第六話~ああ窓が!窓が!
なぜこんなことになってしまったのだろう。他の種族に出会える事を妄想して深夜のテンションさながらに気分が向上していたのが悪かったのか。何が起きたのがよく分からない。いや、理解したくない。ただ、気がつけばこうなっていた。
目の前には赤い、紅い血の海。手のひらに広がる痛みに、思わず叫ぶ。
「い、いぎゃああああああああああああああああああ!」
「なにかあったの~!?って、本当に何があったの!?手が血だらけじゃない!」
私の悲鳴を聞きつけて部屋の中に入ってきたお母さまが一瞬固まった後、私に駆け寄り手を優しく触る。
「まどが、ガラズ割っだっじゃっでッ…!う゛、あああああああああああごえんざいー!」
事の発端はついさっき。エルフやドワーフに会えるかもしれない嬉しさに、喜びの舞を踊っていたら視界に窓ガラスが映ったのだ。ここまで言ってしまえばもう分かると思う。異世界知識の代表格、それはガラス。昔、日本で貴重だったという印象も相まって創作物への出演頻度が高い。
何が言いたいのかというと、要するに私もガラスを作ってウッハウハしたいとおもったのだ。そこで普通に歩いて窓の近くに寄れば良いものを、酔っ払いのようにハイテンションになっていた私は踊ったまま、詳しくいうならジャンプして窓の方に向かおうとした。
話は少し変わるが、窓ガラスに鳥や虫が突っ込んでくるのを誰しも一回は見たことがあると思う。私も学校の授業中に鳥が窓ガラスに激突してきたのを目撃した。物凄い音を立ててぶつかって来るのを猪突猛進ですなあ、なんて考えていたが今だから言える。好きで衝突しているわけではないのだ。ぶつかるつもりなど毛ほどもなかったのに、体に衝撃が与えられた時の恐怖。あれは怖いものだ。
…誤魔化してきたが、この大惨事は私が自分からガラスに全力で当たりに行ったことによって起きた人災。言い訳をするならばこの世界のガラスは日本の物と違って脆かったらしく、うっかり手を叩きつけてしまったら割れた。しかも細かく割れて、もうマジ無理…泣き喚こ…という具合になってしまったのだ。
そんな旨の話を、外にきらきらした物が見えた気がして触ろうとしたら窓を壊しちゃったごめんなさい等と誤魔化しつつー妄想を膨らませつつ踊っていたなんてとてもじゃないが言えないー話せばお母さまに抱きしめられました。
実に豊満ですな。っていきなりどうしたんですか服が汚れちゃいますよ!?
やっと書く時間が取れたので投稿。




