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No090 アイリの野望、激動編 「周辺視察」 新しい仲間。 9歳9月~11月

9月末。

京都、大津での勝利と重要拠点の占拠完了の知らせが届いた。

ミツヒデとは、しばしの別れになる。

歴史での光秀は消え、天海としての人生になる。

オカザキの地で学び、自分の手で募兵を行い訓練する。


きっといい指揮官になるだろう。

アイリはそう思った。


軍はしばらく占領地に駐屯してから

オオサカに戻ることになる。

軍が戻ってもアイリは京都にいて、占領後の政策を行う・・・ことにする。

これは、偽装作戦の継続だ。


本人はとうの前にオオサカでいろんなことを企んで楽しんでいる。


城を築くとか、海兵隊を作るとか、歩兵を変えるとか、兵器類の改良など。


それだけでなく、まともに内政は行っている。

内政の主力は、オイチとギンなのだが・・。


アイリはアイリにしかできない鑑定を使った人材登用や侵入する怪しい人物の発見を行っている。

アイリが心の友という検索君のおかげで非常に効率が上がった。


大阪城の大まかな土台は出来つつあり、土盛や砦の建設が進んでいる。

アイリもそこに、領主館が建つのを楽しみにしている。

オオサカは、自由貿易郷としても、開発が進み働く人がかなり多い。

これは城下町である。


大阪城の東から南の港にかけての一帯が、その街の開発範囲になる。

アイリ直轄事業も、すでにオオサカ、ナラ、ワカヤマ、サカイへ進出して。

開発支援を行っている。


オオサカとサカイは近いので、あたりは広大な経済地区になると予測している。

きっと未来は、立派な商業都市として大きくなるだろう。


サカイは港を大きくして、海外貿易の拠点になる。

すでに、どこから話を聞きつけたのか、ソウキュウを通して海外からの貿易の話が回ってきている。

あのポルトガル人以外にも、海外貿易を希望する外人商人がいた。


アイリはその都度挨拶を行い、自ら話をまとめた。

一方で、海外の脅威は高まっていった。

技術力も文明も、資源も劣るこの国は、早く対策を行わなければならないと実感する。


アイリがとても喜んだこともあった。

サツマイモモドキとトウモロコシモドキの入手。

たぶん、品種改良前だから仕方ないだろうが、これらはアイリの農耕政策で大いに役立つ。

後は待望のジャガイモが来たら、フライドポテトやポテトチップスが食べられる。


鉄鉱石と綿も安く大量に入手できるようになった。

これで、武装改善が進むことになる。


木綿製品は、アイリ直轄事業の主力製品だ。

消費量がかなり伸びてきたから、領内の綿花だけでは不足する可能性があった。

これで更に大量生産化が進み、大量消費の時代が来るだろう。


こちらからはお金だけではなく、アイリ工房の珍しい作品や絹製品が売れる。

以外に好評なのが、乾麺とかハム、ソーセージなどだ。

滞在中は、パンの消費も多くアイリの直轄事業で作っておいてよかったと思った。


乾麺パスタを茹でて見せたら、乾麺は珍しいがパスタ自体は似たようなものがあるらしい。

トマトがあるならぜひ手に入れたいと交渉した。

もちろん腐ってしまうので種や苗だ。


アイリは最近入手した紅茶をひっそり楽しんでいる。

高価なので少しづつ使用しているが、仲間たちは反応が悪い。

結局、紅茶の消費はアイリだけだった。

紅茶も近代日本のそれとは大きく違うが、雰囲気だけでも味わいたい。


メイドに紅茶を入れてもらい、それを飲むお嬢様気分というのはオタク心をくすぐる。

最近はずっとアイリもメイド姿なのだが・・・。


というわけで、ギンもメイド姿だったりする。

やはり、「お姉ちゃんと一緒がいい。」そうだ。

天才でもそういうところが、とてもかわいい妹だと思う。


実はナオトラもメイド服になった。

あれだけ嫌っていたはずなのに、周りがみなメイド服だから仲間意識だろうか。

最近は男だとかも言わないし、同じ部屋での女子会を楽しんでいる。


意外に、ナオトラとマナリは気が合うらしく、かなり仲がいい。

二人とも女性なのに、男の名前だからだろうか。


オイチが、サヤカと仲がいいのは、サヤカが側仕えの師匠だからだと思う。

何か親子のように、お互いが接しているのを見てほのぼのする。


キチョウとシホウも師弟関係のようになっているけど仲がいい。

こちらは、まるで姉妹だ。

いや確かに、歴史では義姉妹だ。


