ようこそ♪ 提供クレジット同好会へ♪
「――というわけなんです……。グスン……」
「ハァ〜ッ!? 何よそれ!! そいつら絶対に許せないんだけど!! プンスカプンスカ!!」
「全くもって朱音ちゃんの言う通りだぞ!! そんなひどいことを言って星崎さんを傷付けるなんて最低すぎる!! プンスカプンスカ!!」
「えぇ、先生も2人に同意見だわ。星崎さんをここまで追い詰める家族やクラスメイトたちなんて人としてどうかしてるわね。プンスカプンスカ!!」
「みっ……、みなさん……☆! そう言ってくださりありがとうございます……♪」
「ハッ……、ハハッ……」
星崎さんが過去の出来事について話すと、3人は星崎さんを傷付けた家族やクラスメイトに対して怒りを強く露わにしたの。
まあ何となく予想通りの答えだったわね……。朱音ちゃんたちと似た境遇だろうなと思っていたから別にそこまでの驚きはないし、流石に4回目ともなるともう慣れてきた自分がいます……。うぅ〜……、こんなことに慣れるなんてもう感覚がマヒしちゃってるんだけど……! しくしく……。
あとそれから、こういうのって朱音ちゃんみたいに怒るのが普通なんだと思う……。実際この手の展開は漫画やアニメとかでも見たことあるし、いずれも趣味を馬鹿にしてボロクソに悪口を言ってた相手に対して怒ってたからそれが正しい感情だということは私も知ってる……。でもごめんなさい……。だけどね……、だけどね……、こればかりは流石に両親やクラスメイトたちの方に同情するわ〜……。いやまさかこっち側に同情する時が来るとは私自身夢にも思わなかったよ〜……。確かにいろんな趣味があるしバカにするのは良くないんだけど、中でも提供クレジットはあまりにも特殊でクレイジーすぎるから理解するのに物凄く難しすぎるんだよね……。いや本当提供クレジットはないよ〜……、マジで……。あはは……。
「そしてそれが影響して……、私は長い間ぼっち生活を余儀なくされることになりそのまま現在に至ってしまったわけなのです……。グスン……」
「ふみふみ……、つまりそれが災いして上手く喋れないようになったわけだね……」
「はい……。谷村さんの言う通り私は上手く喋れなくなってしまいました……」
「そしてそれで盗み聞きして尾行せざるをえなくなったと……」
「はい……。まさに新山さんの仰る通りでございます……」
「「なるほどね〜……」」
「いや、なるほどじゃないでしょ!?」
「そっか……。それは仕方ないわね……」
「いや仕方なくはないでしょ!? ユイちゃん先生も何言っちゃってんの!?」
事情は一応分かったけど……、だからと言ってやっぱり怖すぎることには変わりないわね……。何だか納得が行きません! プンプン! とはいえ……、そうさせてしまうぐらい心が追い詰められていたことにはちょっとばかし同情はするけどね……。それでも両親やクラスメイトたちが正論を言ってると思うけど……。むむむ〜……。
「趣味のことを馬鹿にされ……、ボロクソに言われ慣れすぎた影響で免疫も付いて心がノーダメージになったとはいえ……、ここ城三岡高校に通うまでこの日々がずっと続くと思うとただただ絶望的な気持ちでいました……」
「う~ん……。これはかなりの重症ね……」
私はふとポツリとそんなことを言ったの。同じ境遇にあった朱音ちゃんたちは開き直ってプラスな方向に進んでポジディブになれたわけだけど、星崎さんは逆に開き直れずマイナスな方向に進んでしまいネガティブになってしまったわけね……。こればかりは気持ちを切り替えない限り中々難しい問題だと思う……。そういうのって結局どれも共通ってわけね……。やれやれ……。
「そうだったのね……。今まで凄く辛かったね……! でももう大丈夫だよ……☆!」
ギュッ♪
「えっ……?」
「こんな辛い想いをしててもそれでも大好きを貫き通した星崎さんはとっても立派だよ……☆! 本当に凄いと思う……☆! 今度は私たちと一緒に大好きな趣味を分かち合おうね……☆!」
ギュッ♪
「なっ……!?」
「ずっと1人で寂しかったね……。これまで頑張ったのがとっても伝わったよ……☆! これからは私たちと一緒に楽しい思い出を作っていこうね……☆!」
ギュッ♪
「ちょっ……!?」
「はっ……、はいっ……☆! みなさん改めて本当にありがとうございます……☆! みなさんの温かい言葉にとっても救われます……♪」
「あっ……、あがっ……」
