第十歩 岩蜥蜴の肉料理 防御UPを添えて
トカゲの肉は調べてみると、味や食感については色々書かれていてよく分からなかったのでほぼご都合主義になってしまいましたね・・・(´・ω・`)
魔装コンロを取り出して火をつけ、フライパンを置いて熱する。その間にトカゲの肉を見てみる。脂身は全然無く、さっぱりとしていそうである。触ると弾力があって筋肉質だと解った。成る程、岩の外皮で損傷を防いで弾力ある肉質で衝撃を和らげるのか、現実のトカゲもこんな感じなのだろうか。少々気になる。油をフライパンに入れ、肉を一枚焼く。肉汁が染み出てくる。意外と獣臭くない、むしろ旨そうな匂いがプンプンしてくる。
「わぁ・・・ランドカウの肉よりも良いものじゃないですか?これ」
「まぁ、食ってみてからじゃの。おっと念のために」
呪符二枚に移動低下を付加して前と後ろの道の天井に貼る。
「モンスター対策ですね。ならこれを使いましょう!」
アーネがバックからあるものを取り出す。それは青っぽい色をした・・・
「チョーク?」
「これは「退魔灰筆」と言います。これで円を描くと、そのなかはモンスターに認識されなくなります。原料は石灰なので環境にも優しいです」
「そ、そうかの。で、申し訳ないのだか」
「はい?」
「初心者用MPポーション・・・頂けるかの?」
既にMPは空になりそうです。色々やろうとすると本当に燃費が悪い・・・戦い方をもう少し考えた方がいいかも。というかそんな便利な物があったのね。
「はい、どうぞ。あと円も私が描きますね」
「うむ、すまぬな」
さて、肉に塩コショウを適度に振ってと、味見用のステーキ完成と。さて、未知の食材だが・・・ナイフを入れると思っていた以上にスッと入った。少なくとも固くはなってないようだ。どれ・・・ほお!旨い!どの肉に近いかと考えたら食感は鶏肉に似ている。味も、鶏肉?に近いかも。まぁ、味はその辺の鶏肉よりも肉の味がしっかりしている。肉汁も噛み締めると染み出てくる。ならば少々勿体無いが、あれでいってみよう。
「すいません。私にも下さい」
忘れてた。一切れしか食べてないが全部あげることにしよう。あれもいいが、やはり色々ためしてみよう。
「むぐ・・・美味しい!へぇ・・・こんな味なんだ・・・」
「現実のトカゲとは味違うかもしれぬから、現実でテキトーなトカゲ捕まえて喰うでないぞ?」
後ろでアーネが何か騒いでいるが気にしなーい気にしなーい。さて先ずはボウルに醤油、生姜のすりおろしたものを入れてかき混ぜる。そして一口大に切った肉をタレに浸けておく。で、浸けている間にもう一つ。肉を小さめに切った物を包丁の刃で叩くようにして細かくしていく。そう、ミンチの作成である。ある程度細かくなったら包丁のみねで叩いたり、すりつぶしたりして粘り気が少し出たらミンチの完成である。この世界、ミンサーとかそういうの無さそうだからね。
「手際がいいですね。現実でも?」
「独り暮らしじゃからな。ある程度は出来んとなぁ」
「シオンさんのある程度はハードル高いですね・・・」
失礼な、こんくらい普通でしょ。塩コショウをくわえてミンチを円盤状に作っていく。はい、これはハンバーグです。フライパンに残っていた油を拭き取り、新しい油を引く。パン粉とか、玉ねぎとか入れたかったのだが、持っていないので仕方ないね。ハンバーグを丁寧に両面焼いていく。焼けたら少し水を入れて鍋の蓋で蓋をして蒸し焼きにしていく。ジュウジュウとなる音と蓋の隙間からこぼれでた匂いは俺らの食欲を掻き立てた。
「むぐうぅぅ・・・!何でこんないい匂いさせてるんですか!これはあれですか!?噂に聞く飯テロというものですか!?」
「ちがわい!!もう少しじゃから待つんじゃ。焦がしたくないでな」
蓋を取り、皿にハンバーグを移す。ここではソースが作れないので醤油を少しだけ垂らして完成である。
岩蜥蜴のハンバーグ ランク5:岩蜥蜴の肉のハンバーグ。肉のみだか、それでも並のハンバーグよりも一枚上手である。
「ほうれ、出来たぞ。味付けは簡素なのは許してほしいの」
「うわぁ・・・ダンジョン内で出来立てのご飯が食べれるなんて・・・」
よっしゃ、実食じゃ。箸で千切れる柔らかさ、中は・・・火がしっかり通っているようだな。肉のみハンバーグだが思いの外肉汁が流れ出て旨そうだ。
「うはぁ!我慢できん!」
一口サイズに切ったハンバーグを口に入れる。噛むと肉汁が溢れて口の中を満たす。味付けが醤油だけだが、その味が肉自体の味を引き立てる。まるで高級なハンバーグを食っているみたいだ。肉汁が出ている、といってもこの肉には余分な脂身がついていないのでしつこくない。ふっふっふっ、さっき漬け込んだ肉の調理は戻ってからだがとても楽しみだ。
「おいひいでふ!!」
「食べながら喋るでない。行儀悪いぞ?」
「ごくん・・・はい・・・でも本当に美味しいです。ランドカウよりも上品に肉肉しいです」
成る程、わからん。いやー旨いわー・・・ん?
システム:料理ツリー が成長しました。スキル「能力上昇付与(極小)」を修得しました。
え、何これ。能力上昇付与(極小)?料理ツリーの物だから・・・料理すれば分かるのかな。まだ腹にははいるな。ならば試しに。
俺はフライパンに余っていた肉を焼いて丁寧に塩コショウ、醤油で味付けする。
「え?まだ食べるのですか?」
「料理ツリーが成長して新しいスキルを手にいれたからの。物は試しじゃ」
岩蜥蜴のステーキ ランク5:シンプルな醤油風味のステーキ。一時間防御力1%上昇。
あれ、能力上昇効果なんてついていたっけ?・・・あぁ、これがスキルの効果か。食うだけで長い時間ほんの少しだけだけど能力が上がるのは嬉しいな。・・・満腹になってなければな。
「これを見てみよ」
「これってさっき食べたステーキ・・・あれ?防御力上昇がついてる・・・これが修得したスキルの効果ですか?」
「うむ、研究すれば狙った効果を発動させることが出来るかも知れんのぅ。料理研究もこれからのたのしみじゃなぁ。ふっふっふっ」
ステーキを頬張って飲み込み、ステータスを確認すると。
ステータス:防御力上昇1%(59m)
しっかり強化されているな。括弧の中は恐らく効果だろうか。
「さて、もう少ししたらボスのもとへ行くとしようかの」
「そう言えば、まだボスでは無いのですよねぇ・・・あ、ステーキ下さい」
この先のボスへと挑むために、俺達は防御力バフステーキとポーション二種を美味しく頂いて先に進むことにした。
「無事に戻って唐揚げじゃな・・・折角漬け込んでおいたからのぅ」
酒かご飯も用意せねば・・・そう、戻った後の楽しみに思いを馳せながら。




