大麻は本当に有用か?(認知症への効果)
大麻の医学的な有効性や有用性について検証してきましたが、『ちょろっとした実験データ』や『不十分なエビデンス』から有用性を主張していたり、どう見ても過剰に声高に効果を叫びすぎていたり、なんか傾向がわかってきました。ワンパターンで調べる気も失せるような状況ではありますが、自分が知らないだけかもしれません。我慢して検証をしてみましょう。
今回は、大麻の認知症への効果についてです。
これについてはイギリスのアルツハイマー学会がホームページ上に情報を掲載していたので、それをみていきましょう。
イギリス アルツハイマー学会
大麻と認知症
https://www.alzheimers.org.uk/about-dementia/treatments/alternative-therapies/cannabis-and-dementia
◆◆◆ 以下引用、抜粋
大麻と認知症
大麻の摂取がいくつかの行動症状の管理に役立つといういくつかの研究がある。しかし、大麻がこの疾病の予防に役立つという証拠はない。この一年に渡って沢山の新聞の記事が大麻や大麻に含まれるTHCやCBDといったカンナビノイドが認知症、特にアルツハイマー病の治療や予防
に役立つという報道がなされている。
いくつかの実験室レベル(動物実験や培養細胞での実験)では大麻成分がアルツハイマー病のいくつかの指標に効果があることが示唆している。しかし、大麻が人々において、アルツハイマー病の背景となる原因からの助けになるかはエビデンスは存在しない。むしろ、ヘビーまたは長期的な大麻使用は記憶や思考へ問題を起こすエビデンスがある。
大麻とカンナビノイドは、激越または攻撃性のような認知症の症状の管理に役立つことがいくつかの研究で見出されている。しかし、本当に効果的な方法なのかどうかを知るためには、より多くの研究が必要である。
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ま、大麻の有効性によくあるパターンですね。
続きを読みましょう。
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大麻は脳にどんな影響があるの?
大麻はエンドカンナビノイドシステムとして知られる脳のシステムを標的としています。そのシステムは、CB1とCB2と呼ばれる受容体を含んでいます。CB1受容体は記憶や学習の中心である海馬に含まれていることがわかっている。CB2受容体はミクログリアと呼ばれる特殊な免疫細胞で主に見つかっている。
エンドカンナビノイドシステムは、記憶や食欲の調節、ストレスの応答に関与している。脳は自然にエンドカンナビノイドを作り出し、これらの受容体へ影響する。大麻が含有しているTHCは、ほとんどはCB1受容体に結合し、活性化させる。それは薬物使用が関係する様々な症状を引き起こす。しかしら他の大麻に含まれるCBDはCB1とCB2受容体に結合することができ、それらの活性を低下させるまたは活性化が起こらないようにすると考えられる。
その一方で、大麻の使用は短期間でのしばしば望ましいと思われている副作用と関連していたり、大麻(特に高量のTHCを含むもの)の長期使用は、精神病に関連した症状に関連している。大麻が認知機能低下に関連しているかどうかを支持するエビデンスは論争があるが、ヘビー大麻ユーザーは高リスクと考えられている。
なぜ大麻は認知症に関与しているの?
CB1受容体を含む海馬は脆弱で、それがアルツハイマー病の原因の原因の背景となることがしられており、海馬のダメージはアルツハイマー病に関連した記憶や学習の問題に影響している。CB2受容体を含むミクログリアもまた、アルツハイマー学会の進行に重大な役割を果たしているとのエビデンスが構築されつつある。更に、いくつかの研究ではアルツハイマー病患者において、CB2受容体の数が増加しているとのいくつかの研究がある。
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なるほどね。そのような仕組みと考えられてるのはわかった。それで結局効くんかいな?
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大麻ら認知症を予防したり治したりできるの?
