵、安くなったぞー!」

「薬草の種、入りましたー!」

「働き口が増えたって本当か!?」


街は少しずつ、“商業都市”の顔を取り戻した。


私とリオも、それを見てほっと胸をなで下ろした。


「……やっぱり流れができると、人は動きますね」

「お前のファンド理論が“正しく作用した”んだ」


スライムは市場の隅で跳ねていた。


「ぷるっ!」


(うん、いい日になりそう——)


そう思った瞬間だった。


風が切れた。


黒い影が屋根から落ち、無言のままこちらへ跳びかかる。


「カイ、下がれ!」


リオが剣を抜く前に——


「ぷるるるるるっ!!」


スライムが飛びついた。


暗殺者を、そのまま丸呑みした。


「えっ」

「おまっ——!」


市場が凍りつく。


そして……


「ぷる………ぷるぷる……」


スライムの体が淡く光り、紫の膜が外周に漂い始めた。


「これ……毒……?」

「いや、さっきのとは違う」


行商人さんが青ざめた顔で叫んだ。


「ま、麻痺毒だ!! いまアイツ動けなくなってるぞ!!」


「ぷるるっ!」


スライムが誇らしげに膨らむ。


(……また強くなった……!? この世界、スライム万能すぎない!?)


―――


「……っ……!」


丸呑みにされた暗殺者は、スライムから吐き出された直後、体を震わせていた。


「だ、誰の命令で……?」


問いかけようとすると——


「……お前を……連れてこい……城……に…………」


「城?」


そこで暗殺者は動かなくなった。

麻痺毒の影響だ。


行商人さんは顔を真っ青にしていた。


「カ、カイくん……お前さん、誰かに狙われてるぞ……?」


「ですよねぇ……」


リオは一歩前に出て、冷静に状況を整理した。


「誘拐が目的。つまり“お前が必要”な勢力が城にいるということだ」


「……行くしかありませんね」


「行くのか?」


「はい。放置したら、誰かがまた狙われます。それに……理由が知りたい」


スライムが“ぷるり”と跳ねた。


「というわけで!」


私は市場の中央に立ち、手を挙げて宣言した。


「これより、王城へ向かいます!」


行商人さんは泣きながら叫んだ。


「気をつけるんだぞおおお!!」


市民たちは不安と期待を込めて見守っていた。


そして——私、リオ、スライムの三人は、王城に潜む“誘拐の黒幕”を突き止めるため、新たな道を歩き始めた。

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