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追われる身

誤字脱字の指摘など感想待ってます!

 また日が沈みそうだ。

また俺はあの暗闇の恐怖に耐えないといけないのか?


そんな事を思っているとがさりという音が遠くから聞こえて来た。


あたりに音を発するものはないので、遠くの音も聞こえたのだろうか。


そんな事を考える間もなく、俺は反射的に音の方へ走っていった。


突然音が聞こえたんだ、誰かいるかもしれない。


俺は遠くから聞こえる音に希望を持ちながら駆け足で歩いた。


音源は移動しているのか俺が走って近づいてもなかなかたどり着けなかった。


それでも諦めずに俺は音のするほうに向かった。


音源に向かって声をかけて止めたいところだが、もう声を出すのは厳しい。

今までの疲れで声を発することもきつくなってきたのだ。


そうすると音源は止まったのか音がしなくなった。


代わりに水の流れるような音が聞こえた。


俺は1日ぶりの水の気配に歓喜し歩調を早めると開けたところに出た。

森を抜けたそこには川があった。


綺麗な水が流れる小さな川だった。


俺は一目散に川に駆け寄り、水を口に含んだ。


水を飲んで落ち着くと川の向こう側からまたがさりという音が聞こえた。


「だれか居るんですか!? 助けてください! 俺いきなり森に居て困ってたんです!」


俺が音のするほうに声をかけるとそいつは現れた。


真っ黒な毛に赤い瞳大きさは大人以上で口には鋭い牙が並び、爪は俺の首くらいすっぱりと切ってしまいそうなほど鋭利なものだった。


俺はそいつの正体に本能的に気づいた。










こいつは`ベスティア´なんだと







俺は一目散に川沿いに逃げた。


普通なら森の中に逃げるのが賢いのだろうが、俺はさっきまでの恐怖から森に入れなかった。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ~!」


俺は脇目も振らず逃げた。


ベスティアは俺の後を追ってきていた。


ベスティアは破壊衝動の権化だ。


俺という獲物を見つけた以上俺に向かってくるだろう。


俺は死にたくない。


その一心で駆けた。


それでもベスティアの方が速く俺に接近してきた。


当たり前だ、相手は狼型のベスティアだ、速さが違いすぎる。

逃げ切れるわけがない。


ベスティアは俺に近づくと頭突きで俺に飛びかかった。


俺は体を押され倒れてしまった。


すぐに起き上がりまた逃げようとしたがもうベスティアは目の前にいた。


ゆっくりと近づいてくるベスティア。


「い、嫌だ! 死にたくない! 誰か助けてよ~!」


俺は必死に命乞いし、周囲に助けを求めるが、ベスティアは無常にも俺に近づいてくる。


「あ、ああああああああああああ!」


俺は逃げようと、尻を付いたまま後ずさりした。


そうしながら思いついたのは母が使っていた魔法だった。


俺は母の魔法の練習を思い出しながら、全力で魔法を放とうとした。


「ウォーターボール!」


……しかし何も起こらない。


これは小説の世界なんかじゃない。


ピンチに陥っても急に魔法が使えるようにはならない。


俺はそのことに絶望し俯いた。


そんな俺をお構いなしにベスティアは容赦なく前足で俺の体を横殴りにした。


「ガァァァウ!」


俺はベスティアの一撃をくらい、薄れゆく意識の中、体に温かいものを感じ声を聞いた気がした。


「ん?なんで子供がいるんだ?」








次は日曜日の0時に投稿します。ストックがなかなかたまらない……

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