私、獣王国
「ねぇ、ねぇ、ねえちゃん達どこから来たの?」
「その鳥さんかわいい!さわらせて」
「ぼく知ってるよ、角生えてるから魔王国の人でしょ!」
「え、えっと、その……」
「(うーん、これは思っていたより酷いかも……)」
今現在、ふたりは【獣王国】に来ており
前回の宣言通りにフシはセナに対人の耐性をつけさせるためまずは公園で遊んでいた獣人の子供から接してならそうとしていたのだが、
「ねえちゃん、名前なんていうんだ?おれ、犬の獣人のジック!」
「わたし、猫の獣人のミナっていうの、鳥さんのおなまえは?」
「ぼくは鳥の獣人のダダ、ねぇ、おねえさん魔王国ってどんなところ?魔法つかえる?」
「えっと、その《(フ、フシー!やっぱり僕には無理だよー!子供たちなら大丈夫かもって思ったけど無理無理無理!たすけて!)》」
そんな様子のセナに対してフシは呆れついついため息をついてしまう
「《(はぁ〜、まったく子供相手に何を怖がる必要があるんだい?それに私がついてるんだから大丈夫だろう?ほら、自己紹介してあげて)》」
「《(う、うん!)》は、初めまして僕はセナだよ。この子は使い魔のフシ。魔法は得意だよ!よろしくね。」
「「「うん!よろしく!」」」
セナの子供たちの質問や自己紹介を終えて何とか安心するフシ。セナも子供たちの反応に安心して少し一息つく
「ふう、うんよろしく!君たちはここら辺の子?」
「うん!おれたちいつもここら辺で遊んでるんだ!ねえちゃんも一緒にあそぼ!」
「わたし、フシさんのこともっと知りたい!」
「ぼくは魔法が見てみたいです!」
「う、うん、落ち着いて、順番、順番だから!」
「「「はーい!」」」
「(がんばれセナ。)」
そうして、ぎこちなくされど最初よりも生き生きとした様子で子供たちと遊んでいくセナ
「それじゃあ、おねえさんが鬼ね!10秒数えるからそのうちににげてー!」
「わぁ〜!にげろ、にげろ!」
「フシさん一緒ににげよ」
「ぼくはこっちににげる!」
「ごー、よーん、さーん、にー、いーち、ぜーろっ!よーし、捕まえるぞー!まーてぇ〜!」
「わっ!にげろー!鬼がきたぞー!」「きゃあー!」
「うわ!つかまるー!」
「ふふ!逃がさないぞ〜」
その後、ジックは犬特有の元気の良さから駆け回り逃げていたが、セナに回り込まれてつかまり。
「つっかまえた!はい、ジックくんアウト!」
「くっそーにげれると思ったのに!くやしい!」
そしてミナは猫特有のその身軽さで逃げていたが、フシと共に行動していたせいで位置を把握されあっさりと捕まってしまった。
「はい!ミナちゃんも確保!フシと一緒にいたのが仇になったね!フシも忘れてたでしょ。」
「ぶー、もっとフシさんとにげたかったのに。」
「《(いやー、正直に言えばあまり使わない力だから、忘れてたよ。不覚)》」
最後にダダだが、鳥の羽を活かし木の高いところまで逃げ、ここなら大丈夫と余裕をかまし油断していたところをあっさりと捕まってしまった。
「はーい、油断大敵だよ。ダダくんつかまえた!」
「ぬぅ、まさか木をそんなに素早く登れるなんて油断した。」
「それじゃあ、みんな捕まえたね!」
「もっかい!もう一回やろう!次はつまらないから!」
「ずるい!次はフシさんについて聞くはずでしょ!」
「そうだよ。約束だったはずです。」
「えー!でもよー」
「まぁまぁ、落ち着いて、」
少し喧嘩になりそうな所を何とか落ち着かせようと話すセナ
「ジックくん、悔しいのはわかるけど先に約束してたのはフシの話を聞くことでしょ?後でまた鬼ごっこやるから今は落ち着いて、ね?」
「・・・・・まあ、そうゆうことなら」
「うん、ありがとう」
そうして落ち着いた雰囲気になったところ約束通りフシの話をするセナ
「それじゃあ、フシの説明をはじめるね!改めてこの子は使い魔のフシ、僕の相棒兼魔法の先生でもあるんだ。言葉も理解できてるよ!」
「使い魔なのに先生?」
「どういうこと?」
「そんな使い魔いるんですか?」
セナのフシの説明に三人が疑問を持ちそれを口にするが、セナはその疑問に応えるように説明を続ける。
