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グレード

次回の投稿は土曜日12時です。

 

 

 

 入ってきた人は女性だった。

 

 その人はスラリと細身の体にポニーテールにした長い黒髪を揺らし、スーツのようなぴっちりとしたパンスを履き、地球で言うなら出来る女と形容されそうな人だった。

 

 俺はその人が入ってきた瞬間、座っていた状態から立ち上がった。

 

 「まぁ座って話そうじゃないか」

 

 その声に従って俺は椅子に腰をかけ女性も机を挟んだ対面腰をかけた。

 

 「さて、君を別室に呼んだ理由はわかるかな?」

 

 「いえ、わからないです」

 

 座るなり女性はいきなり話し始めた。

 

 「まぁそうだろうね 君もあの受付で一通りの登録をすればそれで終わりだっただろうさ そのローブさえまとっていなかったらね」

 

 「? ローブ…ですか?」

 

 「ああ まぁまずはそのローブをこちらに見せてくれないか?」

 

 女性はズイと前に乗り出し、催促をする。

 

 俺は言われた通りにローブを脱ぎ、女性へ手渡す。

 

 すると女性は俺のローブをすみずみまで何かを確認するように何度も見る。

 

 しばらくすると納得したようにローブを机の上に置き、俺に告げた。

 

 「確かに君のもののようだな 驚きを禁じえないがな」

 

 彼女は呆れたような口調で話す。

 

 「えっと…どういうことですかね?」

 

 「まずは自己紹介をしようか 私はこのギルドの最高責任者 ギルドディレットのフィアンマだ よろしくな」

 

 「はぁ…… あ!ディーノです」

 

 「ではディーノくん 君がここに呼ばれた理由を説明しよう」

 

 「お願いします」

 

 「君が来ていたローブがどういうものか君はわかっているかな?」

 

 「学園生の身分証明……ですか?」

 

 「半分は正解だ」

 

 「半分…ですか?」

 

 「そうだ 君のローブに金と黒のラインさえなければそれだけだった」

 

 「ライン…… あ!」

 

 「君も気づいたようだな そう 君のローブには特待生であり、全属性を使えるというにわかには信じ硬いものがついていた だから君はここに呼ばれたのだよ」

 

 「でもなんで別室に移されたんですか?」

 

 俺は自信の羽織っていたローブの特異性には気づいたがなぜここに呼ばれたのはわからなかった。

 

 俺の疑問にフィアンマさんは丁寧に教えてくれた。

  

 「一つは君のローブが偽物や盗品ではないかという疑いが出来た 当然だな特待生か全属性どちらかひとつならここまでの大事にはならなかっただろうさ しかしそのどちらもあるとなると身分を詐称するために偽物を作った、もしくはそのローブの価値に気づかず盗んだという可能性が出てくる だから別室で確認をしたわけだ 周りを職員で固めてな」

 

 「職員で固めるって……」

 

 俺はそこでようやくフィアンマさんが行った通り何人かがこの部屋を囲んでいることに気づいた。

 

 地球でのほほんと暮らしていた頃だったならば言われても気づかなかっただろうが、この世界でそれなりに場数を踏んできた俺には少しだけ気配が読めた。

 

 「済まないな 君が犯罪者だった場合は逃がさないように部屋を固めていたのさ まぁ杞憂に終わったわけだがね」

 

 そこまで言うとフィアンマさんは肩の荷を降ろすように息を吐いた。

 

 「2つ目はもしこのローブが真実だった場合普通の新人と同じ扱いはできないからという理由だ」

 

 俺はフィアンマさんの説明を聞いた。

 

 「普通ギルドで冒険者登録をすれば最低ランクのウーノグレードから始めさせるわけなんだが――」

 

 「ちょっと待ってください! グレードってなんですか?」

 

 「何? 君はグレードのことを知らないのか?」

 

 「すいません わからないです」

 

 ディーノは申し訳なさげにフィアンマさんに言った。

 

 「はぁ ではまずグレードの説明からはじめよう…… グレードというのは冒険者の受注できる依頼の難易度の目安でもあり冒険者の実力も表している ウーノ、からデーチモまでの10段階に分かれている 自分のグレード以上の依頼は受注できず、以下の依頼も回数制限がかかる」

 

 「あの自分のグレード以上の依頼を受けれないのはわかるんですけど以下の依頼に回数制限がかかる理由って何でですか?」

 

 「高グレードの冒険者が低ランクの依頼を受けると低ランクの冒険者が出来る依頼が少なくなるからだ 話を続けていいかな」

 

 「どうぞ」

 

 「そしてパーティーで受ける場合はそのパーティのグレードを平均した数字で依頼を受けれる というのがグレードだが君にはウーノグレードから始めさせられないのだよ」

 

 「何でですか?」

 

 「これは学園とうちで結ばれている取引の一つなんだが特待生には授業の一環でクアールト以上依頼を受けさせるためそれ以上のグレードを与えないといけないんだ」

 

 「授業で依頼を受けるんですか?」

 

 「ああ 学園の中だけでは特待生級の生徒には得るものが少ないから依頼も授業の一環となっているんだ だから君にはここの修練場で試験を受けてもらう」

 

 「え! 試験ですか!?」

 

 「この試験の結果次第で君に与えるグレードが変化する さ、付いてきてもらおうか」

 

 フィアンマさんは立ち上がり部屋の扉を開けた。

 

 俺はそのあとに続くことにした。

 

 はぁ、学園で試験を二つもやったのにまだ試験をしないといけないのか……

 

 俺の心のため息は誰にも聞かれることはなかった。

 

 

 

 

某ピザ屋が半額セールをやってますがいくら半額とは言え一人の一食に約2千円はまだハードルが高いなぁ……

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