自分はずっとギンと二人で寝ているから一番仲がいいのはギンだったりする。

年齢も近いしね・・・中身おばさんだけど。


苦楽を共にした仲間たちと、いつもの楽しい時間を過ごした。


この地でも新しい人材とは巡り合えている。

将来の指揮官も不足にならないだろう。


また、ワカヤマ、ナラ、キョウト、オオツあたりにも出向いてみたい。

今は、トウキチロウ対策と各政策でなかなか動けない。


10月に入ると、京都、大津侵攻軍が帰ってきた。

指揮官全員に「ご苦労様でした。見事な任務達成、ありがとうございました。」

と礼を言った。

礼が直接言えなかったミツヒデ・・・いまはテンンカイには、心で感謝しておく。


ミツヒデには事情を説明したが、快く引き受けてくれた。

もちろん前世知識に関することは言えないが・・。


全部で4郡占拠。

とりあえず、シガ領の大津はオオツ郡と命名して。

これでシガ領の直轄地は7郡。


あとは、領主権限がないから地図も出ないし目安の地名だけつけておく。

宇治、京都、亀山あたりかな。

領の線引きも違うから、同じ場所だとは限らないが、あくまで目安だ。


これで、尼子家も大きく力が削がれた。

兵の大半をなくし、富裕な場所がなくなった。

後はジリ貧になっていくだけだ。


攻撃軍が戻ってきて、防衛軍と入れ替わっているが、京都ではまだ私がいる。

・・・事になっている。

京都で私がいる場所になっているところへ不審者が現れたらしいが、捕縛できずに処分された。

これだけ警戒していても魔の手が伸びることに、脅威を感じる。


こちらからも特殊諜報員を西に潜ませているが、尻尾がつかめないままだ。

仮にいくつもの偽名を使っていたら、それを見つけるのは難しい。


オオサカでのいろいろな目途がたったら、周辺の領内へ出かけたい。

紀伊半島の南へは遠くて行く気にはならないが、

せめて大きな街は人材登用を兼ねた視察は捨てがたい。


その後は一度、オカザキに帰って方面軍とのやり取りがしたい。

場合によっては、次は武田家との対決になる可能性もある。

軍の兵制見直しは、そのあとになるだろう。


「出来ればこちら周辺の課題を年内に片づけたいなぁ。」


大阪城の建設完了は、早くても来年春で長ければ夏以降になる。



10月中旬


一通りの政策を終えて、後を官吏院に託す。

ここまで近くでアイリの政策を見てきた、元細川家の領主は

正式に内政官としてアイチ領へ送り、オカザキのカンドウ爺の元で内務官を目指す。

きっとミツヒデと再会を喜ぶだろう。 今はテンカイなのだが。


それと・・あれほど気にしていた皇王様とも会えるはずだ。

本人に会って、感動するのではないだろうか。


希望があれば、こちらに戻してもいいが

トウキチロウの件があり、自ら離れた地を希望している。

きっと、トラウマになったんだと思った。


「さて、久しぶりに視察の旅にでも行きましょうか。」

今回はそれほどかからない。

1か月以内にオオサカに戻り、その後アイチ領に帰るのだ。


オオサカには防衛隊もいるが

マタベエとタカトラを残し、後はギフ領へ戻すように指示した。

一応、アイリ本軍はムネシゲを仮の指揮官として運用する。

行軍ばかりさせることになるが、それも指揮官訓練だ。


メイド隊と抜刀隊は、オオサカでアイリの帰りを待つ。

アイリがアイチへ戻るときには、一緒に帰る。


メイド隊の1軍と2軍は視察に同行することになった。

過去の視察の長かった旅の懐かしいメンバーだ。

オオサカでは一緒に領境を巡回していたのではあるが・・。


南へ向かい、通り道のサカイでソウキュウに挨拶する。


そこからさらに南下して、一番目の目的地であるワカヤマに向かう。

人材登用のために、途中の郡も寄り役場に少しだけ顔を出す。

オオサカでもかなり内政官を登用したが、通り道でも登用していく。


アイリが求めるのはいつもの通り、面白いスキル持ちか、使える技能持ち

そして一番は、埋もれている歴史有名人だ。

仕官希望者の中にも歴史有名人は紛れ込んでいるが、埋もれている中にはかなり使える存在がいる。

アイリの仲間たちがいい例だ。

アイリと出会わなかったら、今の仲間で存在していなかった者も多い。


それもあって、アイリは視察が楽しみだ。


アイリにとって、ワカヤマは初めての地になる。


開発が始まって各地は活気がある。

昔、初めてアイチ領の東部で頑張った頃を思いだす。