何この茶番……。みんなが星崎さんをハグして温かい言葉をかけて感動的な展開になってるんだけど……、正直私は胸に響かないし1ミリも理解出来ない……。提供クレジットで絆が深まるなんて聞いたことないわよ! ハァ〜……、まあでも辛い日常に光が灯って笑顔を見せるのには共感しちゃうけどね♪ ご都合主義とはいえ、趣味を分かち合える人に出会えたのはかけがえのない財産なんだもん♪ そこが提供クレジットってのはちょっとアレだけど♪ てへっ♪
「あっ……、あのっ……! 山井さんにもハグしてもらえたら私とっても嬉しいな……♪」
「ふみゃっ!?」
「いいねそれ♪ 璃緖ちゃんも星崎さんにハグしよう♪」
「ユイちゃん先生も何ノッちゃってんのよ!?」
「「うん♪ やろうやろう〜♪」」
「朱音ちゃんも萌果ちゃんも悪ノリしないでよ!! もぅ〜! ハァ〜……、全く仕方ないわね……。私も星崎さんにハグするわよ……。これでいいでしょ?」
「「「「てっ……、天使……♪」」」」
「んなワケないでしょ!?」
「はわわ〜……♪ 山井さんはやっぱりメレゼア黒瀬さん的な存在です……♪ キュン……♡」
「いやだから違うからね!? さっきはついうっかり認めちゃったけど!! あとキュンするポイントも何だかズレてるし!!」
ハァ〜……、もうこの人たちと関わるといつものように物凄く疲れるんだけど……。それに星崎さんも入ったことで更にパワーアップしてるから余計にね……。あはは……。とはいえみんなが幸せそうならそれでいっか♪ うんうん、そう思っとこう♪
「そっ……、それでは山井さん……! ぜひハグを……お願いしましゅ……☆! ハッ……! また噛んでしまいました……。みゅみゅみゅ〜……」
((((噛むとやっぱりとっても可愛いわね……♪))))
「え〜、コホン! それじゃ……、ハグをするわね……♪」
「うっ……、うん……♪ ドキドキのワクワクです……♪」
ギュッ♪
「どっ……、どうかな……?」
「ハッ……、ハイッ……☆! そっ……、その……、とても心温かくて何だか凄く癒やされます……♪」
「そっ……、そう……? ならいいけど……」
うぅ〜……、何か猛烈に恥ずかしいけど星崎さんが喜んでいるならいっか……♪
「ニヒヒ〜♪ ツンデレっちゃってる璃緖ちゃん可愛い〜♪」
「なっ!? 別にそんなじゃないから!!」
「百合百合してる璃緖ちゃんがとっても尊い……♪」
「萌果ちゃんも何訳の分かんないこと言っちゃってんの!?」
「ハミャ〜♪ 素敵なカップリングが爆誕して先生とっても幸せ♡。キュンキュン♪」
「ちょっ!? ユイちゃん先生もユイちゃん先生で誤解を招くような発言をしないでよ!! むぅ~!」
「山井さんとなら私は結ばれても大丈夫です……☆! エヘヘ〜♪」
「星崎さんも満更でもないようなこと言わないでよ!! もぅ〜!」
全くこの人たちと来たら……。相変わらずな人たちだけどちょっぴり楽しいと思ってる自分がいます……。まあいつも騒がしくて退屈しない毎日ではあるからね……! フンスッ!
「何がともあれ星崎さんが笑顔になって良かったわ……♪ 先生とっても嬉しい♪」
「「うんうん♪」」
「あっ……、あはは……」
「エヘヘ〜♪ 私が笑顔になれたのは同志に出会えたのもありますが、みなさんが励ましてくれたのが何よりの一番幸せな気持ちです……♪」
「「「ほっ……、星崎さ〜ん……♪」」」
「あっ……、あがっ……。ハイハイ良かったね……」
ま〜た感動的な展開になっているんだけど……。本当懲りない連中ね……。だけど同志に出会えたことに喜びを噛み締めるのは何となく分かるけどね♪
「え〜、コホン☆! それじゃ星崎さん――」
「「「提供クレジット同好会にようこそ☆!」」」
「熱い提供クレジット談議をしていこうぜ……♪ キラ~ン☆!」
「提供クレジットでとことん語り尽くして行くのだ☆!」
「ハイッ……☆! みなさん……、これからもよろしくお願いします……♪ エヘッ♪」
「フゥ〜……。また更に賑やかになるわね……♪」
こうして星崎さんの入部が無事に決まり、提供クレジット同好会にまた1人部員もとい同好会員が増えたの♪ 今日ばかりは何だかちょっとエモいって思ったわね♪
――再びの星崎紗南視点――
うっ……、うっ……。勇気を出して本当に良かったです……♪ 私にもようやく幸せの扉が開かれました……♪ 谷村さんたちと提供クレジットを語り合うのとっても楽しみです……☆! エヘッ♪