「うん、使い魔なのに先生なの。フシはねすごいんだよ!言葉だって理解できちゃうし、魔法だって使えちゃうんだ!その証拠に、フシ!ジックくん、ミナちゃん、ダダくんの順番に頭に乗って僕の肩に帰ってきて!」
「《(お易い御用だよ。)》」
セナの言葉に従い、順番通り、ジック、ミナ、ダダの頭に乗り最後にセナの形に戻ってきたフシ
その様子に三人は目を輝かせ喜び拍手していた。
「うわー!すげぇ!ホントにわかるのか!じゃあ、次はおれに追いついて背中にタッチな!」
そう言ってジックは走り出し、見る間に遠くに行くが
「(まだまだ、甘いよ。)」
直ぐさま飛んできたフシに追いつかれ、背中に着地される
「すっげぇ!ホントのホントに言われた通りにきたぞ!」
「ならつぎは、わたしの頭の周りを飛んで肩に乗って!」
「(いいよ。)」
ミナの言葉に応えジックの背中から飛び、ミナの頭の周りを一周するように飛び最後に肩にチョンと止まる
「わあ!かわいい!すごい!」
「では、つぎは、ぼくと一緒にとんでください!」
「(もちろんだとも。)」
バサッとダダと一緒に飛び上がり少し周りをダダを追いかけるように飛び回り、戻ってくる。
その後フシはセナの肩に戻り、それと同時に自慢するようにセナが胸を張る
「ふふん、すごいでしょ!僕の使い魔兼先生!」
「うん、すごかった!」
「つぎは、わたし一緒にはしりたい!」
「ぼくは競走してみたいです。」
「あっ!ずりーぞ!おれだって!」
「はいはい、落ち着いて、次は魔法を見るんでしょ?」
セナの言葉が鶴の一声の如く、言い合いをしていた三人を鎮め、次には三人がセナに向き今か今かと魔法を待ちわびた。
「それじゃあ、お次はダダくんお待ちかね、魔法を見せてあげる。」
「なぁ!どんな魔法?火?水?それとも土?」
「フシさんも魔法使えるんだよね!みたい!」
「ぼくもみたいです。はやくはやく!」
「まぁまぁ、そう焦らない。今見せるから!《白く覆え・今この瞬間・白銀を・雪の景色》」
そう唱えた瞬間、セナ達がいる場所に白いドーム状の魔力が覆い、そこからシンシンと雪が降り、瞬く間に雪景色へと姿を変える
「わあ!ゆきだー!」
「わぁ!すごい!」
「こんなに一瞬で一面をゆきにするなんてすごい!」
「ふふ、本来は寒さが苦手な魔物とか周りを寒くするための魔法なんだけど、こういう使い方もありだよね、フシ」
「《(そうだね、魔法も使い方次第だから、こういう行使はとても素敵だと思うよ。)》」
フシの言葉に思わず、笑顔になるセナ
そこへ、雪に夢中だった三人がはしゃいだ様子でこちらに駆け寄ってくる。
「なぁ!ねえちゃん、次はここで鬼ごっこしようぜ!鬼はおれがやるからさ!」
「わたしは雪だるまつくってみたい!」
「ぼくはカマクラ、大変だけど、やってみたいです!」
「ふふ!なら全部、やっちゃおうか!」
「「「おー!」」」
そうして、四人と一羽は雪景色の中遊び回り、日が落ち少し暗くなるまで遊んでいた。
「それじゃあなー!ねえちゃんまた!あそぼうぜー!」
「おねえちゃん、フシさん!バイバイ!」
「おねえさん!ありがとうございました!」
「うん!みんなバイバイ!」
そうして子供たちと手を振り合い別れフシも羽を振り別れた。
子供たちが離れ周りに誰も居なくなるとセナは少し笑った様子でフシに話しかける。
「ありがとね、フシ。僕、とっても楽しかった!こんなに人と話して気分も良くなったの久しぶりだよ。
こんなのフシと出会ってなかったら多分一生なかったから、ありがとうフシ!」
「《(一生ない、なんてなかったと思うけど、けれどそのお礼はちゃんと受けとっておくよ。私からもおめでとうセナ。この調子で次は大人とも笑って会話してみよう!)》」
「ゔっ!そ、それは……がんばります。」
「《(うん、頑張ろうセナ。)》」
そうして、ふたりも日の落ちる中笑い合いながら、宿へと足を運んだ。
セナとフシは使い魔契約を交わしているのでお互いに位置を把握できるし、魔力を分け合ったり等、他諸々の恩恵もある。
その恩恵をフシは把握しきれているわけではない。