「もうあれから5年かぁ・・思えば遠くへ来たもんだ。」

どこかで聞いたようなセリフが出てしまう。


ワカヤマに到着すると、人があふれていた。

仕事を求めて、紀伊半島の南からここへ移動してきているらしい。

開発中なので労働者が大半だ。

順調に進んでいる様子を見てアイリは満足した。


人が集まれば商人も集まるし職人も仕事に来る。

アイリが街の様子を見物していると

叫び声が聞こえた。


仲間たちが警戒モードになる。

急ぎ声のした方に移動する。

そこには数人の男に囲まれた3人の少女がいた。


中の一人が助けを求めている。

アイリはすぐに周囲の男を捕縛しろと命じる。

男たちは黄色の存在だった。

全部で6人。

近くには黄色はいなかったからこれで全部だと認識した。


メイド隊の上位者たちが、あっという間に捕縛する。

手慣れたものだ。

3人の少女を見ると15歳が二人と13歳が一人。

叫んだのは13歳の少女だった。


話を聞くと、男達は人攫いらしい。

検索君で罪状・前歴を見ると、たしかに人攫いでしかも前歴持ちだった。

アイリは、13歳の少女に興味がわいた。

彼女は芽が出ていないがスキル持ちだ。


話を聞いてみると、どうやらこの地の住民ではない。

3人の少女も同じだ。

海を渡ってきたらしく、良く知らない地名だった。


ここから、すぐ近くは淡路島で、その向こうには四国がある。

どうやら淡路島の住民の様だ。


わかってはいるが、名前を聞いてみる。

13歳の少女は、リンコと名乗った。しかし文字は「妙林」。

検索君の力でその名前に関係する人物を出してもらう。

それはアイリのオタク歴女の記憶からの検索だ。


妙林尼と呼ばれた女性が浮かび上がる。

吉岡妙林、吉岡林子と呼ばれていたその女性は、

歴史では結婚後に戦争で夫を亡くし、弔いの為に出家した。

その後の戦歴がすごい。


スキルの効果など詳細は不明だが、「知勇スキル」と浮かんだ。

芽が出ていないスキルの場合、スキル名が出るのは珍しい。無いわけではないが・・。

確かに歴史の経歴から、智略と武勇にあふれた女性だからその影響だと思った。

芽が出ていなくても、その影響下にあるということなのだろうと納得した。


リンコは、この男たちに姉を奪われたと言った。

親がいなくて、姉と二人だけの姉妹だった。

男たちは成人したばかりの少女を狙い、それをどこかで売り飛ばしている。

実は売り飛ばした先がわかるのだが、それは言えない。


それで15歳を名乗り、攫われる振りをして状況をうかがっていた。

どこへ行くのかを知るためだったらしい。


人攫いの男たちは、アイリの鑑定でどこへ売りさばいていたのかをアイリは知っている。

それは前領主だった。

彼女もそれに気が付いたらしく、ならその領主のとこまで行ってやるつもりだったらしい。

ところがここへ来ると、領主が変わっていることに気が付いた。


一計を案じ、とりあえず男たちから離れて姉の所在を探るつもりだった。

そこへたまたま、今の領主のアイリがやってくる。

アイリのよく言う「偶然は必然」と言うやつだ。


アイリは姉のことを何となく知っている。

仕方なく、前領主の話をした。


赤松家領主と名乗った前領主は、確かに黄色の存在。

少女を集めて、慰み者にしていたのだ。

あの居館に、複数の少女がいた痕跡があった。


何故痕跡か・・。

アイリたちが攻め込んだ時、前領主はこともあろうに少女たちを処分。

何事もなかったように、降参してアイリの前へ出てきた。

罪から逃れ、体よく取り入って命を助かりたかったというのが正解だろう。

アイリはもちろん、すぐにその領主を処罰した。


今はもう、領主はいない。

そして多分、姉だという少女もいない。


アイリはそれを隠さず、リンコに話した。

リンコは、泣いた・・・だが大泣きして騒いだりはしなかった。

ある程度予測していたらしい。


3人の少女を保護して、家に帰りたい者は、水兵に送ってもらった。

リンコは行く当てもなく一人残った。

アイリは言う「私たちと一緒に行きましょう。これからは皆が姉妹です。」


仲間たちは、笑って少女を励ました。

ここに集まる仲間たちは、皆親がいない。

未成年者は、アイリが保護者だ。


リンコもアイリが保護者として成人を迎えるまで面倒を見る。

そう言う話もした。

リンコは、力なく頷いた。


その日の夜、仮宿舎で部屋を共にしていた時、皆が寝静まった後リンコは泣いた。

ずっと泣き続けていた。

