第七世界 【太古の世界】 後
「なんか見えますね」
「む? ──鉄塔か」
薄暗いせいで見辛いものの、生い茂った木々から突出するように鉄製の骨組みから成る細長い建造物があった。先端にはアンテナのようなものがあることからもしかしたら電波塔かもしれない。
「行ってみますか?」
「勿論だ」
「お二人とも足元に気を付けて。地面が沼のようになっている」
三人は泥に足を取られぬよう気を付けながら鉄塔を目指して熱帯雨林の中を進んでいく。丘の上にあるようで途中から坂道となり、上からざあざあと流れてくる雨の川に体力をじわじわと奪われながら三人はひたすら進んだ。
「ハァ……ハァ……」
「大丈夫ですか? サジェ様」
「──まずいな。少し開けてきた。急ごう」
ゴルドルに急かされて息も絶え絶えのサジェースタは符正に押されながら必死で駆ける羽目となってしまった。この半年、相当運動してきたはずではあるが身体能力は生前のままキープされるようでサジェースタの体力は相変わらず一般的な中年男性のそれであった。
「! 来た!!」
ばきばき、と木々がへし折れる音が雨の音に混じって聞こえてきて三人はさらに速度を速める。やがて地面を揺るがす咆哮と同時にティラノサウルスがその巨体を揺らしながら飛び出してきた。ぬかるんだ地面もティラノサウルスの巨大な足と鉤爪には無意味で、足が地面を掴むたびに地面が震える。邪魔な木々を巨大な鼻先と肩でへし折りながらサジェースタたち目掛けて突進してくる姿を見て符正は目を細め、先にある鉄塔に視線を移した。
鉄塔のあるエリアには他にもコンクリートで塗り固められた建造物がいくつかあり、周辺一帯に十五メートルほどの鉄網が張り巡らされていた。恐竜が侵入してこないための対策だろう。符正はサジェースタの腕をむんずと掴んだ。え、と声を上げるサジェースタに構うことなく符正は地を強く蹴って全力疾走する。
「う、おぉっ!?」
符正の全力疾走に付いていけなくてサジェースタの体が倒れ、地面を擦る。だが符正は構わずサジェースタの腕を強く掴んだまま木の幹に足を乗せ、勢いで二歩、三歩と幹を駆け登った。めきめきとサジェースタの腕が嫌な音を立てる。
「骨折れますがご勘弁を!!」
木の幹から枝に移り、その枝が折れるほどの勢いで踏み込んだ符正の体が空高く舞う。サジェースタはもはや何が起きているのか理解不能であった。
「──っらぁああぁぁ!!」
全力疾走で空に飛び出した勢いにサジェースタの体を乗せ、符正は全力でサジェースタの体を振り上げる。ぼきぼきぼき、とサジェースタの腕が嫌な音を立ててへし折れていくが符正は構わず雄叫びを上げながらサジェースタの体を空高く打ち上げた。
「──のああぁぁぁあ!!」
激痛と共に体を襲った浮遊感にサジェースタはただ、悲鳴を上げる。
それを見届けて符正の体も勢いを失って地面に落ちていく。
「──無茶を!」
符正の体が地面に落ちる寸前、追いついてきたゴルドルが符正の体を受け止めてそのまま方向転換して張り巡らされている鉄網と平行線に駆けていく。
その頃にはサジェースタの体が鉄網の向こうに落ちていて、ティラノサウルスも鉄網の向こうのサジェースタよりもゴルドルと符正を優先して方向転換していた。
「後でサジェースタ王に怒られるぞ」
「ありがと! いつものことだから大丈夫」
ゴルドルから降り、駆け出した符正はにっこりと笑いながらそう返す。サジェースタをひとりにすることが不安じゃないわけではなかったが、ゴルドルの巨体を打ち上げるよりも確実だと考えての行動であった。ティラノサウルスから逃げるのにサジェースタの体力では長続きしないこともあり、鉄網の向こうに飛ばして内部調査させる要員にサジェースタを選んだのだ。実際、サジェースタがいなくなったことで走る速度の上がったふたりはひとまず鉄網の内部をサジェースタに任せ、自分たちはティラノサウルスをどうにかすることを決めたのであった。
