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エルフの里の事件簿  作者: 秋津 久寝
2/8

第一話 私はエルフです‼

前回のあらすじ

リリアが巨乳ダークエルフ化

乳…否、父クリサン、母乳…否、母リウム、娘リリアの3人、朝からフリーズ



リリアのダークエルフ化が判明して、約1時間


「リリア、とりあえず、あなたはリリアでいいのね?」


「…う、うん。自信がなくなってきたけど…。」


「こんなに肌が黒くなっちゃって…。髪の毛もさっきからどんどん銀色に…。瞳の色まで、銀色に…。」


未だに、リリアのダークエルフ化を認めたくないクリサンは意識が半分ないようで、目に力がない。

と、リウムがクリサンの肩を叩き


「それだけじゃないのよ、あなた。胸も大きくなっているのよ…。」


「⁉」


なぜか、リウムはリリアの胸を掴み続けている。

そして、自分の手の平の中で肥大化し続けている胸に恐怖していた。




お昼前になり、ようやくリリアのダークエルフ化が落ち着いた。


結局、髪の毛は完全な銀色になり、瞳も赤い虹彩を含む銀色の瞳になった。

そして胸は、もともとB~Cカップ程度だったものが、誰もが羨むGカップにまで育っていた。

ちなみにリリアは、その胸を自身で触り、揉み、大きさを実感していた。


「お、大きい…。これが、巨乳という感覚…。」


と、随分、余裕をかましていた。


エルフという種族は、通常、大きく育ってもCカップまでである。

平均して、Bカップ程度がエルフの胸のサイズである。

尚、リリアは元々、胸の大きなエルフであった。

周りのエルフからは、羨望の眼差しを得ていた。

それが、更に大きく…。

エルフの男性は、決して巨乳が嫌いという訳ではない。

ただ、周りがおしとやかな胸しかないため、リリアのCカップの胸でも巨乳という認識であった。

それが、この日、崩れようとしているのである。

まさに、黒船到来。産業革命。ITならぬOP革命‼


だが、ダークエルフである。

エルフの中で、異端の存在となってしまったリリア。

今はまだ、異端となった自覚はない。


「ひとまず、長老に相談に行こう。リリアは、留守番だ。」


「え?なんで?」


「お前、自分の姿を自覚していないのか?」


「どういうこと?」


クリサンの問いに、体をひねり、腕を頭の後ろで組み胸を強調しながら聞き返す。


「お前、分かってるだろ‼」


クリサンのツッコミが家中にこだました。



□□□◇◇◇□□□◇◇◇□□□


その日の午後、長老宅にクリサン、リウムが伺っていた。

内容が内容のため、個室に移され、長老とクリサン、リウムのみの3名で話をしている。


「という訳なのです、長老。なにかご存知でしょうか?」


「ふぬ…。ワシも長く生きておるが、初めてのことじゃ…。」


「そうですか…。」


「これは、呪いなのでしょうか?」


「呪い…ふぬ、呪い…。そうかもしれんし、そうじゃないかもしれん…。」


「なにか、元に戻すためのヒントはありませんか?」


「ヒント…のぉ。まずは、最近あった、変わったことはないかの?」


「何かあったかしら?」


なんとも苦々しい顔しながら、クリサンが口を開く。


「(激マズスープか…?)リウム、あの独特なスープは?」


「パルベリーのスープ?」


「…パルベリー?」


「えぇ、パルベリーですよ?美味しいと思って。作りましょうか?」


「い、いや、遠慮しておくのじゃ…。ほ、外に心当たりは?(なんじゃ、今のクリサンの表情。確かに、パルベリーがスープで出されたら、手を付けたくないが…。)」


「特にありませんわ。敢えて言うなら、パルベリーの実を摘みに森に入ったくらいかしら?」


「森の中?」


「えぇ、精霊の森の境界にパルベリーの群生地があるんですよ。」


「「それだぁぁぁぁ‼」」


精霊の森、それは、寿命を迎えたエルフが自然に還る場所。

そして、自然に暮らす妖精たちの生まれいずる聖地。

そこに実る木の実や果実は、神が宿るものとして神聖視されている。

事実、精霊の森を荒らしたものは、その場に固められ、木々の一つとして生きるよう呪いをかけられてしまうのである。

その罪は赦されることなく、わずかな意識を残させられたまま、野生動物や魔物などの餌食となる。

いわば、精霊の森を守る防壁とされるのである。


「でも、私、呪いを受けてないわよ?」


「パルベリーが、罪人ではないのか?」


「あらやだ、そうなのかしら?」


「う…そんなものを私まで食べてしまったのか…。」


「ほう、お主も食べたのか?」


「え?は、はい…。」


「ならば、お主も変化しておらぬとおかしいのぉ。」


「た、確かに…。いや、実は私は、途中ですべて戻してしまいまして…。」


「あら、あなた‼恵みを無駄にしたのですか⁉」


「い、いや、か、体が拒絶してしまって…その…。」


「まぁ、嫌だ‼そんな人だなんて、思ってもみなかったわ‼」


「す、すまない…。あとで、大森林に捧げものをして、赦しを乞いに行くから…。」


「当然です‼」


「あぁー…、リウムや?」


「なんですか、長老様?」


「ま、そこまでクリサンを責めずとも良いではないか…。そのぉ、なんじゃ、体が拒絶したというのであれば、何かしら、理由があったのかもしれぬしな?」


「ですが、長老様‼」


「いやいや、リウムよ、お主が言うこともわかる。だから、贈り物をせねばならないのは当然のことであろう。ただな、クリサンとて、それを十二分に承知しておるんじゃ。今回だけは、許してやろうぞ?(確信した。クリサンのあの表情がすべてを物語っておる…。愛妻家というのが裏目に出たのじゃな…。それにしても、名前を出しただけで、あのような表情になるとは…。)」


