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異世界転生救済課─「お前を、この異世界から排除《ドレイン》する……」【フォーニーファミーリア】  作者: ねず ただひま
朝憲紊乱の章

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01. 悪役令嬢(中身は四十五歳、独身)に会いにいこう!

朝憲紊乱ちょうけんびんらん


意:国が乱れることや、組織の在り方が変わること。



 ────魔法、スキル、チート、ハーレム、魔王討伐、スローライフ、経営、ダンジョン攻略etc ……


 2046年……この極東の国では、望めばどんな世界でも手に入る夢のようなアプリが存在する。

 

 このアプリの入手方法は誰も知らない。なぜなら、生きることに疲れてしまった人、絶望してしまった人のパソコンやスマホに、いつの間にかインストールされているから。

 そして、使用してしまうと、その時の記憶とアプリは消えてしまう。


 噂では何者かが、国の人口を減らして国力を削ぐ為にこのアプリを広めているのだとか……


 それを阻止するための政府公認の非公表組織、


 それが……

 

 内閣府裏デジタル庁異世界転生救済課!




千代草ちよぐさ


 

 異世界の青空は、現実の世界と同じで白い雲たちがふわふわと浮かんでいる。柔らかいポカポカの陽射しが心地よい。


 のんびりとしたこの感じ……


 私は今まで色んな異世界を見てきたから、なんとなく分かる。

 この異世界を創造した転生者はきっと、心の優しい人なのだろう……と。


「今回は平和だなぁ……」


 思わず口にしていた。隣にいるバディの芙蓉ふようが同調してくれる。


「分かるぅ〜、と言いたいところだけど……前回も最初はすご〜く平和だったのに、途中でウチら、古代遺跡に迷い込んだ挙げ句、なぜか恐竜に追い回されてトロッコに乗って逃げたよね〜」


「そうそう、その前は、賑やかな室町時代かと思いきや、炎に包まれた本能寺の中で、織田信長になりすました転生者を助けたよね」


「あったあった。焼け死にそうなのに、扇子持って一人で踊ってたオジサン。人間五十年〜♪ とか歌いはじめてチョーウケたよね。早く逃げなきゃ焼け死ぬっつーの!」


「あはは、あの人かなり自分に酔ってたよね。さて今回は、四十五歳なのに、若い悪役令嬢に転生した欲張りさんの救出だよ。かんばろう」


 任務の最中で思い出話に花を咲かせてしまった。


 中世の南欧風を思わせる港町には、たくさんの帆船が停泊していて、市場も賑やかだ。その景色を一望できる丘の上には、大きくて立派なお屋敷がそびえ立っている。


 屋敷のガラス窓の向こうには、数人のメイドたちが慌ただしく行き交う姿が見られた。

 私と芙蓉ふようの女子二人組は、その様子を、庭園の茂みの中からこっそり観察している。


 二人はなぜ異世界にいるのって?

 

 これは私たちの仕事なんです。異世界へ逃げてしまった人を、現実の世界へと連れ戻す大切なお仕事。


 今回私たちが連れ戻す救出対象者ドリーマーの女性にとって、現実の世界は生きづらい世界だったのでしょうか?

 彼女は()()()()でこの異世界を創造し、そして転生したのです。


 それは……


 違法なアプリ『ネペンテス』を使用すること。


 これに自分好みの容姿、登場キャラクター、世界観を入力するだけで、簡単にその世界へ転生できちゃうんです。


 え? 異世界転生した人なんてほっとけばいいじゃん……ですか? 

 まぁ、その考えも理解出来ます。けれど、自分にとって都合が良いだけの甘々な世界はすぐに飽きてしまいますよ。


「千代姉ぇ……千代姉ぇってば!」

 

 おっと、隣の芙蓉ふようが何かに気づいたようです……


 ──「あ、ごめんごめん。ちょっと考えごとしてた」


「あの人が救出対象者ドリーマーじゃないかな? 見た目が若く見えるけど、生体波長がソックリ」


 隠れている私たちの目には、若くて美しい女性が、煌びやかな深い緑色のドレスに身を包み、数人のメイドを引き連れ、優雅に廊下を闊歩している。外見は16歳でも、中身は45歳の女性のはずだ。


 髪型が凄い。長い金髪を編み込んで、頭にぐるりと一周巻きつけて結ってある。あ、手に持った扇子で口元を隠してる……イメージしてた令嬢っぽい。


 目的の女性は一人で部屋に入った。お付きのメイドたちはお腹の前で手を組み、頭を下げてドアを閉じると、部屋の前から姿を消した。


 一人になった今がチャンス。屋敷の人に見つからないよう、慎重に行動しよう。

 私たちはこの時代設定に合わない服を着ている。

私は上下黒のスーツの上に浅葱色あさぎいろのフード付きカーディガンを羽織り、芙蓉ふようは学生制服の姿だ。


「さ、行こっか芙蓉ふようちゃん。悪役令嬢救出作戦、実行」


「オッケー、千代姉ぇ」


 辺りから人の気配が無くなるのを確認すると、私たちは軽くハイタッチを交わした。茂みから抜け出すと、そろりそろりと女性の部屋へと足を運ぶ。


 こんにちは、ねずただひまです。


 この作品と出会っていただき、誠にありがとうございます♪


『異世界転生救済課─「お前をこの異世界から排除する……」』の続編を投稿致しました。


 前作を読まれていなくても楽しんでいただけると思います。


 でもできるなら前作も読んでほしー!(*≧∀≦*)


 読者さんの心に残るような作品にしたいので、これからも頑張って参ります。


 ☆を★にしてくれたらめっちゃ嬉しいです!

 ブクマでもリアクションでも励みになります!(・∀・)



*次回、『キャラクターの運命』


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― 新着の感想 ―
外見は16歳でも、中身は45歳の女性。 なかなかのパワーワードですね。 救出対象者にとっては、夢から覚めない方がいいのかな? あるいは終わらない悪夢に終止符を打って欲しいのかも!
Xの企画から来ました。 「内閣府裏デジタル庁異世界転生救済課」という設定が秀逸で、タイトルからもう面白いです(笑)。異世界に逃げた人を連れ戻す側の視点って新鮮ですね。千代姉と芙蓉の掛け合いも軽快で、本…
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