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英雄に憧れた少女の終焉①
物語の世界に登場するヒロインに、強い憧れを抱いていた。
世論にも他人にも影響されず、待ち受ける運命に果敢と立ち向かう意志の強さ。
健気な心で主人公を支え、読者にも安らぎと至福を与える、絶対的な包容力。
それらを実感して学ぶ為、漫画、小説、アニメ……あらゆるメディアをひっくり返して、ありもしない妄想に駆られていたこともあったものだ。
「私もいつか、スゴいヒロインになってみたいなぁ……まぁ、出来るわけないけどね、あはは」
そんなことを呟いていたあの頃が懐かしい。
ベッドに横たわって漫画を片手に、可愛くて、美しくて、どこまでもカッコイイヒロイン達に想いを寄せ、子供染みた願いを口にするのが癖になっていた。
私も未知の存在と戦ってみたい。
誰かの為に、誰かを守る為に、自分を懸けてみたい。
一度だけでも、そんな強いヒロインになってみたい。
今思えば、そう考えていられる時間こそが、何よりも平和だったのかもしれない。
しかし。
そんな平和な日常は無情にも────終わりを迎えた。