それから何度か問答が続いたが、なんとか、長老の意見が通った。


「と、とりあえずじゃな、捧げものをして2~3日待ってみようぞ。それで元に戻れば、精霊の森に許されたと考えて良かろう。善は急げじゃ。さ、早く行くのじゃ。」


「分かりました。あなた、準備、よろしくね?」


「…はい。」


リウムに半ば命令されつつ、クリサンが捧げものの準備に走った。


「では、長老様。ありがとうございました。クリサンには、恩恵を無駄にしたことを改めて、きつく言っておきますわ。まったく…。」


「お、おぉ…。程々にな?」


こうして、解決の糸口を掴んだ二人は、捧げものの準備を始めたのであった。


捧げものは、基本、自分たちの畑で作った作物を妖精やご先祖様の好みの調理をして、祭壇に祭るというものである。

妖精は、それぞれ好みの食べ方があり、それは古くから変わらず伝わっている。

シルフであればその香りを、ノームは食感、ウンディーネは透明感のある色、サラマンダーは温かさを味わうのである。

また、その料理はご先祖様の好むものをベースにしておけば、そこに祀られる皆で、恩恵を享受できるため、精霊の森全体が喜ぶと信仰されているのである。



□□□◇◇◇□□□◇◇◇□□□


村長の家から帰宅し数時間後、リリアの家の食卓には多種多様な食事が用意されていた。


「ふぅ、なんで私がここまで準備をせねばならなかったのか…。」


今回の捧げものは、8割がクリサンの手料理である。

材料、調理をリウムが後ろで監督し、ビシビシと作らせていたのである。

残りの2割は、手際の悪いクリサンでは作るのが難しいデザートの類であったのと日暮れになりかけていたため、仕方なしにリウムが作ったのである。


「さ、あとは祭壇を用意して、捧げるだけだな…。」


「えぇ、そうね。では、行くわよ。」


リウムはそういって、バスケットに料理を詰め込み始めた。

クリサンはその横で、祭壇を用意する。



しばらくして、精霊の森付近で、祭壇に多くの料理が並べられ、捧げものがなされていた。


「さ、これで、満足いくまで、ご賞味頂くのみ。」


「そうね。だいたい、3日程度かしらね?」


「そうだなぁ…。それくらいで良いはずだな。」


この捧げもの、約3日間ほど同じ内容のものを毎日交換していくのである。

目に見えぬ妖精たち、ご先祖様たちに味わっていただき、残ったものを体を持つ自分たちが食す。

こうすることにより、全員が一つの食卓に並び、同じものを食すという形となり、調和を目指すという独特の文化なのである。



□□□◇◇◇□□□◇◇◇□□□


そして、3日が経過した。


が、リリアの体に変化は一切見られなかった。


心無し、肌の色が薄くなった?と思われたが、単に見慣れただけであり気のせいであった。


「なぜ…。まだ、お許しを得られないのか…。」


「きっと、あなたが吐いたからよ。」


「ちょ‼そ、そうじゃない…と信じたいな…。えぇい、あと2日間は私がすべて用意する‼そして、誠意をお見せする‼それでダメなら、長老様にもう一度、ご相談だ‼」


「えぇ、そうね、それが良いと思うわ。ついでに、家の掃除もよろしくね、あ・な・た?」


「へ?…えーと…。はい…。」


引け目を感じ、リウムの言いなりになる、クリサンなのであった。


