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逆転楽土の眷縁主義者  作者: 椋之 樹
Miyu Edit 《序》
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22/22

英雄に憧れた少女の終焉①


 物語の世界に登場するヒロインに、強い憧れを抱いていた。

 世論にも他人にも影響されず、待ち受ける運命に果敢と立ち向かう意志の強さ。

 健気な心で主人公を支え、読者にも安らぎと至福を与える、絶対的な包容力。

 それらを実感して学ぶ為、漫画、小説、アニメ……あらゆるメディアをひっくり返して、ありもしない妄想に駆られていたこともあったものだ。

「私もいつか、スゴいヒロインになってみたいなぁ……まぁ、出来るわけないけどね、あはは」

 そんなことを呟いていたあの頃が懐かしい。

 ベッドに横たわって漫画を片手に、可愛くて、美しくて、どこまでもカッコイイヒロイン達に想いを寄せ、子供染みた願いを口にするのが癖になっていた。

 私も未知の存在と戦ってみたい。

 誰かの為に、誰かを守る為に、自分を懸けてみたい。

 一度だけでも、そんな強いヒロインになってみたい。

 今思えば、そう考えていられる時間こそが、何よりも平和だったのかもしれない。

 しかし。


 そんな平和な日常は無情にも────終わりを迎えた。


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