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一縷の光

――そして、迎えた高校の入学式――


「みんな、高校入学おめでとう♪ 今日からあなたたちも立派な高校生です☆! その肩書きに恥じないような学校生活を送ってくださいね♪」


「「「は~い☆!」」」


 ゴクリ……。はわわ~……、本当に高校生になっちゃいました……!


 私・星崎紗南はあれから身支度を済ませて家族と一緒に学校へ行き、現在教室の中にいます……。当たり前のことではありますが、いざ本当に高校生になったかと思うとより緊張感が高まってしまうものですね……。ドキドキ……。


「では次に、今から先生のことを自己紹介するね♪ 先生の名前は戸村結衣って言います♪ ここ1年6組の担任を務めることになりました♪ みんなと仲良くなれるように全力で頑張ろうと思います♪ よろしくね♪ ニコッ♪」


「「「……☆!」」」


 トゥンク♡。


「キャ〜☆! 戸村先生とっても可愛すぎる〜☆!」

「私、戸村先生と仲良くなりたいな♪」

「俺チョ〜タイプかも」


 戸村先生の可愛すぎる自己紹介に、みんながとても虜になっていました♪ でもその気持ち凄く分かります☆! 私も戸村先生を見てとても素敵そうな人だなと感じたぐらいなので♪ エヘヘ〜♪


「それじゃ今度はみんなの自己紹介もぜひ聞いてみたいな♪ 先生すっごく楽しみにしています♪ ワクワク♪」


 自己紹介か……。うぅ〜……、上手く出来るか不安です……。


 ちなみに自己紹介する順番はと言うと、出席番号の最後の人から数字を減らす順にやることが決まりました。そうなった理由は単純に、最初の人と最後の人がジャンケンをし最後の人の方が勝ったからです♪


「私の名前は山井璃緒って言います♪ 趣味はゲームや読書をしたりすることです♪ よろしくお願いします♪」


「山井さん、ありがとう♪ これからもよろしくね♪」


 そして何人かの自己紹介が既に始まっていき、私の出番は案外すぐにやって来たのです。といっても出席番号の後ろから始める以上、頭文字が『ほ』である私の出番は自動的に早くなっちゃいますね♪ テヘッ♪


「では次の人どうぞ♪」


「はっ、はいっ! えっと、私の名前は星崎紗南って言います……! 趣味はその……、お菓子作りや裁縫になります♪ よっ、よろしくお願いします☆!」


「星崎さん、ありがとう♪ これからもよろしくね♪」


 無事に私の自己紹介が終わり、何だかとても安堵した気分です♪ とりあえず今日の最大のミッションはひとまずクリアですね♪


 だけどこの自己紹介……、実は真っ赤な嘘で入学式用に私が考えて作ったものなのです……! どうしてそんなことをしたのかと言うと、両親から提供クレジットのことを絶対に言わないようにと釘を刺されていたからなの……。両親はこの趣味をあまり良く思ってないですからね……。といってもこれに関しては両親に限らずほとんどの人がそういう感じだけど……。あはは……。本当の気持ちを押し殺してまで学園生活を過ごさないといけないなんてやっぱりとても辛すぎます……。しくしく……、ぐすん……。


「では次の人どうぞ♪」


「はいっ♪ 私の名前は新山萌果と言います♪ 趣味は料理と絵を描くことだぞ♪ どうか何卒よろしくお願いします♪」


「新山さん、ありがとう♪ これからもよろしくね♪」


 その後も自己紹介は淡々と順調に進んでいき、中盤へと差し掛かったころ、多分私の人生のターニングポイントを挙げるとしたら間違いなくここと言えるぐらい運命の出来事が待っていたのです……!


「では次の人どうぞ♪」


「ハイッ☆!」


 ダンッ!


「「「……!」」」


「はわわ~……」


 あの子……、何だか凄くやる気に満ち溢れているような気がしますです……!


「私の名前は谷村朱音と言います♪ そんな私の趣味は……、ズバリ提供クレジットを見ることです☆! ドヤッ☆! ナ〜ハッハッ☆!」


「……!?」


 ビシャ〜ンッ……!


「「「はっ……?」」」


 ビュオオ〜ンッ……!


「おみゃっ……!?」


 ズドドドド〜ンッ……!


「にゃにゃにゃ〜っ!? なっ……、えっ……?」


 ズキュ〜ンッ☆!