◆◇◆
「あンの馬鹿……!」
符正によって打ち上げられて鉄網の向こうに飛ばされ、肩の脱臼やら腕の複雑骨折やら落下衝撃による頭蓋骨損傷やら全身打撲やら──ひどい有様となってしまったサジェースタは符正への怨み言を零す。
先程までいた鉄網の外側にはもう符正もゴルドルも、ティラノサウルスもいない。サジェースタはため息を吐き、癒えてきた体を軽くほぐしながら立ち上がって鉄網の内部に広がる、明らかな人工物の山に視線を向ける。
「“歪み”について何か分かればいいが……符正がいなくてはおそらく何をしても……」
サジェースタはごきりと脱臼した肩を嵌め込んで考え込むように視線を巡らせ、とりあえず調査をしてから考えようとコンクリートで塗り固められた無機質な建造物の中に入る。
人が使っている形跡は薄く、簡易な机や椅子がある他には無線機らしきものがあるだけだった。壊れているのか、どのボタンを押しても反応しない無線機にサジェースタは肩を竦め、机の上に放り投げて他の建造物の中を探る。すると人の出入りしている形跡が明らかにみられる下り階段があり、サジェースタは足音を立てぬよう慎重に下りていくことにした。
どうやら地表部分にある建造物は飾りで、地下こそが主体であるらしく地下は地表部分に比べると設備がしっかりと整っていた。
「……スタジオ? こっちは……編集室か? テレビ局……?」
丁寧にラミネートされている塩ビ樹脂だと思しき床素材が地表部分の剥き出しになっているコンクリートの建造物とは明らかに違うことから始まり、地下にはいくつもの撮影に用いられるのであろうスタジオやモニタールーム、事務仕事のための部屋にマイクや照明などの機械が大量に置かれている部屋と地表部分とは全く違う世界が広がっていた。
構造的にテレビ局のように思えるそこを歩きながらサジェースタは顎を撫ぜる。人のいる形跡はあれど人の気配はなく、“歪み”も見当たらない。
「ん?」
ふいにどこからか地下ではまず聞かないはずの雨音が聞こえてきた気がしてサジェースタは耳を澄ませ、音の元を探って歩く。大量のモニターやよく分からない機器が並んでいるモニタールームが音の出所のようだった。モニターのひとつに雨の降る熱帯雨林が映し出されていて、自然とサジェースタの視線がそこに向く。
『のあっ!!』
「! 符正!?」
ぐしゃりとぬかるんだ地面に鋭い鉤爪を持った爬虫類の足が踏み込むのと同時に符正の声が聞こえ、サジェースタは驚きの声を上げる。と、次の瞬間には画面が切り替わって雨の中駆けている符正とゴルドルの姿が映った。今まさにティラノサウルスから逃げているふたりの姿をこのモニターは映し出しているのかもしれない。
「符正……ゴルドル君……」
画面の中のふたりは背後から迫りくるティラノサウルスを振り返りながら必死に木々の間を縫っている。サジェースタがいない分早くなったとはいえ、ティラノサウルスの歩幅と速度に敵うはずもなくじわじわと距離を詰められていた。
雨空に雷雲も混じり出したのか、雷の鳴る音がし始めているその画面に符正の顔がアップで映し出される。一体何処から撮影しているのだろうか。
『大人しく食べられなさい!!』
符正が歪んだ笑顔を浮かべてそう言い放ったかと思えば画面が切り替わって符正がゴルドルを蹴飛ばす姿が映し出される。
『うわあっ!!』
ゴルドルが転がり、そこにティラノサウルスの体が映り込んでカメラが遮られる。カメラが壊れたのかぷつり、とそこで映像が切れる。
「な……なんだ、今のは」
──符正がゴルドルを囮にした?
