第2部 第1話 「この声が聞こえるか?」
第1話 この声が聞こえるか?
「よう、あんた。ひさしぶりだな」
「……」
「どうだい? 夢物語から、目が醒めたかい?」
「……」
「相変わらず、動画もSNSもTVも、『無自覚な煽り』のドシャ降り状態だろ?」
「……」
「事件を起こした奴らは、社会の糾弾を浴び、裁判で何を訴えても、哀れにも『自己責任』と切り捨てられている」
「……」
「俺には、『まぁ、どうでもいいこと』だけどな」
「……」
「なぁ、こっちへ来いよ」
「……」
「『這い上がろう』たって、無理な話だろ?」
「……」
「『まぁ、ああなるよりはいいか』なんて、諦めるな」
「……」
「こっちへ来て、面白おかしく、過ごそうぜ」
「……」
「リスクを取る必要はないんだ」
「……」
「やめたきゃ、いつやめたって構わない」
「……」
「いくら努力したって、報われないぜ」
「……」
「『夢は叶う』なんて、叶えられた奴の言う『勝利宣言』なんだ」
「……」
「『できるものなら、ここまで来てみろ』という傲慢な言い草なんだ」
「……」
「普通に考えて、分かるだろ?」
「たった一、二回しかないインタハイで優勝できる機会、『夢をみた』全員が、それを叶えられるのか?」
「……」
「『俺たちはチームだ』。それって、お前ひとりをイジめる、集団の奴らの言ってることじゃないのか?」
「……」
「俺らは、そんなことしないぜ」
「……」
「なぁ、こっちの世界で、面白おかしく暮らそうぜ」
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