アルツハイマー病の治療のための可能性のあるターゲットとしてエコカンナビノイドシステムの役割について興味深いいくつかの研究がある。いくつかの研究では、THCを含む大麻の成分がアルツハイマー病の特徴であるアミロイド斑を、実験室で育てた神経細胞から取り除くことが見つかっている。THCとCBDの配合剤をアルツハイマー病の症状を持つマウスに投与した試験では記憶の改善とマウスにあったアミロイド斑が少ないことがわかった。ある研究者たちは、CB2受容体がミクログリアの活動をコントロールしている可能性を信じており、脳での免疫システムの有害の可能性のある過剰な活動を防いでくれると信じている。
しかしながら、アルツハイマー病の患者について、大麻や大麻に含まれる物質が効果があることを示す治験や研究はまだない。実験室でのデータが示しているような展望が示されている一方で、ヒトでのアルツハイマー病の進行においてネガティブなのかポジティブなのか効果を持っているのかどうか知る前に、私たちは大麻に含まれる物質の幅広い影響について知る必要がある。
これらの沢山の研究では、分離された大麻の特定の物質に関するものであることも、注意しておくべきです。たとえ、一つの成分が認知症のリスクに影響することがわかったとしても、大麻の摂取で同じ効果があるだろうということを必ずしも意味しない。
異なった品種ごとにTHCのCBDの含量のレベルにはとても様々なバリエーションがあります。だから効果は使用した大麻によって変わるはずです。
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要するに実験室レベルの話しかなく、なんか可能性はありそうだけど、ヒトではよくわからんし、大麻もいろいろだから使おうとしてる大麻が効くかどうかや安全かなんてわからんやろ。ってことやね。ほんとこのパターン多い。
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大麻は認知症の症状を治すことはできますか?
認知症患者に対する大麻の効果について行われた少数の臨床試験では、認知症の症状による状態を管理するのに役立つかどうかが調べられている。 興奮や攻撃などの症状は、理論的には大麻やその成分の影響によって中和される可能性がある。
少数の小規模な臨床試験は、THCおよびNabilone などの合成カンナビノイドを含むカンナビノイドの、認知症の行動症状への影響を評価している。 しかし、科学的レビューでは、これまでの治験および研究が一般的に、小さすぎるまたは低品質であるとしており、それらの試験から結論を得ることは困難である。
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要するにエビデンスの蓄積不足。現時点でのエビデンスの蓄積では大麻が効くとは言えないということ。
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アルツハイマー病学会は、大麻と認知症の研究に資金を提供したことはありますか?
アルツハイマー病協会は、大麻と認知症リスクや認知症の症状の治療の可能性について資金を提供したことはありません。 しかし、これは我々がこの課題について調査しようとする研究者からクオリティの高い申請書を受け取っていないためです。
英国の大学、研究所、またはNHS財団に基づいて研究者から大麻と認知症へのクオリティの高い申請書を受けとった場合、そのとき私たちは資金提供するでしょう。どのような研究に、アルツハイマー病学会が資金提供しているのか?現在または過去に資金を提供した研究プロジェクトの詳細をご覧ください。
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エビデンス不足には規制物質だからだけでなく、研究者の努力も足らないのかもしれない。大麻だと影響する因子(大麻が効くといった思い込みや使っている患者集団の違いなど)も多いし、なんか難しい理由があるのかもしれない。わからんけど。
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結論
実験室レベルでは大麻の特定の成分が、特にアルツハイマー病といった認知症の背後にあるプロセスをターゲットにすることができるかもしれないという、いくらかの興味深いエビデンスがある。 しかし、現在のところ、大麻の使用が認知症のリスクにどのように影響するのか、大麻が認知症の症状を管理するのに役立つことができるかどうかについて質の高いエビデンスと知識が欠けている。 特にヘビーユーザーで、大麻使用は記憶や思考に悪影響を与える可能性があるため、潜在的な可能性と欠点を判断するために、より多くの研究が必要である。
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現実はいつも微妙ですね。
培養細胞とか動物実験とかの実験室レベルの結果から可能性はあって、研究対象としては面白いが、治療に使うにはエビデンスが足らない。もっとエビデンスの蓄積が必要。
大麻にこだわらずエンドカンナビノイドシステムに関係する物質を探し、創薬した方が早い気がするのですが… CB1受容体とか自体は古くから知られていて研究し尽くされている感もあるし、その上流とか下流をターゲットにしたらと思うのは素人考えかな?
今回も大麻の有効性の話でよくあるいつものパターンでした。大麻に限らず、実験室レベルでなんか良さそうでもヒトだと、あれ?ということはとてもよくあることですが。
大麻の研究は別に否定はしないけど、大麻推進派は先走って騒ぎすぎてしまう悪癖があるようだ。
以上です。
後から内因性カンナビノイドシステムについての薬の開発について調べてみたら、死亡(脳死)例で治験失敗しているんだね。
CNNでの報道
https://www.cnn.co.jp/amp/article/35076313.html
人間の体って意外と複雑。やっぱり研究を手順通りにエビデンスを積み重ねることはとても大切。
あと、有効性も有害性もなんでもだけど、ブログや新聞、掲示板の情報や調査は大体嘘が混じっている。海外の研究結果と称して(多分意図的に)間違った統計数値や、比較できない別々の調査結果をまとめていたり、本当にヘドがでる。ソースのリンクがブログや大麻推進派団体の発表とか、恥ずかしくないのだろうか。




