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赤ちゃんの頃なんてできる事もたかが知れてるし、特別話す事もないので、さくっと一歳になったところまで進む☆


私とミアが一歳になると、弟が生まれた!

あ、ミアはちゃんと妹だったよ!


私とミアは、見た目普通の人だった。

人族のパパと、銀狼獣人のママ。私とミアはパパの血が濃く出たらしく、弟のリアンはママの血が濃く出た。

生まれてきた弟は、めちゃくちゃ可愛い子犬のようだった♪


獣人は人の姿とその種族の姿のどちらにでもなれるけど、自我が芽生える頃までは自分の意思で姿を変えられないらしい。


私はめろめろになってお世話をした。

いや、一歳児にお世話は出来ないな。

ただ可愛がりまくった。人の姿の時は弟として、子犬の姿の時は(本当はオオカミだけど)ちょっとペットっぽく接してしまったかもしれない。すまない、弟よ。


でもどっちにしてもめちゃくちゃ可愛がった。それまでめちゃくちゃ可愛がっていたミアが焼きもちを焼くくらい。

なによぉミアったら♪お姉ちゃんに可愛がってもらいたいのか?いヤツめ♪


そうやって可愛がりまくったら、当然二人からも愛情は返される。

寝る時は三人並んで寝て、ご飯の時は私とミアがリアンに「あ~ん」をする。

リアンは獣人の血が濃かったので成長が早く、離乳食も早かった。


一歳半ではまだ上手くスプーンを扱えないというのに、よくやったもんだ。

後から思い返したら、ママが一番忍耐力があったと思う。だって食後のテーブルと床は悲惨なものだったのだから。母は偉大だ。




一歳を過ぎれば歩けるし、一歳半にもなればだいぶしっかり歩けるようになる。

リアンは半年で歩けるようになったし、子犬の姿なら走る事もできるようになった。

獣人ってほんと成長早いな。


家はリンゴ農家だった。

春生まれの私たちが一歳半と半年ともなれば、季節は秋。しばらく前からリンゴの収穫は始まっていて、両親が収穫しているリンゴの木の下で毎日遊ぶ。


リンゴの根に転んだり、傾斜で転がったり、幼児にはなかなかハードな土地だったけど、リアンはもとより、獣人の血が入っている私とミアも丈夫で、三人は逞しく育ったと思う。


収穫したリンゴは王都で売られる。

私たちが住んでいる町の農業ギルドに(元の世界の農協かな?)持って行けば、持ち寄られた農産物を一括して持って行ってくれる。手数料は払うけど。


うちは今、ちっちゃいのが三人もいるもんだから、ギルドにお願いしている。

愛妻家のパパは、ママ一人でちっちゃいの三人相手にするのは大変だと言っている。

私たちが生まれる前は二人で王都までいっていたらしい。

デートのような思い出話に、ラブラブ新婚さんを思い描く。


同じようにパパママだけの小さい子供がいるうちや、お年寄りの農家さんも町のギルドに依頼する。

私たちが住んでいる町から王都までは、馬車で片道二時間かかるそうだ。


一歳半では農家のお手伝いなんてできない。

もちろん家事のお手伝いもできない。

両親のジャマにならないように子供達だけで遊ぶ事が一番のお手伝いになる。


身体は子供、知能は大人と、メガネをかけた某有名主人公のような私は、一歳半ミア半年リアンを飽きさせないようによく遊んだ。


前世では私、子供が好きで保育士を目指していたんだよね。

何となくの最後の記憶は大学三年生だったから、たぶん就職は出来てなかったと思うけど。


一歳半の幼児と、獣人だから人とは違う半年の子、どっちも可愛い!!

私は、思うように働かない身体を出来るだけ使って二人と遊んだ。


もちろん可愛いだけじゃない、相手は生き物だ。思うようにはならない相手を、パパママのジャマにならないように誘導する。


お姉ちゃんという立場と大人の知能で、私はリーダーだった。

数年後には立場は逆転するんだけどね!