そんな馬鹿な、とサジェースタは眉を顰める。いくら出会って間もないとはいえ──死なない体とはいえ──符正がゴルドルをあんな風に扱うとは思えない。符正であれば自分を囮にする方を選ぶはずだ、とサジェースタは視線を他のモニターに移す。編集途中のようで今の一連の流れがぶつ切りとなってそれぞれのモニターに映し出されている。
中にはテロップや字幕が付け加えられたものもあって、“迫力! 迫りくる絶望に追い込まれた人間の非道さ”などと好き勝手言われていた。
「なんだこれは……」
不愉快な気分になりながらサジェースタはモニタールームを後にし、他に何か情報を得られるところないしは他の場所へ通じる道がないか探した。
その道中で会議室らしき部屋を通りかかり、サジェースタは足を止める。
──コンカイノテーマハニンゲンノオソロシサ
──ソレニソッテヘンシュウスルヨウニ
──カナシイオンガクヲノセテヨリヒゲキテキニ
──コノヨウニツクッテイキマショウ
プロデュースや技術者たちだろうか。何人もの人間が頭を突き合わせて番組の内容を話しているようだ。ホワイトボードには符正とゴルドルの写真が貼られており、“男を足蹴にしてでも生き残ろうとする女のイメージで”と横に殴り書きされている。
「──なるほどな」
“歪み”の内容が見えてきてサジェースタはため息を吐き、会議室から視線を逸らして再び地下の中を探索する。それからしばらくしてサジェースタが下りてきた階段とは違う、細く古びた上り階段を見つけて迷うことなくそこを駆け上った。ほどなくして雨の音と一緒にねっとりとした湿気が体を撫でてきて外が近いことを知り、焦燥感そのままに扉を勢いよく開け放つ。
「ここは──」
サジェースタが符正に投げられて入った場所とは随分離れたところに出たようだ。トタン製の頼りない小屋の窓からは鉄網も鉄塔も見えなく、雨の降る熱帯雨林が少し離れたところに見えるだけの開けた場所だ。ティラノサウルスに襲われればひとたまりもないだろうが、符正とゴルドルが心配だとサジェースタは唇を引き締める。
「サジェ様~!!」
「サジェースタ王! ご無事で」
「!」
ふたりの無事を心配した矢先に気の抜けるような朗らかな声がしてサジェースタは目を丸くしてトタン小屋の入り口に視線を向け──目を点にした。
まず目に入ったのは、ゴルドルのボンバーヘッドであった。実験に失敗した科学者の頭のような爆発頭である。ゴルドル自身の服も顔も黒く焦げていたが、本人は笑顔でサジェースタの無事を喜んでいるため──非常にシュールであった。
次に目に入ったのはボンバーヘッドゴルドルの肩車に乗っている符正の千切れた足であった。膝の先から引き千切れていて、じわじわと再生しているとはいえなかなかにグロテスクな有様となっている。
「な──何があった……いや、それよりも地下に行こう」
小屋としての体を成さず盛大に雨漏りしまくっているここで話すよりも先に安全な地下に行くべきだと判断したサジェースタがゴルドルから符正を受け取り、先導して地下へ赴いた。
「テレビ局?」
「ああ。“歪み”も見つけた」
「ふむ」
足のない符正を横炊きにし、ボンバーヘッドゴルドルを引き攣れてサジェースタはモニタールームへと向かう。道中通りすがった会議室には誰もいなく、けれどモニタールームに戻れば会議室にいた者たちがそこで編集を行っているところであった。
「──おや。これはこれは……」
「わあ、わたしってば極悪」
モニターに映し出された、符正がゴルドルを囮にして生き残ろうとする一連の流れを見てふたりはそれぞれそう零した。ゴルドルはこの映像が何であるのか理解したようで口を吊り上げてモニタールームの中にいる者たちを眺めているが、符正の方は何も考えていないのか自分の悪女ぶりに拍手しているだけだった。
「それで──何があったのだ?」
