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転生のお決まり

※2017年10月30日 内容を一部修正致しました。

 俺の答えを聞いて少女は嬉しそうに頷き、転生の説明を始めた。


「よかろう。ではこれから転生する異世界の事とお主の転生について説明する。まあお主が普段読んでいる小説と似たようなものじゃ。あれも実体験がほとんどじゃからな」


 もはや少女の言う言葉にもはや驚かない。神の力が言葉に宿っているからなのか、話した言葉をそのまま受け入れられる。


「これからお主は異世界へ転生されるが、お主が抱いているイメージとほぼ同じじゃ。魔法と剣が行き交う世界で当然魔物もおるぞ」

「やっぱりそういう世界なんだな」

「我々にしてみれば創造主が作った魔法がなく科学とやらが発展したこの世界が異常なのじゃがな」

 

 どうやらほとんどの異世界は地球と違ったゲームみたいな世界らしい。


「そして私が担当している世界は現在衰弱しておる。お主にはその世界のマナを活性化させ、世界の力を取り戻して欲しいのじゃ」


 マナ?

 何か小説やゲームで聞いたことはあるけど・・・


「そうじゃな。マナとは異世界を維持するための力で、そのマナが弱ってるから世界も衰弱するのじゃ」

「なら活性化って?」

「活性化させるにはいろいろと方法はあるが、お主がその世界にいるだけでも活性化は進むぞ。お主らの魂は特別じゃと言ったろ? それは異世界のマナを活性化させる力があるからじゃ」


 そういうものか?

 じゃあ俺は何をすればいいんだ?


「お主は人生のやり直しがしたいんじゃろ? ならそれをすればいい。長生きして充実した人生を送れるなら自然とマナの活性化もできてるじゃろうからな。私はそれでいいのじゃ。何をしたいかはお主自身で決めよ」


 予想外の言葉に戸惑いを感じる。指示もなければ方向性もなし。何をすればいいのかさっぱり分からない。


「じゃあ俺は思うがままに行動していいんだな?」

「それで良いのじゃ。お主は存在しているだけでこちらも助かるからのう」


 俺の開き直りに近い言葉にも少女は笑顔で頷く。


「それからお決まりじゃが、お主に力を授けよう。特別に私の加護もやるぞ」


 チートktkr!

 やっぱこういう展開になるんだな!

 これで異世界最強が実体験できると思うと自然と興奮してくる。


「喜んでいるところ悪いんじゃが、私の力は世界と共に衰弱しておるでのう。お主が考えるような強力な力は今与えられんぞ」

「え?」

「まあ、そうがっかりするな。これでも私は神じゃ。それなりの力は与えてやれるぞ」


 がっかりするなと言う方が無理だが、ないよりは絶対マシだろう。

 どれほどの力かは分からないが素直に受け入れることにした。


「お主に与える力は4つある」


 1.異世界言語

 2.成長限界突破

 3.並行思考

 4.豪運


「それぞれの力はお主なら大凡理解できるじゃろうから説明は省くがよいか?」


 聞くと小説でよく見かけるスキルだった。

 異世界言語は向こうの世界でも普通に話せるようになる力だろう。

 成長限界突破は文字通り努力した分だけ成長できる力だと思う。

 並行思考は同時に考えたり行動するあれか?

 豪運がどれだけの運をもたらすかは未知数だがこれもいいスキルだというのは分かる。


「うむ。その通りじゃ。さすがによう理解しとるの」


 だてに大量に小説を読んでないからな。ゲームもかなりやってきたしその辺の知識は一般人よりは多いはずだ。


「では最後に私の加護を与えるぞ。向こうの世界では悔いのない人生を送れることを祈っとるよ」


 言い終えると少女は俺の頭に手を乗せ、体が強く発光する。

 自分が自分の体から離れ、もうひとりの自分が見えるという不思議体験をして――


《女神シャルワーナの加護を獲得しました》


 頭の中に機械音に似たその声を聞いた。

 そして俺の意識は徐々に薄れていき、最後にもう一人の俺の声が聞こえた。


「あれ? さっき何か聞こえた気がしたけど気のせいか?」


 もうひとりの自分が周りをキョロキョロ見渡しながら呟く。

 自分の姿を見るのも声を聞くのは何とも不思議な感覚でまるで自分が心霊体験をしているようだ。

 そして更にもうひとりの俺が呟く。


「何でだろう。無性に小説を書きたくなってきたぞ。しかも頭にアイディアがどんどん湧いてくるな。今の俺を変える切っ掛けになるかもしれない。早速今日から書き始めよう。タイトルはそうだな・・・」


 ~異世界で人生やり直し~


 この日から俺ともう一人の俺の人生のやり直しが始まった。







お読み頂き有難うございます。

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