アイリはそれを知っていたが、言葉を出せなかった。


あの時アイリが攻め込まなければ、今でも生きていたかもしれない。

館に火を放たなければ、領主も進退が極まることもなく、無理に処分されなかったかも知れない。

アイリは、戦いにおける結果としての責任を負い続ける覚悟をした。


翌日、目を腫らしたリンコがいた。


アイリはその後、リンコを連れて周囲の視察を行った。

気分が落ちていたが、やることだけはやった。

何とか内政官や、使えそうな技能持ちを登用できた。

変わったスキル持ちも一人登用したことで、アイリは少し気分が戻っていった。


翌日ワカヤマを出て、アイリ一同は、ナラに向かう事にした。

もう、リンコは泣いていなかった。

彼女も何やら自分の中で整理できたのだろう。


山道を通るのは嫌だったので、来た道をオオサカに向けて戻る。


オオサカに戻ると、リンコにオオサカの居館で待つかと聞いた。

リンコは、もう姉妹と別れるのは嫌だと言った。

仲間たちは、それを聞いて喜んだ。

「そう、これからはずっと一緒。私たちは姉妹だから。」


まだ乗馬は無理だが、仔馬を与えた。

面倒を見ているうちに、馬とも仲良くなれるだろう。

仔馬も連れていく。


服とかいろいろ買いそろえて、服装の話をしたら皆と同じがいいと言った。

アイリはメイド服を作ることにして、アイリ工房で採寸をしてもらった。


とりあえずは、買った服でナラから戻った時には、メイド服が出来ているはずだ。


オオサカから再び出発する。

次は東のナラへ。そこへも初めていく。

ワカヤマへ行くより距離は短いが、一部山道がある。

すぐに抜けられる程度の長さだから問題ないだろう。



一同は再び移動を開始した。

やがて山道に差し掛かり、そこを抜けた。

山を抜けても、なだらかな山もあり、森や林が多い地だ。

まだ開拓できる余地はあると思う。


そこをしばらく進めば、農耕地帯の平地に出る。

ナラの手前には、大きくはないが街もある。

森や林を抜けながら進んだ。


アイリたち一行は急に呼び止められる。

「そこの女達、少し手伝え。」

その横柄な言葉遣いの主は、8歳の少女。

アイリはびっくりだ。まるで野生児。


鑑定では、名前は「於子亥」と出た。

難しい字だが「オネイ」と読むというのは、検索君でわかった。


8歳の少女オネイが言うには、罠を仕掛けたら大物がかかった。

なんとか、やっつけたが、運ぶに運べない。

だから手伝えだそうだ。


言われるままそこへ行くと、猪が倒れていた。

確かに8歳の少女が運べるものではない。

それより、罠にかかったとはいえ良く倒したものだ。


アイリは既に、この少女に興味を持っていた。

言動や行動だけでなく、この子も芽が出ていないスキル持ちだ。

しかし経歴からどう考えても孤児で、しかもシガ領の出身。

何故こんな遠い地で、猟師などやっているのだろう。


猪を紐で縛り、馬に引かせて移動することにした。

行く道で話を聞いてみた。

名を呼ぶときは、「ネイ」と呼べと言われた。

聞くと戦争孤児だった。

あのギフでの出来事が思い出される。


行商人に使用人として雇われ荷物運びをした。

あれ?どこかで聞いた話だ・・間違いなければ3回目。

この地の近くで、行商人に捨てられたそうだ。

やはり聞いた話だった。


経歴からあのミエの詐欺師とは違うようだが悪い奴は考えることが一緒だ。

そこで一文無しになってしまい、とりあえず食べ物を探すことにした。

そこで少女が考えたのが、猟師のように狩りが出来れば、食にもお金にもなる。

幸いここには、森や林が多く、細々と生活していたらしい。


罠をあちらこちらに仕掛けて、運よくそれで捕まえられたもので今まで生きてきた。

確かに野生児になるのはわかる気がする。

8歳の子供では、どこも雇ってはくれない。

だからギンは仕方なく、捨てられた街中で物乞いをしてしのいでいた。


アイリは考えた。

「猪を売ってくれないかな。」とネイに言った。

「もちろん猪肉は、料理にして一緒に食事しましょう。」

これは、猪鍋だ。


ネイは今までロクな食事が出来なかったからそんな話をしたら。

「それは、なかなかいいな。」と即答した。

料理など、まともに出来なかったのだ。


街の仮宿舎で、メイドたちに頑張ってもらい猪鍋が完成した。

いろいろ話を聞いたが、相当苦労いしていたのはわかった。

街のはずれで、何とか雨風が防げる程度の小屋で生活しているらしい。