一方、リリアは、豊満なワガママボディを堪能していた。


わざとサイズの小さいシャツを着ては


「あぁ~ん、胸が苦しい~…。これじゃ、ボタンが留まらない~。」


と言ってセクシーポーズを取ったり、窓辺で陰に入り肌の色が目立たないようにし、アンニュイな表情を浮かべては、道行くエルフに悩ましい視線を送っていた。


そして、リリアの友人が通り掛かると谷間をチラ見せしながら


「最近、急に胸が膨らんで…大きい胸って大変なのね…。」


と自慢にしか聞こえない悩みを相談するのであった。


そんなバカなことをやっていた報いか、リリアの肌の色が里の中で話題となった。

そして、わざわざ、両親が秘密裏に動いて、リリアを元に戻そうとしたにも関わらず、あっという間に、ダークエルフ化したこがバレしまった。



「リリアよ、これは一体どういうことだ?」


「これって?」


「お前がダークエルフ化したことを皆が知っているということだ。」


「うーん…隠しきれない魅力?」


鈍い音がリリアの頭から響く。

リウムが拳骨を落としたのである。


「あなたね、今の状況がどういうことか分かっているの?」


「セクシーな私が、罪?」


「間違ってないけど、間違っているわ。罪は罪。あなたは今、異端として扱われているのよ?」


「こ、これが、世の中なのね…。セクシーなあたしを迫害するなんて…。」


また、拳骨が落ちる。


「バカなこと言ってるんじゃないの。このままだとあたなは里を追放されるのよ。」


「え⁉なんで‼なにもおかしなことして…たけど、迷惑はかけていないじゃない‼」


「里の書庫から、ダークエルフ化に関しての書物が見つかったの。」


「…どんなないようなの?」


「曰く、大地に嫌われた存在と。大地の恩恵から漏れたものと記載があったわ。」


「そ、それじゃ、エルフとしての資格を剥奪された…という、こと…?」


「そうね。」


「え…。え⁉」


動揺を隠せないリリア。

両親は、苦い思いが表情として出ている。


「ただ、長老様が言うには、過去にはない例だから、解決する策はあるかもしれないと言っているの。」


「そ、そうなの⁉」


わずかな希望に、声に張りが戻る。


「ただ、なぜ、大地に嫌われたのか、その原因を探さないとダメみたい…。」


「そんな…あたし、何もしてないよ…。」


「そうね、あなたは何もしていないわね。いえ、もしかしたら、知らぬうちに何かをしてしまったのかもしれないわ。それを思い出すのよ。」


「う、うん…。でも、心当たりが…。」


「いいのよ。長老様から、そもそも、ダークエルフは初めからダークエルフとして存在するから拒絶されるのであって、突然、ダークエルフになったあなたには猶予があるという見方をしてくれているの。だから、早く、元に戻れるように頑張りましょうね。」


「う…うん…。」


突然の現実に言葉を失うリリア。


「ただね、解決の糸口は、何個かあるみたいなの。だから、諦めないでね?」


「うん…。」



こうして、リリアのダークエルフ化事件は、原因の究明に動き出したのである。


ノリと勢いのみでどこまで行けるか⁉

早くも失速気味だが、頑張れリリア‼(ぇ

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