 嘘……、私以外にもまさか提供クレジットを好きな人がいるだなんて何だかとてもびっくりです……! でもそれと同時にすっごく嬉しい気持ちもあったりします☆! キュンキュンのワクワクです♪


「えっ……、え〜っと〜……、谷村さんだったかな……? 念のため確認するけど、それって冗談じゃないよね……?」


 おぉ〜♪ 先程までクラスのみんなの自己紹介を聞いたらすぐに挨拶をしていた戸村先生が、谷村さんの自己紹介を聞いたときだけすぐには挨拶をせず質問をしてきたです♪ そりゃ普段聞き慣れないワードを聞いたら気になってしまうのはある意味自然の流れだよね♪


「もちろん冗談なんかじゃないです☆! 私の提供クレジットへの愛は本物中の本物です☆! 例えば以前放送されていた『クイズ! オールジャンル制覇を目指して!』はスポンサーが変わりまくる中、ヒグラシパンとオカピドだけはずっと使われ続けているぐらいに不動の地位を確立し、その素晴らしいコンビネーションは美しいハーモニーを奏でており、それはまさにアルティメットなスペシャル提供クレジットそのものでした☆! もうきゅんのきゅんです♪」


「キュッ……♡♪」


 ポッ……♪


「「「あっ……、あがっ……」」」


 ビュオ〜ンッ!


「ホワァ〜……♪」


 キュン……♡。


「うるうる〜……♪」


 キラキラ〜ン☆!


 うんうん♪ それめっちゃ分かります☆! あの番組の筆頭スポンサーであるヒグラシパンとオカピドはもうまさにラブラブ夫婦と言ってもいいぐらい鉄壁の2枚看板ですもんね♪ キャ〜ッ☆! もうエモすぎます☆! そのことを知っているなんて、どうやら谷村さんの提供クレジットへの愛はまさにガチであることとお見受けします♪ 同じ趣味を持つ者に出会えて本当に良かった……☆! バンザイなのです☆!


「「「っ……」」」


 カチン、コチン!


 ただその一方で、クラスのみんなはそれを聞いてさっきからずっと吹雪が吹き荒れて凍り付いたぐらい終始ポカ~ンとしていますね。まあ当然っちゃ当然の反応ですけどね♪ 私も大体こんな感じだったので、これにはもう慣れっこなのです♪


「今のを聞くと、どうやらその愛は間違いなく本物みたいね♪ ふ〜ん、そっかそっか♪ ねぇ、谷村さん。ちなみになんだけど、提供クレジットについて他にも気になることがあったりする?」


 何とここで戸村先生が再び谷村さんに質問してきたです☆! 更に嬉しいサプライズ☆! 私もとても気になってたので、戸村先生本当にありがとうございます☆! やった♪


「イエス♪ ありのありまくりです♪ ニヒヒ〜♪ 例えばそうですね♪ 最近どこの放送局もほとんどが白い絨毯を作ってカラー表示になっていることですかね♪ それから一部の放送局を除いて、スポンサーを1つの枠に4社以上表示するとき、縦1列から横2列に変わったこともすっごく気になりました♪ イェイッ♪」


「んにゃっ……!?」


 パスンッ☆!


「「「ハッ……、ハハッ……」」」


 ヒュウウ〜ン……。


「ぎゅむっ……♪」


 ポカポカ♪


「きゅるん♪」


 ホクホク♪


 やっぱりそこに気付いてしまいますよね♪ わ~い一緒だ一緒だ〜♪ ウフフ♪


「なるほどなるほど♪ 少しの変化に気付けるなんて、提供クレジットをちゃんと見ているのが伝わりますね♪ 谷村さん、ありがとうございます♪ これからもよろしくね♪ ニヒッ♪」


「はいっ☆! こちらこそよろしくお願いします♪ ニヒッ♪」


 どうやら谷村さんの自己紹介はこれで終了みたいです。でも聞いててすっごく楽しかった♪ まだまだ聞いてみたかったので、終わってしまったのがとっても寂しいです……。ショボン……。


 そういえば、戸村先生が最後にチラッと笑顔を見せていたような気がしますが気の所為だったのでしょうか? ちょっぴり気になるけど、今はそれを考えても仕方ないですね♪ テヘッ♪


 そして自己紹介は無事に最後まで行われ、入学式はこうして幕を閉じたわけだけど、私にとって今日この日はとてつもなく衝撃的で胸が高鳴る凄く幸せな1日となりました♪ 例えるなら暗く絶望しかない世界に一縷の光が差した感じですかね♪ エヘッ♪


 谷村さん、提供クレジットを熱く語ってとっても凄かったな♪ 正直自己紹介で一番印象に残った人はって聞かれたら間違いなく谷村さんと答えちゃうぐらいです☆!


「谷村さんといつかお話してみたいな……♪ フフッ♪」


 入学式が終わってポツリとそんな言葉を零した私。谷村さんと絶対お友達になって、提供クレジットで熱く語り合いながら盛り上がっていくんだから〜☆! ズバリそれがついさっき出来たばかりの私の目標です☆! エッヘン☆!

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