アイリは孤児なら無条件で保護するつもりだ。

ギフでもそうやって数多くの子供たちを救ってきた。

生活の面倒を見るから一緒に来ないかと聞いた。


しかし何故か断られた。

結局、同年のギンが説得して、納得してくれたらしい。

今のままでもなんとかやってこれたし、人を信用して裏切られるのは嫌だったらしい。

確かにトラウマになるだろう。


こうして二人目の義妹が出来た。

その日は3人で寝て、ネイにいろんな話を聞かせた。

ギフでの孤児たちの出来事だ。

ネイは、自分と同じ境遇の仲間達との出来事に驚いていた。


翌日、ナラに向かう。

そこも自由貿易郷として開発が進んでいた。

到着するとアイリは、ネイに服を買った。

あまりにひどい恰好だったのもあるが、皆こうやって衣服と居場所を作る。


アイリの居館で、初めて風呂に入ったネイはすごく喜んだ。

食事も美味しく満足している様だ。

もう、信用できないとは言わせない。

義姉として思い切り甘えさせたやることにした。


皆と同じように仔馬を与える。

仔馬には、すごく喜んでいた。


ネイとリンコは二人並んで仔馬の世話をしている。

なにやら、リンコはネイをほおっておけないようだ。

進んで面倒を見るようになった。


二人とも新しい仲間だ。

仲良くなってくれるのは、こちらも嬉しい。

仔馬の世話の仕方とか乗り方などは、ギンが教えている。

まだ乗るのは速いが、そういう心構えと言うのはいい。


この地でも多くの人材が登用できた。

やはり、初めての地と言うのは人材が眠っている。

こういうのがあるから、大変でも視察はやめられない。


ナラを中心にして周囲を見て回り、3日が経った。


ここから一度、オオサカに移動する。

ナラから直接キョウトに向かう街道があるが距離が長く、整備できていない。


それと、オオサカでキョウトに向けていろいろ準備していく。


偽装工作も忘れない。

オオサカにいるメイド隊と抜刀隊を、キョウトに向け進軍。

キョウトにいるアイリと合流し、一部のメイド隊はシガ領へ向かう。

アイリはアイチ領に帰るという話になる。


実際に最後は帰るのだが、時間差だ。

本物はその後に、キョウトに入る


オオサカからキョウトへは、平地の移動だが、移動距離は長くなる。

念のため馬車を用意した。

荷物運びと、新しい仲間の為でもある。


長時間の二人乗りは、幼いネイでは慣れないと結構大変だ。

リンコもネイと一緒に乗るという。

道中の面倒を見てくれるのだろう。


御者をメイド隊に頼んで、移動開始になる。

馬車には、二人の仔馬もつないでいて、ネイはそれを励ましている。


決して仔馬に馬車を引かせているわけでない。

単に馬車の後ろに、つないで連れていくだけだ。

仔馬が歩いてついてくるのを見て、ネイは仔馬を励ましている。

そこまで可愛がっているのは、本当に好きなんだろう。


街道の途中で、時々馬を休ませて、水を飲ませたり世話をする。

まだこの街道は、開発が進んでいない。

アイリは、自由貿易郷同士の街道は休憩所などを作る。


準備が遅れているのは、京都方面が最近支配下になったせいだ。

開発もやっと始まったところなので、人は多いだろうがそれほど期待はできない。

アイリは偽装の為に、メイド服になった。

リンコもメイド服が出来たからそれを着ているし、ネイもメイド服だ。


ネイのサイズは、ギンとほぼ同じだったからギン用の予備を着ている。

歳も同じだし、そうなんだと思った。

一方でギンも成長していることが少しうれしかった。

初めて会ったときは7歳。あれから1年が過ぎ8歳、もうすぐ9歳だ。


メイド服の着方もギンが丁寧に二人に教えていた。

仔馬の世話の時もそうだが、気が回りしっかりしていると感心する。

実は、ギンにとって後輩にあたる二人の指導は自分だと思っているのをアイリは知らない。


次も新しい地、キョウト。

なにやら気にはなるが、トウキチロウの手の者っぽい存在がオオサカからいなくなった。

諦めたのか他の手を考えているのかわわからないが、偽装を信じる。

キョウトには、メイド隊も抜刀隊も特殊諜報員もいる。


いろいろ強引な策で光秀は天海になったし、本能寺イベントは回避だ。


新しい仲間も増えて、アイリはすごくご機嫌だった。


すでに、11月を越えていた。














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