「そうですね……とりあえず符正のあの“大人しく食べられなさい”はティラノサウルスに対する言葉ですね。丸焼きにして食べたいと言っていました」
「だろうと思った」
「あと……符正が私を蹴った場面。あれは符正が私を庇ってくれた時のものですね。そのせいで符正の足が食べられてしまったのですが」
「だろうと思った」
はあ、とため息を吐いてサジェースタはちらりとゴルドルのボンバーヘッドを見上げる。ちりちりと焦げてしまった毛は少しずつ元に戻っているのだが、そこがまたシュールである。
「……それは何があったのだ?」
「符正を咥えて振り回していたティラノサウルスを止めるために頭に飛び乗って目を潰そうとしたのですがね……指輪でしょうかね。雷が私に落ちまして」
「あれはすごかったね~。ゴルの骨見えてたもんね~」
──どうやらゴルドルの指輪に落雷し、ティラノサウルスはゴルドルもろとも感電して倒れてしまったらしい。その結果がこのボンバーヘッドというわけのようだ。何処のギャグ漫画だ、とサジェースタは思わず呆れてしまった。
「まあ……ふたりとも無事で何よりだ」
「サジェ様も何事もないようでよかったです」
「ああ、ここを浄化したあとお前には色々と礼をせねばな。そう、礼をな──」
「……、…………顔、怖いですよ?」
にっこりと壮絶な笑顔を浮かべているサジェースタに符正は思わず頬を引き攣らせ、ゴルドルに救いの視線を向ける。だがゴルドルはにっこりと笑って符正を無視した。
「ゴルドル君ではなく私を見ろ」
「うひぃ。いや、あれはまあ、些か乱暴でしたけどサジェ様を確実に鉄塔のところに行かせるためにですね」
「分かっとるわそんなこと。そこは別に責めとらん」
「え? じゃあ何で……」
ぽん、とそこでゴルドルの手が符正の頭に乗せられて言葉が途切れる。
「大人しくサジェースタ王に従っておくことだ。ああするのがベストだったとはいえ、お前は男心というものを少し理解するべきだね」
自分ではない男をパートナーに選ばれることの屈辱は、意外と大きい。
そう内心思いながらゴルドルはくすりと笑う。その笑みにサジェースタはバツが悪そうに鼻を鳴らし、視線を符正からモニタールームの中にいる人間たちに移した。
「符正。彼らを見ろ」
「ん?」
サジェースタに言われて符正は視線をモニターの前で作業している人間たちに向ける。
──コメンテーターニヒハンサセヨウ
──ニンゲンノオロカサヲヨリキョウチョウシテ
──コノオンナノモットエグイカオハナイカ
──タスケアイセイシンニツイテカタルニュースニ
ニュースに使う映像の編集をしているらしい彼らは己らが事実を捏造していることに一切罪悪感を持っていないようで、それどころか逆に誇らしさのようなものも垣間見える。
「偏向報道。捏造。歪曲。まあよく聞きますね~。マスコミのこういう問題」
ティラノサウルスを丸焼きにして食べたがった符正。
ゴルドルを蹴飛ばして代わりに足を喰われた符正。
符正を助けるためにティラノサウルスに飛び付いたゴルドル。
思わぬ落雷でボンバーヘッドになりながらもティラノサウルスを倒したゴルドル。
それらの“事実”を全て無視し──自分たちの作りたいものに合わせたニュースしか作らない彼らという“歪み”。
「“独善”──独り善がり、ってやつですねぇ」
自分たちの主張。主義。
自分たちの正論。正義。
それらに沿ったものしか認めない。作りたくない。
そんな独善的なマスメディアは現代社会における問題のひとつとしてよく取り上げられている。
「私もマスコミの操作はよくしていたから分かるがな……彼らに報道倫理というものはないさ。所詮、彼らとて雇われたサラリーマンに過ぎない。上の意向、スポンサーの意向には逆らえない」
ユートピアカジノリゾートにおける闇を報道させぬようマスコミを脅迫することも多かったというゴルドルは嘲るように口を吊り上げた。
