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雷鳴士、世界を救う  作者: けん@転生したら才能があった件書籍コミック発売中
第2章 オイルリグ

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第53話 契約延長

「のどかぁ……ここがベリグランド迷宮の中だなんて信じられない」


 カオリがカタキ村の景色を見渡し、感嘆の声を上げる。


「いつかこういうところに住んでみたいんだよねぇ」


 彼女の言葉には、本当に安らぎを求める気持ちがにじんでいた。


 そんなカオリに、俺は一つの区切りを告げる。


「カオリ? 約束通り、十層までキャリーした。レベルも十分上がってるし、契約はここまでだが?」


「……そうね」


 カオリはしばし沈黙し、それから静かに問いかけてくる。


「ユウ君たちは、これからどうするの?」


「あっくんの船が完成するまでは、迷宮に潜り続けるつもりだ」


「……そう……契約――延長できたりしないかな?」


 その言葉に、俺とアリサは思わず顔を見合わせる。


「十層以降は攻略組が多いの。目撃される可能性が高いわよ?」


 アリサの指摘に、カオリは苦笑しながら肩をすくめた。


「まぁ……ね。でもさ、ストレス発散だけじゃなくて、単純に楽しいってことに気づいちゃったのよね。豹変するのがバレないように努力はするし、もしバレても文句は言わないから」


 ……まぁ、そりゃVRMMOなんて楽しいに決まってる。

 命が懸かっていなければ、だけどな。


「分かった。残り二十日間くらいか?」


「――えっ!? いいの!?」


 驚きに目を見開くカオリ。


「ああ。よろしく頼む」


 二つ返事で答えたのには、それなりの理由がある。


 アタッカーとしてのカオリは、純粋な火力要員としては物足りない。



【名 前】カオリン

【ジョブ】拳使い(7/14)

【状 態】良好

【L V】28(+7)

【H P】295/295

【M P】513/513

【筋 力】166 (28up)(+100)

【敏 捷】144 (28up)(+40)

【魔 力】259 (14up)

【器 用】166 (28up)

【防 御】166 (28up)(+10)

【魔 防】252 (28up)(+5)

【適 性】体術G(0/7)・神聖魔法C

【重 量】165/166

【装 備】浄怒のメリケン

【装 備】旅人の服

【アクティブスキル】

・正拳突き

・《ヒール》・《キュア》・《エリアヒール》・《ハイヒール》

【パッシブスキル】

・《成金》



 だが、彼女が持つ回復魔法エリアヒールと《ハイヒール》は、非常に優秀な性能を誇っていた。



《エリアヒール》

【MP】100

【CT】300

【威力】-

【詳細】範囲内のHPを50+(魔力/3)回復


《ハイヒール》

【MP】50

【CT】100

【威力】-

【詳細】対象のHPを200+(魔力/2)回復



 シルバの《エリアヒール》に加え、カオリの《エリアヒール》も活用できるとなれば、俺たちの生存確率は飛躍的に向上する。

 これが戦闘にもたらす余裕の大きさは、言うまでもない。


 実際、最近では他の攻略パーティも【神聖魔導士】を二人以上編成するケースが増えてきている。

 それほどまでに、この職――いや、回復魔法の需要は高まっているのだ。


 さらに、カオリがいることで、頻繁にポーション、マジックポーションを補給するためにカタミ村へ戻る必要もなくなる。

 結果として、迷宮攻略の効率も大きく向上するだろう。


 適切に扱いさえすれば、カオリの存在は間違いなく俺たちにとって大きな戦力となるはずだ。



 ……まぁ、問題があるとすれば、彼女の知名度が高すぎることだろう。


 カオリがこの迷宮にいるというだけで、俺たちのパーティは注目を浴びることになる。

 それが原因で、探索の邪魔が入る可能性は十分に考えられた。

 同時に近くにいるアリサにも注目が集まるのは間違いない。


 現に今も、カオリの大胆な衣装に目を奪われているプレイヤーは多数いる。


 とはいえ、今の俺たちにとって、彼女の回復魔法の恩恵は計り知れない。


「戦力として期待してる。カオリもできる限り目立たないようにしてくれよ?」


 俺がそう言うと、カオリは満面の笑みで――


「努力しま~す♡」


 ――なんとも頼りない返事をよこした。

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