◆◆◆ 第1話:闇のヒロイン、笑顔で推参! 気合で世界を黒く染めろ! ◆◆◆
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
それでは、本編をお楽しみください!
「あはははっ! みんな、下向いてちゃダメだよ! ほら、笑って笑って!」
眩しすぎるほどの白い光が降り注ぐ、光と闇の境界線『白夜の荒野』。
整然と陣形を組み、圧倒的な魔法力で制圧前進を続ける「光の軍勢」を前に、泥臭く戦う「闇の軍勢」は完全に押し込まれていた。
「シーラ隊長! ムリっす! 敵の『絶対光陣』は計算し尽くされた完璧な防御結界です! 俺たちの魔力じゃ、物理的にも論理的にも突破確率は0.001パーセントで……!」
絶望的な報告をする闇の兵士の背中を、バアァァァン!! と凄まじい勢いで叩く者がいた。
闇の軍勢の斬り込み隊長にして、闇の世界を広げる使命を帯びたヒロイン、シーラである。
漆黒のツインテールを揺らし、フリルのついた黒いゴシックアーマーに身を包む彼女の顔には、この絶望的な戦場に似つかわしくない、太陽のような(闇の住人だが)満面の笑みが浮かんでいた。
「確率なんて関係ないよ! 0.001パーセントあるなら、あと99.999パーセント『気合』を足せば100パーセントになるじゃない!」
「な、ならないっすよ!? 計算式がめちゃくちゃです!」
「いいからいいから! 理屈ばっかりこねてないで、お腹から声出してこー! 行くよっ!」
シーラは、自身の身長よりも巨大な漆黒の大剣『ナイトメア・ブレイカー』を軽々と肩に担ぎ上げ、光の軍勢のど真ん中へと向かって全力で駆け出した。
「おーい! 光のみんなー! そんなにピカピカしてたら、夜グッスリ眠れないでしょー!? あたしが真っ暗にしてあげるからねー!」
その声に反応し、光の軍勢の指揮官が冷徹な声で命を下す。
『愚かな闇の眷属よ。我が軍の結界は完璧な魔力理論に基づいている。第一陣、光線掃射!』
数百の光の魔法陣が展開され、一斉にシーラへと極太の光線が放たれる。
だが、シーラは立ち止まらない。避けることすらしない。
「うおおおおおっ! 気合ぃぃぃぃぃ!!」
ドガァァァァァン!!
シーラは、正面から飛んでくる光の束を、大剣の『腹』でバットのように弾き飛ばしたのだ。
魔力の減衰率? 屈折角? そんな理屈は彼女の辞書にはない。あるのは「気合で打ち返す」という純粋な意志のみ。
『なっ……!? 馬鹿な、光の魔法を物理的に弾き返しただと!? どのような術式を使った!?』
「術式じゃないよ! 根性だよ!!」
あっけにとられる光の指揮官の目の前に、跳躍したシーラが影を落とす。
「光が強すぎるから、みんな疲れちゃうんだよ! たまには暗闇で休まなくちゃ! だから……世界よ、真っ黒に染まれぇぇぇっ!!」
シーラは大剣を大きく振りかぶった。刀身から、周囲の光を喰らうかのように濃厚な闇が爆発的に噴き出す。
「必殺! 『スーパー・ウルトラ・ダークネス・スマッシュ』!!」
ドゴォォォォォォォォォォォン!!!
絶対の防御を誇っていたはずの光の結界が、まるでガラスのように粉々に砕け散った。
完璧な論理で組まれていた光の陣形は、シーラの気合と根性が乗った一撃で完全に崩壊し、兵士たちは悲鳴を上げて後退していく。
「あははっ! やったね! ほら、みんなも見てないで前進、前進ー!」
空を覆っていたまばゆい光が晴れ(暗くなり)、心地よい漆黒の闇が荒野に広がっていく。
「し、信じられねえ……マジで気合だけで突破しやがった……!」
「うおおおおっ! シーラ隊長に続けぇぇっ! 闇を広げるんだぁぁっ!」
シーラの底抜けに明るい笑顔と、無茶苦茶だが圧倒的な背中を見て、闇の兵士たちの士気は最高潮に達した。
「よーし、その意気だよ! 次の街も、気合と根性で真っ暗な平和をお届けしちゃおう! いざ、出発ー!」
理屈も論理も関係ない。
世界を「安心できる暗闇」で包むため、笑顔が眩しい闇のヒロインの、強引で熱い冒険が今、幕を開けたのである。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、
ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、毎日の執筆の爆発的なエネルギーになります!
ブックマークへのご登録も、ぜひよろしくお願いいたします!
それでは、次回もどうぞお楽しみに!