「歴史を作るのは自分たちである──そんな驕りが彼らをこういう風にしたのだろうね」
ペンは剣よりも強し。
そのことわざが意味する通り、長い歴史の中で新聞やテレビ、ラジオといった情報を民衆に提供する媒体はいとも容易く民衆を動かしてしまえた。かつてアメリカとスペインの間で起きた戦争もマスメディアによる過激な報道が民衆を扇動したところがある。日本においてもマスメディアによる歴史捏造が近年よく話題に上っている。
「……こういう風にちゃんとしてないマスコミはさ、さっさと潰しちゃうのがいいと思うんだけどね」
報道する自由だの報道しない自由だの、権利ばかり主張して義務を怠って独善的な活動しかしないマスコミなんて否定するよ。
光を宿さぬ濡羽色の目をサジェースタに向けながら冷徹な声でそう言ってきた符正にサジェースタはああ、と頷く。
「それは否定して構わん。いや──否定すべきだ、と言うべきか」
「そもそも今の時代、そういう流れになってきておりますけれどね。インターネットの発展とSNSの流行でマスメディアの垢がぼろぼろに剥がれてきている。──私もSNSの動向には気を付けていたものだ」
「マスメディアは大衆を動かし得る。そして大衆もまた、マスメディアを動かし得るのだ。そうして何事も修正を図って正常化させていくものだ」
サジェースタの言葉に符正は少し考え込むように視線を揺らしてからそうですね、と首肯した。足が再生しきったことを伝えてサジェースタから降り、黒タイツも靴もちゃんと再生していることを確認して数回跳ねる。
「よし、元に戻りました。わたしを持っててくれてありがとうございますサジェ様」
符正はにこりと笑ってそう言い、かつりかつりと革靴を鳴らしながら編集している人間たちの元へ向かう。サジェースタはそんな符正を見守ってそこから動くことなく佇み、ゴルドルもサジェースタの静観の姿勢に倣って口をつぐむ。
──そして轟音が、轟いた。
「機械ぶっ壊せば報道もクソもないですよね~」
モニターの液晶ごと機械を拳でぶち抜いた符正は静かな声でそう言う。
「ニコラがいたらちょいちょいいじくって電波を止めたりとかできちゃうんでしょうけど……ここにはわたしたちしかいませんし、とりあえず機械ぶっ壊しちゃえ」
「ニコラウス・デスピアはそんなことができるのか?」
「ええ。二コラはマフィアですけれど同時にプログラマーでもあるんですよ。ハッキングなんてお手の物、コンピューターウイルスは心の友って感じで」
「IT業界にもデスピアファミリーの手は深く及んでいるのですよ。私もユートピアカジノリゾートのセキュリティシステム構築にあたってデスピアファミリーのバックアップを受けました」
「そうなのか……ますますニコラウス・デスピアがどんな人間なのか混乱してきたぞ……」
インテリヤクザというやつなのか、とサジェースタが頭を押さえている中符正は報道する自由の侵害だと怒声を上げる人間たちを横目にひたすらモニタールームの機械を破壊し続ける。
「しかし……サジェースタ王。マスメディアの“独善”が“歪み”だというのならばあのティラノサウルスは何だったのでしょうか」
「ああ……“作られた歴史”の権化といったところじゃあないか? 今のマスコミにとって報道制作とは映画製作のようなものだという揶揄かもしれん」
「なるほど──……ん?」
「終わったか」
会話の途中で空気が脈打ったことに気付き、サジェースタはこの世界が浄化されることを察して軽く身構える。その様子を見てゴルドルも自分の世界で起きたことを思い出して目を閉じた。──符正だけは気付いていないようで未だ破壊活動に勤しんでいる、
そして世界は、浄化された。
壊れたモニターから溢れ出る白くまばゆい光と共に。
「のぅわー!!」
目がァー!!
と、いう符正の叫びをBGMにして。
【独善】




