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朝食の後はご自慢の庭を案内してもらう。
途中から双子姫も加わって賑やかになった。
「こっちですー」
「こっちの花もキレイなのですー」
手を引かれてあっちへこっちへ。
元気な姫達だ。
「ほらほら、サリー、メリー、そんなに振り回してはいけないよ。その様にはしゃいでこけたらどうするんだい?」
「お兄様は心配し過ぎですよっ」
「そうです、大丈夫ですっ」
「「ねー」」
仲良く笑い合う姫達に、仕方ないとファースト王太子は肩をすくめた。
そうしてお散歩をしていると、ルーイが来た。
「みや」
「あっ。ルーイっ」
みやはトトトっとルーイの下へ行く。
手前で止まったみやだが、ルーイは距離を詰めてふわりと包み込む。
そしておはようと言いながら髪に口付けをする。
「ちょ、、ルーイっ」
顔を赤らめるみやは離れようとする。
周りからすればそれもイチャついている様に見える。
「「竜王子様っ♡」」
「おやおや、竜王子の甘い顔を見る日が来ようとはね。 もう迎えが来てしまって残念だ」
ファースト王太子達も近づく。
「みやが世話になった」
「とんでもない。ミヤ姫ならいくらでもお世話をするよ」
「もう行ってしまわれるのですか?」
「今来られたばかりですのに。ゆっくりしていって下さい」
「ありがとう。まだ1時間は時間があるので、それまでは居させてもらいます」
「ならこちらへっ」
「あちらにある小バラが見頃なのですっ」
と双子姫がルーイを引っ張って行く。
「こらこら、そんなに慌てるものではないよ?・・・仕方ない妹達ですね」
「元気で良い事ですね」
「元気過ぎるのも困りものですよ?」
やれやれと肩をすくめるファースト王太子。
そして2人も後をついて行った。
その後は穏やかな時間を見守られながら過ごし、出発の時が来た。
「また何時でもお越しください。お待ちしております」
「はい、ありがとうございました」
「この先の訪問も恙なく無事に行かれる事を願っております」
「ありがとう。またの機会にはもっとゆっくり話そう」
「えぇ。 お気を付けて」
港までは馬車で送ってもらい、そこからはパラディン達の護衛で船に乗る。
小さい船なら、手漕ぎの帆船が主流だそうだが、国を渡る位だと中型から大型の帆船で、木造と鉄骨の2種類あるらしい。大きな船には何本もの帆がついていて、遠方の大陸から取り寄せた動力源によって進むのだとか。
みや達が乗る船は荷物も積む大型帆船だ。
しかも一番立派な船に違いなかった。
「(これ絶対御用達とか言うやつだ)」
どうもトゥファオール国からの出迎えで来た船らしく、そちらの兵士も乗っていた。
初めての大きな船に、みやはドキドキウキウキしている。
船の旅は2泊3日。明後日の午前中に着く予定だ。
スファナの騎士達に見送られ、準備が出来た船は “バァ~~~ン!!!” と大きなドラを響かせて出港した。