それでも愛情は通じるようで、二人は私のいう事をよく聞いてくれた。


三つ子の魂百まで。意味はちょっと違うか☆

でも立場が逆転しても、それはその後もずっと続いた。




リンゴの収穫を終えると冬支度を始める。

長い冬の始まりだ。


私たちが暮らすアケルという国は、大陸の北にあって冬には雪も降る。

雪に閉じ込められた家の中でも、私は妹弟とよく遊んだ。

幼児では難しいゲームはできない。西洋風の?双六とか福笑いなんかで遊ぶ。

昔の遊びってすごいね!幼児でもきちんと遊べるし楽しめる。


晴れた日には外でも遊ぶ。雪遊びだ。ちっちゃい雪だるまを作ったり、うさぎを作ったり。

三人の中で一番上手だったのはまさかのリアンだった!


一歳にもならない幼児に負けるとは…。

いや、自分も幼児だけど…。


雪合戦はまだできない。雪玉は作れるけど、遠くまで投げられないし、雪の中を走れないからね。子犬姿のリアンは走り回っていたけどさ。


そんな風にしてたくさん遊んだけど、妹弟が一番好きなのは私の歌だった。


歌といっても、二歳前ではまだ声帯がちゃんと発達してないので上手く歌えないんだけど。

お昼寝や、夜寝る時に子守唄を歌って寝かしつける。妹弟はすぐに寝息を立てたよ。


寝る前の少しの時間しか聞けないからか、起きている時にも歌をおねだりされる。


前世から歌う事は好きだった。音痴ではなかったと思う。今はまだ幼児なので微妙だけど、まぁ喜んでもらえるくらいには歌えているだろう。

そんな風に長い冬を過ごして、やっと春がやって来た。




春生まれの私とミアは二歳、リアンは一歳になった。


美味しいリンゴを作るためには季節ごとに色々な作業がある。

春になると両親は毎日リンゴ園に出る。といってもわざわざ出かける訳ではなく、リンゴ園は家の前にある。


ママが家事をする間はパパ一人がリンゴの仕事をする。子供たちはリンゴ園で遊ぶ。

二歳児と一歳児では、やっぱり何のお手伝いもできない。

パパのジャマにならないように、私はせっせと妹弟と遊ぶのだ。


リンゴの花はとても綺麗。

たくさんあるリンゴの木の下で空を仰ぐと、真っ白なリンゴの花が風に揺れていて夢のようだ。


「パパ、おはなきれい」

「そうか、お花綺麗か。サラはリンゴの花が好きか?」

「すきー」

「ミアもすきー!」

「×××ー!」


私の後にミアが続き、リアンも続く。

リアンはまだちょっと何を言っているかわからない。でも言いたい事はちゃんとわかるよ!


「そうかそうか、おまえたちも好きか~!」


パパは嬉しそうに笑った。


うちのパパ、なかなかのイケメンさんなのよ。

茶色の髪に青色の瞳をしていて(これは私とミアがもらっている)お顔の作りが整っている。農家さんだからか引き締まったいい身体をしているし、朗らかで愛妻家で子煩悩。絵に描いたようない~い夫、いい父なのだ。


ママもとても綺麗な人だ。銀狼の獣人という通り、銀色の髪に森の色を思わせる緑色の瞳。

獣人さんだからかアスリートのようなしなやかな身体をお持ちで、細身なのになかなかの力持ちだったりする。大らかな性格をしていて?子育てはわりと野放しだ。愛妻家のパパの前では可愛い妻だったりする。


なんて自分の両親を客観的に紹介してみたけど、これって私が前世の記憶を持っているからなんだろなぁ。


だって私には()()()()()()()()()()、今もしっかり心に存在している、元の世界の両親とお兄ちゃんがいるんだから。


もちろん今のパパとママと妹弟も家族だけど、過ごした年数が前世の方が長いんだもん、しょうがないよね。

こっちは何というか…、親戚のうちに泊まりに来たような?

何だかちょっと、そういう感じもある。


おっと、紹介してなかった。仲間外れはいけないね!

リアンはママの容姿をそのまま受け継いでいて、銀色の髪…、子犬の時は全身銀色の毛になる。瞳は綺麗な緑色だ。


鏡で見た自分の顔は、双子のミアとそっくりでなかなか可愛い♪

リアンは綺麗な子だし、子犬の時はめちゃくちゃ可愛い♪


イケメンのパパと美人のママから生まれたのだから、私たちも将来有望だろう♪







読んでいて、あれ?と思われた方、ニヤリとされた方、多分当たってます^^


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